Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

2010年に愛を込めて

2010-12-31 21:40:56 | Weblog
さて、今年も残すところ数時間となりました。
年末の大掃除やらで毎年てんやわんやで、普段よりもずっと疲れるこの時期も、明日から後半戦に入ります。

市場にしろ政権にしろ、世間様は色々と不安定な年でしたが、ITの世界もネットブックからタブレット、スマートフォンへの変革があったり、FacebookやMixiと言ったSNSの立ち位置がより重要になってきたりと、昨年末からすれば、非常に巡るましい一年だったように思います。来年も今年のように、色々と驚くようなニュースが待っている事を期待したいですね。

ところで、このブログの話ですが・・・実は結婚が決まりまして、その準備や新生活にむけて、今年は更新が不安定になることが多々あるかと思いますが、どうかご容赦をお願いします。さっそく、ついたちは更新が難しそうです・・・

では皆さん、良いお年を! また来年お会いしましょう。

マルウェアの進出 来年はスマホにも

2010-12-30 18:29:04 | Thinkings

マルウェア・・・近年のネット環境からは切っても切れないワードになってしまった感がありますが、それだけセキュリティ対策の重要性が上がっていると言う事と、そして重要性が上がらざるを得ないくらい、クリティカルな情報がネット上でやりとりされていると言うことを意味します。

それらの、セキュリティ上の穴を狙う場合、その穴の数が多ければ多いほど・・・要するにプラットフォームのシェアが大きいほど狙われやすいのは当然。同じコストをかけるなら、より効果が大きい方が狙い目なのはブラックビジネスでも一緒です。

そんなわけで、PCの世界でトップシェアを誇るWindowsはどうしても標的になりやすいです。そして、近年急激に勢力を伸ばしてきたスマートフォンの世界でも例外ではありません。

Androidに初めてのボットネット型マルウェア(トロイの木馬)が出現 TechCrunch

モバイルのセキュリティを専門とするLookoutが今日(米国時間12/29)のブログ記事で、同社が”これまででもっとも高度なAndroid上のマルウェア”と呼ぶトロイの木馬の詳細を報じた。このトロイの木馬は正常なアプリケーションに”寄生する”タイプだが、以下に述べるように、一般ユーザが被害者になる可能性は低い。

例えば、これはAndroidの話ではありますが、iOSも決して人ごとではなく、個人情報や端末情報、位置情報が勝手に流されていたとして集団訴訟に発展するなど、マルウェアだけに関わらず、セキュリティリスクは日々増大している印象です。

来年はよりスマートフォンをターゲットにした攻撃がより増えると考えることは自然ですし、ユーザーはそういう問題によりセンシティブになる必要があるでしょうね。ただ、セキュリティソフトがスマートフォンでも常に常駐するような未来はちょっとイヤかも知れません・・・


フリック! サンワサプライのマルチタッチマウス

2010-12-29 17:57:47 | Digital Devices

一般的なマウスに標準搭載されているものと言えば、左右のクリックボタンと真ん中のホイール。画面上のあるポイントをクリックするという用途から考えれば、ボタンの存在は必要不可欠にして譲れない物です。

しかしながら、それを覆したのがAppleのMagic Mouse。本来ボタンがある部分にタッチパネルを搭載しており、左右のクリックに加え、指先の動きによるスクロールやフリック入力が出来るという、ある意味画期的な製品です。マウスにはクリック感がないと、という人には全く向きませんが、そのタッチパッド+マウスという新しい感覚は一度は体験したいと思わせる物でした。

しかしながら、当のMagic MouseはWindowsにはいつまでたっても対応せず、正に高嶺の花・・・そんな折、サンワサプライからもマルチタッチマウスが登場しました。

サンワサプライから無線マルチタッチマウス MA-TOUCH1 engadget

マルチタッチマウスといえばマイクロソフトの研究プロジェクトか革命的で魔法(略) なアップルの Magic Mouse かという分野でしたが、最近はサンワサプライからも売られるご時世になりました。サンワサプライ MA-TOUCH1 シリーズは継ぎ目のないフラットなタッチセンサーを採用した無線マウス。タップして左右クリックのほか、一本指でなでて縦横スクロール、さらに二本指で左右スワイプにも対応します。

