HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

ヤブラン(藪蘭)

2016-09-27 | 【独り言】

やっと果実、幾つかは脱落してしまっている。


ヤブランの果実は蒴果、ただ果皮はすぐに破れて種子がむき出しのままに大きくなる。
緑から黒に変わり完熟となる。


(2016.09.25 明石公園)

至る所でヤブランに出会う。




花は伝統的な分類体系ではユリ科に分類されていた。
内花被片3、外花被片3、確かに形態的には同じだ。




おしべ6個、めしべの柱頭を取り囲むのだが、見た目では花糸が長く花被片の下側に集まって見える。
上向きの白いモノがめしべの柱頭、下向きの白いのがおしべの花糸、その先に黄色い葯。


(2016.08.21 森林植物園)


まだ数本。
慌てて撮る事もあるまい。


めしべの花柱は上向きに見える。



ヤブラン
(藪蘭)
キジカクシ
(←スズラン←ユリ)科ヤブラン属 Liriope muscari
ヒメヤブラン(姫藪蘭) Liriope minor
ハラン、スズラン、ジャノヒゲ、ナルコユリ、キチジョウソウ、オモト、ユッカ、ドラセナなど
従来のエングラー体系でユリ科に分類されていた幾つかは再編成されて馴染みのないキジカクシ科に移っている。
キジカクシ科は Asparagaceae、和名ではアスパラガス科、クサスギカズラ科とも呼ばれる…と解説されている。
これをつぶさに検証し、植物名と共に科名・属名を表記するのは至難、学者の世界だと思っている。
(2016.06.21 貴崎町)

【独り言】 植物分類体系については、どれが正しいと言う議論は当て嵌まらないと思っている。
幾つかの系統があり、近年は従来の形態的な分類体系から、分子系統学準拠の体系も採用され始めている。
時折だが、それは学者の世界で素人はそこまでは立ち入れません…という書き込みがあったりする。
どの分類系統を使うかはをいちいち明示するのは確かに面倒だし、従来使ってきたものの方が馴染みがあるから…と言うのが理由だそうだ。
どれが正しいの議論は当て嵌まらないのだから、わざわざ面倒な書き方をする事もあるまい。
ヤブランがユリ科であっても、スズラン科であっても、キジカクシ科であっても構いはしない筈だ。
ただ、正規に刊行されている幾つかの図鑑は改訂版からは、分子系統学準拠の体系に変更しているし
植物園などでも変更は始まっている事だけは認識しておかないといけない。
だから、科名属名などは学者が必要とするもの、面倒だと考える人は「敢えて書かないこと」が賢明だが
敢えて書くのであれば、自分の技量と相談しながら何処まで遡って修正できるかに挑戦しないといけない。
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ヤブラン ヒメヤブラン ノシラン


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2 コメント

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ヤブラン (こいも)
2017-07-17 17:07:14
林の子さん
ヤブラン・ヒメヤブラン・・・違いがわかりました。
ヤブランはお花がいっぱいついていますね
そっぽを向いているように見える雌しべと雄しべの関係が面白いです。
色々とありがとうございます。
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じっくり構えて見ると。 (林の子)
2017-07-17 21:52:17
幾つもの愉快な部分が見えるのでしょう。
ただ、今の時期、藪蚊も多くて、蒸し暑くてじっくり花の前に…と言うのはかなり忍耐も必要でしょうか。
花の付き方で、そっぽ向いてるように見えてしまうのも確かに愉快です。
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