謀りごとと濫妨で

2017-05-12 | 読書
 「御伽草子」の「一寸法師」を読んだ。
 津の国、難波の里の話。
 「おほぢ」と「うば」がおり、「うば」が四十一の時に、「ただならず」なり、すなわち、妊娠して、「いつくしき男子」が生まれる。一寸法師である。
 大喜びするも、時経ても、背が高くならない。化け物と言え、いかなる罪の報いかと思うようになる。
 一寸法師は、そんな親の思いに気づき、親元を離れ、都にのぼることにする。針の刀を持ち、御器の舟で。
 都で、三条の宰相殿と言う人のもとに行く。そこで、一寸法師は、十六となるが、背はもとのまま。
 そこに、十三になる姫君がいる。一寸法師は、自分の女房にしたいと思う。そこで、謀りごとをする。「みつもののうちまき」(貢ぎもの・捧げものの米?)が、姫にかすめられ、食べられたと仕組む。宰相殿は怒り、姫を放擲。その役を一寸法師が担う。
 その後、二人は、都落ち。そして、ある島で、鬼二人に出会う。鬼の一人が「打出の小槌」をもっていた。
 あとは、鬼退治。取り上げた打出の小槌を打ち、背を高くし、食料、金銀を得る次第。姫と連れだって都にもどり、めでたしめでたしとなる。
 一寸法師は、なかなか曲者だったと言えるのか。

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