形状としては、横から見るとお尻が高い扇形で、天板はフラット。不評だったMagic Mouseの形状よりも、さらに人間工学を無視したかのようなデザインです。薄っぺらいマウスですので、手でかぶせて持つと言うよりも指でつまんで持つことになりますから、それでも良いかもしれませんけれど。

マジックマウスのような操作性を体感したいという需要にはがっちり応えられるこのマウス。慣れるまでは一苦労という話もあるみたいですが、そこは「人とは違う」という優越感で乗り切れると信じて、使ってみるのも面白いかもしれませんね。個人的にはテストで一つ欲しいですけれど・・・もうちょっと価格が下がるのを待ちたいですねえ。


録画補償金訴訟、権利者側が敗れる

2010-12-27 20:48:21 | Thinkings

世の中の「コンテンツ」と呼ばれるものに、すべからくついて回るものと言えば「著作権」があります。これは、映像に音楽、イラスト、テキストなどについて「作った人の権利を認めよう」という、ごく当たり前の約束事です。もっと具体的に言うならば、「他人が作った物で勝手にお金儲けをしてはダメ」という事なんです。
逆に言えば、「お金が発生しようがない、個人的な利用ならコピーOK」で、これはちゃんと明文化されていたんですけどね。

どうも最近、権利者側の声が大きくなってきて、理不尽だと思うような事までごり押しされてきている事実が色々とあります。
今回の騒動のタネになった補償金制度もその一つで、地デジのコピーワンスやそれを引き継いだダビング10、CPRMなどでガチガチに固められた、「コピーの心配のない」=「権利者の権利を侵害しない」デジタル放送専用レコーダーの販売についても、「権利者側は録画によって利益を侵害されるから補償金をよこせ」と言っている訳です。それについて東芝は「払う必要が無い」と無視し、訴訟に発展したわけですが・・・

録画補償金訴訟で東芝勝訴 SARVHの請求棄却 ITmedia

デジタル放送専用レコーダーの私的録画補償金支払いを拒否した東芝に対し、私的録画補償金管理協会(SARVH)が賠償を求めた裁判の判決が12月27日、東京地裁であり、SARVHの請求が棄却された。

このように、請求は棄却。東芝の正当性が示されました。まだ一審ですので今後権利者側は控訴すると思われますが、現時点ではどちらが子供のわがままなんでしょうねえ?

ここまで読んでもらえば言わずもがなでしょうが、私は全面的に東芝の味方です。著作権を軽視しているわけではありませんが、主に個人が私的に利用する、しかも本来無料で垂れ流されているテレビ番組を録画するのにお金が必要だって、おかしいですよ。日本独自の機構を搭載するために国際競争力は落ちるし、ダビング10などのユーザーに不利益を強いるシステムをごり押しするし・・・正直な所、CCCDのころからあまりに強く「権利」を主張する権利者側に、積もり積もった不信感があるんです。

なんにせよ、「今の補償金制度はもうダメだ」という点については、メーカー側も権利者側も双方の認識としてあるようです。今後どのような議論が出来ていくのかは分かりませんが、もうちょっとユーザーの側に立った議論もして欲しい・・・と言う事で、見るからに権利者側の文科省から、経産省への主幹省庁の移行を再度、提案します。


アバターの3D版ブルーレイは300ドルもする?

2010-12-26 19:43:58 | Thinkings

エコポイント終了に伴う特需+ボーナス商戦の影響で、今年の冬はテレビが売れに売れたらしいですが・・・あくまで売れたのはお手頃価格の物ばかりで、3Dの方はやっぱりその価格から、そうでも無かったみたいですね。

電気店では盛んにデモを行っているけれど、実際のところソフトが揃っているという実感が全くない3Dテレビですが、それを象徴するかのような出来事が海の向こうでも起こっているとか。

