HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

ベニバナバイカウツギ

2010-06-03 | 春 赤・桃色系

和名は難しい。
ベニバナバイカウツギと言われると、バイカウツギの紅花を想像する。
けれど、この花はどちらかと言えば、ウツギの紅花。

実際にも、園芸上でベニバナバイカウツギと呼ばれているだけで、
バイカウツギ(Philadelphus coronarius)の仲間ではなく、 ウツギ(Deutzia elegantissima)の仲間。
「マギシェン」の名前で呼ばれている。
だから、アカバナウツギと呼ぶ方がもどうもしっくりと来る。

  


ベニバナバイカウツギ アジサイ科ウツギ属 Deutzia elegantissima 'Magicien'
(2010.05.25 大道町)

【蛇足】 卯の花はウツギのこと、だからウツギが咲き始めると必ずこんな話しが登場する。
「卯の花の匂う垣根に…」 歌にあるとおり、良い匂いがするんですよねぇ~。
作詞は、著名な国文学者の佐佐木信綱、卯の花の匂いを歌ったわけではなく、花がたくさん咲いている様を、
匂うがごとく…そう表現した万葉人に倣って、この歌詞を詠んだ。
それでも、卯の花は確かに匂うのだから…、と今では、「卯の花が匂っている」で流布している。


同じようなことだけれど、祇園精舎の鐘の声…で始まる平家物語の冒頭にある「沙羅双樹」も、
いつの間にか「夏椿」がその代役から、「沙羅双樹=夏椿」になっている。
夏椿の別名が沙羅の木なのだから、正しいのだ…という説は、
もともと夏椿を見て沙羅に似ているからと間違って名付けたことを知らないだけの話。
平家物語の「沙羅双樹」は実際には「夏椿」だった筈で、
それを日本には育たない名前に充てたことがそもそもの間違いだった。
困ることではないし、風説が定説に取って代わることは古今、良くある話だけれど、
このようにして、間違った話がどんどんと正しい話しにすり替えられて行く。

【もう一つの蛇足】 ウツギの名前がついていても、花は似ても似つかぬものが多いから、覚えるのも大変だ。
ウツギ  マルバウツギ  ヒメウツギ アジサイ科*ウツギ属
バイカウツギ アジサイ科バイカウツギ属
ノリウツギ  コガクウツギ アジサイ科アジサイ属
タニウツギ  ハコネウツギ  ヤブウツギ スイカズラ科タニウツギ属
ツクバネウツギ  ハナツクバネウツギ スイカズラ科ツクバネウツギ属
フジウツギ  フジウツギ科フジウツギ属
ドクウツギ ドクウツギ科ドクウツギ属
ミツバウツギ  ミツバウツギ科ミツバウツギ属
コゴメウツギ バラ科コゴメウツギ属 
* ユキノシタ科の木本は現在はアジサイ科に変更されている。

記事中、アンダーラインの部分は、関連画像などへのリンクが設定されています。
ヤブウツギなどいくつかのリンクは利用していたブログのサービス停止でリンク切れになっているので設定変更し
ヤブウツギのみ以下に画像添付する。
 
ヤブウツギ Weigela floribunda 別名にケウツギ
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コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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こんばんは^^ (なる)
2010-06-03 22:37:13
本日はコメントくださってありがとうございました。
私も先日ヒナキキョウソウをUPするにあたって、いろいろ調べているうちに、こちらにたどりついていたんですよ(*^-^)
お花の図鑑、素晴らしいです( ´艸`)
また遊びに来させてくださいね。
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おはようございます。 (林の子)
2010-06-04 09:33:04
なるさん、おはようございます。

そうでしたか、改めてご訪問ありがとうございます。
きれいな画像を残すことより、花そのものを撮ること、
そこに繋がっている幾つかの記憶を繋ぐこと、
そのことを目的に残していますので、お見苦しい画像や文も多いかと思いますが、
どうぞいつでもお出かけ(?)下さい。
今後ともよろしくお願いいたします。
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