タチバナモドキ

橘と言う名を耳にすると、高校時代の一年後輩を思い出す。
仲間の間では「右近」と呼んでいた。
本名が橘だった。
右近の橘、左近の桜…からである。
頭が良くて、お下げ髪、今から思うと不思議な雰囲気を持っていた人だ。
近在の二つの中学校出身者以外は自転車通学は許されていなかったから
仕方なく電車通学だった。
林崎四人組は、いつもマドンナの乗る最後尾から乗車して下車駅の人丸前までの間
その日の授業の中身や、雑談、猥談、時には同窓の艶聞まで果てること無く喋り続けていた。
東二見駅には特急が停車したから明石で各停に乗り換えれば良いものを
毎朝各停で通学していたのは、その四人組の笑いの渦が楽しかったから故だ…と
ずいぶん後になって聞かされた。

「右近」とは学生時代に何度も明石駅で会ったけれど、もう５０年近く会ってはいない。
その仲間たちは、奇しくも三人とも今は千葉県人だから、東京では何度か会ったし
二人は時折、明石にやってくるからマドンナとも顔を合わせるけれど、右近とは会ったことが無い。



　


（2013.10.29　林）
　


（2013.10.29　林）
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（2013.11.29　明石西公園）


　


タチバナモドキ（橘擬き）　バラ科トキワサンザシ属 Pyracantha angustifolia
別名にホソバトキワサンザシ
（2013.12.06　明石西公園）
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タチバナモドキ