アバター3Dは何故300ドルもするの? GIZMODO

アメリカで3D映画の最高傑作『アバター』を家で3Dで見たいと思ったら充電式3Dメガネが2つバンドルになってる「スターターキット」買うほかなくって、それがなんと300ドルもするんです(日本は市販されてなくて、パナソニックの3DTVのVIERAや3DディスクレコーダーDIGAや3D対応BDプレーヤーを買うと無料でもらえるプレゼントキャンペーンを来年3月末まで実施中ですよね)。

要は、3Dグラスが付いてくるわけですよ、そのテレビメーカー用の。だから、映像だけだと50ドルくらいの物なのに、余計な者の為に200ドル払わなくてはならないというわけです。・・・将来にわたって使うかどうかも分からないのに。

日本だと、そもそもアバターの3D版単体では販売がありませんので、状況としてはもっと酷いのですが、3Dテレビがもっと普及するまでは、こういう混乱はしばらく続くでしょうね。

ところで、先日トロン・レガシーを見てきました。3D版しか選択肢が無かったので仕方なくそれにしたのですが・・・実写映画で3Dって本当に必要?って改めて思ってしまいました。アリス・イン・ワンダーランドもそんな感じだったし。私はしばらくは3Dテレビなんていらないですねえ。

ところで、話は変わりますが。トロン・レガシーは私の中で2010年のワースト映画です。シナリオが古くさすぎ・・・


Cellが再びソニーの手に

2010-12-24 20:48:37 | Digital Devices

PS3が世に出てから、すでに4年の月日が経ちました。あの発売日の騒動が嘘のようですが、今でもその性能は色あせることはありません。

その性能を支えているのがPS3の心臓部であるCellプロセッサー。PPEと呼ばれる汎用プロセッサ1基と、SPEと呼ばれるシンプルなベクトル演算特化型の演算ユニットを8基搭載するプロセッサで、SPEをフル活用した場合の凄まじい演算性能が当時大きな話題となりました。

Cellプロセッサは、ソニーと東芝、そしてIBMが共同で開発し、当初はPS3を要するソニーが日本での生産を担っていましたが(IBMがアメリカでも生産)、2008年に東芝に生産施設を売却したというニュースは世間を驚かせました。折しもPS3がWiiどころかXBOXにも(世界的には)大きく水をあけられていた時期でしたので、色々と邪推したものです。

あれから2年。PS3はようやく売り上げが改善され、CellレグザなどPS3以外の民生用用途も見えてきました。
そして、とうとうCellがソニーに帰ってくるようです。

東芝、Cell生産から撤退 ソニーが工場買い戻し ITmedia

東芝が、高性能の半導体「Cell」を生産する長崎県の工場をソニーに売却する方向で調整していることが23日、分かった。売却額は数百億円規模に上る見通し。Cellはソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」や東芝の高級テレビ「Cellレグザ」に搭載されている中核の半導体だが、用途の広がりがみられず、東芝はCell生産から撤退する。一方、ソニーは工場の生産設備の一部を、スマートフォン(高機能携帯電話)用途などで需要が急増しているデジタルカメラの画像センサー用に切り替え、大幅な増産に乗り出す方針だ。

といっても、Cellを取り巻く状況自体は、正直改善されたとは言えません。ソニーが向上を買い戻した理由も画像センサーの生産ライン拡充のためだし、東芝が手放したのは「用途の広がりが見えない」というネガティブな要素の為だし。

やはり、他に応用の利かない、PPE+SPEが活用出来ないと性能を生かせない仕様が今まで尾を引いていたんでしょうねえ。実際、東芝やIBMはともかく、ソニー自身がPS3以外にCellを使っていないわけですし・・・

PSP2には小さな構成のCellが使われるという噂がまことしやかに流れていますが・・・日本主導のこのプロセッサが、今後も良い結果を出していけるよう祈っています。


演算も記憶も行うトランジスタ PCのスタートアップが超高速に?

