HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

懐かしい場所

2010-11-03 | 【独り言】

懐かしい場所はどこにもある。

30年近く住んだ、神奈川・藤沢はその中でも記憶が一番身近で詰まっている場所。
お世話になった方の父君の告別式に出掛けた。
お通夜、告別式に参列したから、二日間更新は過去の画像で繋いだ。
そこまでしなくても…といつも思うことだけれど、お蔵入りの画像以外でもプレイバックしながら、
次の画像に繋がることも楽しみだから、繋いだ。
告別式の朝、宿から徒歩10分足らずの場所、新林に出掛けた。
飼っていた愛犬・アキの散歩に何度も訪れた場所だし、
残された田んぼの脇に出て来る野草が楽しみだった場所。
夏の終わりだったか、ロシナンテさんを案内して片瀬山から下った場所に、
今は秋草が残っていた。
稲刈りの終わった田んぼ、ザリガニが棲みついていた濁った池、
その畔のラクウショウは秋色、ケヤキもそろそろ色づき始めている。
藤沢を去る前日、そこで何度も田んぼの畦に座り込んで話していた元地主さんとお会い出来た。
数日前に交わした会話の続きでもするように、今朝は朝露がきれいだ…と、立ち話。
みんな四年前のままの秋だった。

告別式が済んで、帰りの夜行バスまでの時間、やはり大船にも足を運んだ。
入園券も同じデザイン、時折、顔パスしたこともあったけれど、今は神奈川県民ではない。
しっかりと入園料をお支払いし、入り口ではいつも笑顔で迎えて下さっていた方にも会えた。
薔薇園は平塚移転騒動以来、手入れも手薄になったようで少し残念な思いがしたけれど、
幾つもの秋草、季節の花、時折聞こえてくる高校の校庭からの歓声は、
みんな四年前のままの秋だった。

  
古い水田跡と、残された水田の間は一メートル程度の段差のある土手。
一段高い、古い水田跡の南半分は、ミゾソバの群落に覆われる。
そこから流された種子が、細い水路沿い点々とミゾソバの列を作る。
土手には、フタバハギ(ナンテンハギ)も、四年前と同じ場所に咲き残っていた。

土手の北面、何年も同じ場所にツリガネニンジンは咲いている。
ここでは、白のヒガンバナの葉が伸びている。

朝の新林、朝露に濡れた野の花が点々と咲いている。
カントウヨメナの葉は、鋸歯が先端部分に数個見える程度…と言うのが、
この場所での観察結果だったと覚えている。
  
二年前の暮れ、ロシナンテさんと撮ったヒメツルソバとハナイバナ
同じ場所で、同じように咲いていた。

関東では自生地はごく限られた場所になってしまっているカワラノギク。
何年か前に、熊坂園長が鉢植えを特別展示して下さった。
今年は、薔薇園の隣で露地植えされてかなり広がっていた。

薬草園のゲンノショウコ、種子が弾け飛んでミコシクザ、ニラの黒い種子も弾けていた。
ここでは懐かしいハム次郎さんを思い出していた。
(2010.11.02 新林・大船) 
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6 コメント

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懐かしい場所 (granma)
2010-11-03 23:46:55
こんばんは。
更新を過去の画像で続くと書いていらしたので
旅行にいらしたのかなと思っていたのですが
神奈川にいらしていたのですね。
私も昨日、藤沢にお住まいのころ林の子さんの度々訪ねられていた鎌倉、長谷の光則寺、長谷寺、収玄寺に久しぶりに行ってきました。
ミコシグサをやっと見つけて撮りました。
横山さんとの会話で林の子さんヤロシナンテさん、ハム次郎さんの話題にのぼりました。
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おはようございます。 (林の子)
2010-11-04 09:50:07
そうなんです。
藤沢時代に、子どもたちが赤ん坊の頃からおつきあいのあるご家族でしたから、
息子二人もそれぞれに参列させて頂いたので、残された母君も
懐かしそうに喜んで下さいましたから、それだけでも充分出掛けて善かったと思っています。
告別式当日はすっかり晴れて、富士山が見事でした。
鎌倉にも…と思いましたが、秋の日暮れは早くて、大船だけになりましたが、
こちらでも懐かしい方たちにお会い出来ましたし、懐かしい花にも対面できました。
大船のミコシグサ、ハム次郎さんとの最初の出会いの場所にそのままでした。

車中二泊はかなりきついかな、と思いましたが、運賃は格安だし、何よりも時間がフルに使えるのが嬉しいです。
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変らないまま (とんちゃん)
2010-11-04 15:39:58
懐かしい思い出の場所はいつまでも変らずにそのままであのときの花たちも揃ってお迎えしてくれたのですね。
咲いている場所のそのままだったなんて月日が一挙に縮まったようですね。
忘れもしない場所で同じように待っていてくれたなんてありがとうと言いたくなります。
どこか花旅でもされていらっしゃるのかと思っていました。
列車の旅はのんびりできていいなあと思いました。
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秋には秋の… (林の子)
2010-11-04 16:11:05
とんちゃん、こんにちは。
秋の入り日は少しばかり寂しさと、懐かしい思いを感じさせてくれます。
歩いて数分の場所では四季折々の富士山を見はるかすことができる所に住んでいました。
だから、トップの画像はその場所からの富士山です。
新林も徒歩圏の場所、大船は自転車で走りまわっていた場所。
同じ秋に同じ場所で同じ花…、扱く当たり前のことなのに、
やはり遠く離れていると、懐かしい思いで見ることができました。
夜行バスは眠れさえすれば便利で格安の乗り物だと思いましたから、
味をしめて次は、木場・小石川辺りに出没しようかな…と話していました。
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Unknown (ハム次郎)
2010-11-04 19:44:57
お悔やみでの上京でらしたんですね。
前もって連絡をいただければ…というわけにはいきませんよね~
でも、日曜日でしたら大船でご一緒できたのではないかと、ちょっぴり(実はかなり)残念。

夏の間撮影は閉店休業でしたから、「困ったときのフラワーセンター」へもずいぶん足を運んでいないのですが、ゲンノショウコの花を見つける度、フラワーセンター・薬草園でのニラの花と神輿草を前にしての林の子さんとの会話を懐かしく、鮮明に思い出します。
あれから6年も経っているのですが、花繋がりの記憶は、瞬時に巻き戻しができるようです(笑)
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花が咲くから… (林の子)
2010-11-04 21:09:55
そうそう、ニラに迫っているハム次郎さん↓の後で、ミコシグサ撮っていました。http://hayashi-no-ko.blogzine.jp/photos/ofuna2/nira.html
藤沢から明石に戻って四年ですから、六年しか経っていないのですね。
困った時のフラワーセンターは、何年経っても懐かしい場所です。
花が咲き、実が出来るとミコシグサで大騒ぎした頃をやはり思い出します。
どこにいても花は同じように咲くので、繋がりも残り続けるのだと、
今日も画像を整理していて思いました。
新林の白いミゾソバも元気でした。
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