バタフライガーデンのヒカンザクラは終盤、葉が目立ちはじめている。
二本ある内の一本はまだ見頃の花が幾つも。
遠目にも出始めた葉と、濃いめの花色が目立つのだろう。
何組かが、サクラを目印に上がってみえる。
フジバカマの新芽もかなり上がっているし、タチツボスミレも蕾が見える。
石垣の暖かさに助けられたのだろう、ハナイバナが二つ、キュウリグサがたくさん。
それを撮っていたら、親子三世代が不思議そうに『何を撮っていらっしゃるのですか??』
笹を刈り取って今年はしっかりと上からも蝶の観察が出来るようにと
歩道整備が終わっていたのでご案内した。
小さすぎる花だけれど、こんな時には100均ルーペでも役に立つ。
花弁の中心部分の黄色もハッキリと見えたようだった。
一頻り、蝶の話や、その食草のことを話していた。
御年84歳だけれど、足下は全く危なげなく、お孫さんとの須磨離宮公園21年ぶりの訪問だそうだ。
縁あって、この場所でのボランティアを始めてから、多くの方々にお目にかかれている。
嬉しいことだと思う。
この場所は昔のままでしたし、何よりものんびりと歩けることが嬉しいですよ、
何気なく通り過ぎていたことでも、少しお話し頂くだけでずいぶん楽しめることですね、
そうですか、春のバラにも、ぜひ蝶々にも会いたいですね…。
お孫さんが、おかあさん、おばあちゃんと一緒に撮りますから…と、記念写真を撮って下さった。
今日、丁寧なお礼状と一緒に、明るい笑顔の並んだ写真が送られてきた。
こんな出会いが、これからも幾つも重ねられるのだろうと思う。
だから、このキユウリグサをプリントして、私もお礼状を認めようと思っている。
(2012.03.28 須磨離宮公園)
☆
(2012.03.29 大明石町)
☆
【もう一つのキュウリグサ】
この花が咲くと、学生時代最後の春を思い浮かべてしまう。
何年経っても…である。
何年経ったのだろう…と毎年数えることなどしないけれど。
昭和43年早春、信州・蕨平でさんざん遊んだ後、真っ黒になって明石に戻り、
滞納していた学費を完済した直後、無理やり交付してもらった二枚目の学割証を使って
山陰均一周遊券を買った。
有効10日間、周遊区間内を走る列車で寝泊まりし、時には駅舎で仮眠を取る極貧旅行。
雪がまだ残った大山も見たかったし、
前年の夏にも訪れ、蕨平に出掛ける前にコンコードで約束した
山仲間の実家が米子にあったから、そこに立ち寄ることも大きな目的だった。
その夜は「ちどり」を備後落合駅で深夜乗換え予定だった。
けれど、駅前の銭湯で汗を流し寛いでしまったせいで
ぐっすり寝込んでしまい、広島まで乗り過ごしてしまった苦い記憶。
だから、早朝に眺める予定にしていた雪を頂いた大山は午後になってしまった。
せっかくだから行ってみよう…、そう勧められて
皆生温泉まで出かけて日野川河口から眺めた大山は今も思い浮かぶ。
遅くなって郊外の大谷町に足を運んだ折に、村の集会所に咲き始めていたキュウリグサ。
植物に少しは興味を持っていたかも知れないけれど、その名前は全く知らなかったから
今でもその山陰極貧旅行の折の幾つものエピソードがこの花と一緒に浮かぶ。
そして、何故か津和野か結びつき、さだまさしの「案山子」にまで繋がる。
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