2010-12-23 23:59:59 | Technology

コンピューターを20世紀最大の発明というのはよく聞く話ですが、その進化の土台といえるのがトランジスタの発明です。
もともと真空管を用いて作られていたコンピューターですが、小型で軽量、低故障率、低消費電力であるトランジスタの登場で、真空管はトランジスタに取って代わられます。その後、トランジスタをより小型化、集積化したICやLSIの登場により、コンピューターの性能は飛躍的に進化していくわけです。ちなみに、IntelのCore i7(Bloomfield)には7億3100万個のトランジスタが詰め込まれているとか。まさに天文学的な数ですね・・・。

さて、そのトランジスタに新顔が登場したみたいです。なんでも、「演算も記憶もできる」とか・・・

100万分の1の消費電力で、演算も記憶も行う新しいトランジスタを開発 独立行政法人 物質・材料研究機構

小難しいことは抜きにして、「アトムトランジスタ」という新開発のトランジスタは、従来のトランジスタと同様の演算素子としての動作と、その「演算結果の保持」が出来る・・・つまり、演算結果によって「回路の再構築が出来る」ことを記憶が出来ると言っているようです。

従来は、トランジスタで演算した結果をメモリに保存しており、メモリの消費電力が大きかったので電力効率が悪かったのですが、今回はトランジスタが演算結果を記憶する事で、消費電力を大幅に抑えられると。さらに回路そのものが演算結果を覚えているため、電源を入れた瞬間に、電源を切る前の処理状態が再現できているから、(回路的には)起動時間という概念すら無くなる・・・という話みたいです。

ただ、従来の「トランジスタで演算し、メモリで記憶する」というアーキテクチャが使えない、全く新しい概念での回路設計が必要になるため、例え量産化や集積化の目処が立ったとしても、世に出てくるのはまだまだ先の話でしょうねえ・・・


手軽さが魅力の「買い切り」スマートフォン ー日本通信から登場

2010-12-22 23:59:59 | Digital Devices

日本通信と言えば、「SIMフリーiPhoneを輸入して自社のSIMカードとセットで販売する」という戦略が記憶に新しいですが、今回はそういう変化球ではなく、もうちょっと直球で勝負してきています。

「子供のお小遣いで持てる」Android端末を――日本通信が目指す“スマホ価格破壊”戦略 ITmedia

「実現したかったのは、子供のお小遣いで持てるスマートフォン」――日本通信は12月22日、SIMロックフリーのAndroid 2.2搭載スマートフォン「IDEOS」を2万6800円で12月第4週末に販売し、同端末向けに基本料490円の“モバイルIP電話サービス”を1月中旬に始めると発表した。

ざっくりと要点だけを取り出すならば、

「端末とSIMカードを全て買い切りにし、価格を抑えた」
「端末はエントリー向けの低価格機」
「データ通信のみの利用の場合、契約は必要ない」

つまり、プリベイド版のスマートフォンという感覚に近いです。出費を「初期投資のみ」に抑えられる点や、契約が必要ない点を歓迎する需要というのは間違いなくあると思います。

また、エントリー向けの端末を提供するということは、スマートフォンの敷居を下げる上で非常に重要です。すでにアメリカでは大手がやっており、一定の効果を上げているようですので、エントリー向けの端末提供が3大キャリアでも始まれば、新たなスマートフォン需要を喚起する一因となるのではないでしょうか。

ただ、今回提供されている端末は、

1GHz駆動のCPUを搭載したAndroid端末が市場に出回る中、IDEOSは528MHz駆動のCPUを採用し、ディスプレイも約2.8インチQVGA(240×320ピクセル)TFT液晶と、スペック的には見劣りする部分がある。

とiPhone 4などの現行の売れ筋機種に比べるとロースペック。エントリー向けとは言え日本においてもこのスペックが受け入れられるかは、今後の試金石となるでしょう。

そうは言っても、スマートフォン市場にとって間口が広がるのは喜ばしいことでしょう。正直、「二台目需要」を論ずる上で、この例のようなプリベイド型の販売方法は避けて通れないと思います。3大キャリアも同様とはいかずとも、何らかの措置・方法を考えた方が良いのではないでしょうか?
・・・今だとauに期待した方がいいのかな?


