ふと周りを見回すと、そこかしこにFlashメモリが散見されるようになりました。USBメモリは言うに及ばず、iPod touchもそうですし、携帯やPSPのメモリーカードもそう。Wiiに使っているSDカードもそうです。
Flashメモリが世に出てきた当初といえば、256「KB」程度のコンパクトフラッシュでもとんでもない値段がしました。初代PSで使用したメモリーカードは128KBでしたし、デジカメについてくるメモリーカードも8MB程度の容量でして、現在の2GBなどの容量から考えると隔世の感がありますね。・・・つか、未だに32MBのメモリスティックをPSP用に売っているソニーはどうなのか。周辺機器のページで、それしか紹介がないですし。・・・PS2のメモリーカードは8MBでしたね、そういえば。
要するに、「小さくて大容量」になってきたFlashメモリ。そうなると、次はHDDの替わりとしての需要が出てきまして、数年前からSSDという名前で世に出回っています。HDDに比べれば容量はそこそこだけれど、可動部分がないため衝撃に強い、低消費電力、読み込みが早い、省スペースといった特徴から、値段が高くても注目されている製品です。有名どころでは、EeePCに搭載されて話題になりましたね。
そのSSDの、さらなる大容量化と価格低下への布石となる技術進展があったようです。
IntelとMicron、初の34nmプロセス製造による32Gbit NANDフラッシュ PC Watch
米Intelと米Micron Technologyは29日(現地時間)、34nmプロセス製造による容量32GbitのNANDフラッシュメモリを発表した。6月よりサンプル出荷、2008年後半より量産出荷を開始する。製造は両社の合弁会社IM Flash Technologiesで行なわれる。
なんでも、現在は4GB~128GBの製品が出回っているところですが、一気に倍の256GB以上の容量を実現できるとのこと。下手なHDD搭載ノートよりも記憶容量が増えますので、使い勝手や搭載機種の幅や、機種間のラインナップの差など、汎用性が増しそうですね。SSDだけでなく、メモリーカード全般や携帯電話などにも応用できる技術ですので、今後の展開に期待といったところでしょうか。
EeePCを私が買わなかった最大の理由が「SSDの容量がない」という点です。さすがに「4GB-XP等の使用容量=1.2GB程度」では厳しすぎるという事だったのですが、容量を抑えてあるのはコストダウンの為ですので、容量単価が安くなってこればこういう問題も解決してくるでしょう。
とはいえ、容量単価的に見るとHDDとは未だ雲泥の差がありますし、画期的なブレイクスルーが無い限り、絶対的な容量もしばらくはHDDに分があり続けるはずです。となると、映像分野やサーバーではHDDの優位は変わりそうにありません。やはり、このあたりも棲み分けが進んでいくんでしょうね。
SSDが本格的に普及する布石として、2桁GBの容量がある低価格ノートが市場での存在感を示すようになることが上げられます。現在のEeePCも、インパクトはありますが、実際に使う段階では力不足が目立ちますので、一般層には売りにくい製品です。
せめて、「ニコニコ動画」などのWebサービスが満足に見える程度の処理速度と、最初から用途を限定しなくても良い程度のSSD容量があれば、他のノートの「廉価版」として格段に売りやすくなります。そういう製品が増えれば、SSDの値段も徐々に下がり、且つ市場にも出回りますので、置き換えが進んでいくのではないですかねえ。
そういう未来が来るのは来年か、再来年か・・・HDDができてから52年、フラッシュメモリは28年と歴史は浅いのに記憶媒体はすさまじい進歩ですねえ。ところで、HDDを初めて開発したのはIBMですが、フラッシュメモリ(NAND型NOR型ともに)の発明者は日本人の舛岡富士雄さん何ですって。知ってました?