クールな詰め替え式スプレー洗剤

2010-12-21 20:18:41 | Life

「液体の何か」を利用する機会というのは日常生活の中で意外と多いです。

例えばジュースやお茶などの飲み物やサラダ油などの調味料、シャンプーやリンス、そして洗剤と、種類も用途も千差万別。生活の中には欠かせない製品群です。

さて、これらの製品をもっとエコにするために、これらの製品の大部分にとって、主要な成分を除いてしまった製品を売り出した米国の企業があります。・・・この製品、私はスタイルもすごくカッコイイと思うんです。

replenish

除いてしまった主要な成分とは「水」。この製品は、家庭で水を入れて使うことで、輸送の際の重量や製造コストをカットする事に成功しています。

 

下の濃縮洗剤が入ったボトルを詰め替えるだけでスプレー部分の寿命が延ばせるのもエコですね。

確かに水は主要な成分にして家庭で最も気軽に代替がきく原料です。混ぜる比率さえ明確に分かるなら、確かにこの方式でも全く問題なさそうです。

輸送コストは製品単価を下げる上で避けては通れない問題ですが、この方法が採れる製品って結構あると思うのです。・・・何よりロゴ入りのスプレーのデザインがカッコイイので、日本でも売ってくれないですかねえ。


サービスごとに通信料金徴収が実現・・・驚愕のプレゼン

2010-12-20 23:59:59 | Technology

古くは様々なアプリケーションや動画のダウンロードに始まり、WinnyやShearなどの、いわゆるP2Pソフト全盛の頃に(IT界隈で)社会問題化し、最近ではYouTubeなどの動画ストリーミングサービスが矢面に立っている問題があります。
何度も繰り返されてきたそれは、「一部のユーザー(サービス)が、帯域のかなりの部分を専有してしまっている」という、通信各社にとっては非常に頭の痛い問題です。

固定回線の世界では、かつてP2Pサービスの利用者に対して帯域制限をかけたり、あまりにも通信量が多い場合は通信速度を落としたり・・・という、ざっくりとした制限をかけていたことはありますが、技術の進歩とネット中立性の名の下に、そして、そうせざるを得ない小規模IPSから大手にユーザーが移ることで、最近はそうそう問題にならなくなっています。

しかしながら、モバイル通信の世界では、固定回線ほど帯域が潤沢に使えないと言うこともあり、相変わらず悩ましい事には変わりないようです。むしろスマートフォンの台頭で、問題は深刻化していると言えましょう。ソフトバンクがiPhoneでのWiFi使用を推奨しているのはそのためです。

さて、今後はどのような対応が考えられるか、ですが、海の向こうでは何とも恐ろしいプレゼンが、ISP向けにされたようです。

パケット監視でウェブアプリ別に通信料徴収、ISPが検討中 engadget

Facebookの利用料金は1MBあたり2セントで、Skypeは月額3ユーロ。YouTubeは月額0.5ドルだけど速度制限あり......インターネットプロパイダ(ISP)がウェブアプリやウェブサービスごとに別料金を課すなんて、どこの並行世界の話かと思われるかもしれません。しかしこの資料はAllot Communications社とOpenet社が行ったウェブセミナーで配布され、「信頼できる筋」からWIREDが入手したというもの。両社は通信帯域の制御を専門にしており、AT&TやVerizonといった大手キャリアを顧客に持つことで知られています。
つまりスライドが示すのは、我々の技術を利用すれば、定額通信料だけでなくウェブサービス別に追加の通信料を徴収できる(キャリアにとっては)明るい未来が到来するよ、という話です。

要は、ネットの中立製なんぞどこ吹く風で、重いサービスには高い通信料を・・・という、まるで10年前に戻ったかのような話です。これだと、特定のサービスへのプレッシャーにもなりかねませんし、ISPの自社サービスへの極端な優遇なんて事も普通に起こりえます。最悪、ISPが「見せたくない」サービスについては「遮断」まで出来るわけですよ。

「現状」を鑑みるに、とうていまともとは思えないですが、「将来」はそれがまともになっているかも知れないんですよね・・・
こんな馬鹿な事がまかり通る世の中になる前に、それが問題にならなくなるくらい技術が進歩するか、「誠実な大手が」救いの手をさしのべてくれるよう願っています。・・・海の向こうではAT&TやVerizonがやろうとしているのですから救いようが無いですけどねー。