<「積極的平和主義」という旗印を立てる>
2013年(平成25年)9月25日、アメリカのシンクタンク・Hudson Institute におけるハーマン・カーン賞受賞スピーチで、安倍首相は「積極的平和主義」という用語を使いました。その翌日、同年9月26日、第68回国連総会における一般討論演説でも「積極的平和主義」を紹介しています。同年7月参議院選挙の自民党勝利を得て安倍政権は強力になり、安倍首相は自らの政策を『積極的平和主義』と名づけました。
国際社会との協調を柱としつつ、世界に繁栄と、平和をもたらすべく努めてきた我が国の、紛うかたなき実績、揺るぎのない評価を土台とし、新たに「積極的平和主義」の旗を掲げようとするものです。
―― 2013H25.9.26. 第68回国連総会における一般討論演説
日本は、世界の平和と安定のため、これまで以上に積極的に貢献していかねばなりません。私は、「積極的平和主義」こそが、我が国の21世紀の看板であると考えます。
―― 2013H25.10.27. 平成25年度自衛隊記念日観閲式内閣総理大臣訓示
<「積極的平和主義」とは>
積極的平和主義の防衛範囲は、注目すべきは、前回『安倍研究(2) 日本防衛の対象は遠くインド・中東、アデン湾・ホルムズ海峡・インド洋・太平洋・南シナ海まで』の記事のごとく、大きく広げられることです。安倍首相は、東南アジアからインド、中東までという諸国・海域の安定が日本の安全のために必要だと言っています。
積極的平和主義のルールは、「法の支配」や「海洋の自由」といった価値観に基づきます。これは、「米英西欧的世界秩序の維持」を意味し、安倍首相は「日本は貢献する」と国際的に約束しています。
経済的繁栄が積極的平和主義にとって必要不可欠であると、安倍首相は次のように言っています。
まずは経済を強くする。それなしには何事も始まりません。そのため女性の力、「ウィメノミクス」が必要不可欠だと、再三言っております。経済を強くするのは、後の世代に、安心で、安全な日本を残すためであるのはもちろんのこと、世界に対し、「積極的平和主義」の旗にふさわしい、務めを果たせる国であろうとするからです。
―― 2013H25.9.30. 日英安全保障会議基調講演(於、アジア本部=東京)
<安倍首相は「強い日本」を目指す>
強い日本は、世界の公共財を、責任もって守り、育てる日本です。
強い日本は、インド洋から、太平洋にかけての、広い海がつなぐ一帯に、平和と、安定と、繁栄をもたらす日本です。
強い日本は、世界から貧困を減らし、子どもや女性の、人権の蹂躙に立ち向かい、疾病や、環境の悪化を少しでも防ぐ日本です。
そういう日本にしたいと思って、(私は)再び立ち上がったのです。二度目の機会(※総理)を手にして、思いはますます強まりました。
―― 2013H25.6.19. 安倍総理大臣・経済政策に関する講演
(Guildhall, London, UK)
<安倍研究シリーズ・リンク>
2015-04-02
安倍研究 (1) 政治の混乱の中で生まれた安倍総理就任記者会見
2015-04-03
安倍研究 (2) 日本防衛の対象は遠くインド・中東、アデン湾・ホルムズ海峡・インド洋・太平洋・南シナ海まで
2015-04-06
安倍研究 (3) 安倍首相の「積極的平和主義」は「強い日本」を志向する
2015-04-07
安倍研究 (4) 「積極的平和主義」への安倍首相の使命感は自衛隊に向う
2015-04-08
安倍研究 (5) 首相外交演説で「祝詞(のりと)ことば」! そこに安倍晋三の本性を見る
2015-04-11
安倍研究 (6) 東京育ちの長州人――敗戦で滅びた明治維新型日本のリメーク版をめざす
2015-04-12
安倍研究 (7) 吉田松陰の日本国防策、そして滅びた明治維新型日本
2015-04-13
安倍研究 (8) 「戦後レジームからの脱却」は「戦後70年の平和からの脱却」だ
2015-04-15
安倍研究 (9) 思想的バックボーンは「維新長州」、 心の支えは祖父・岸信介
2015-04-17
安倍研究 (10) 安倍首相は神道政治連盟会長、神道政治連盟と神社本庁と伊勢神宮の関係
2015-06-16
安倍研究 (11) 安倍首相―長谷川NHK経営委員―日本会議
2015-06-17
安倍研究 (12) 安倍「神道」政権そのもの――日本会議をご紹介
2015-06-23
安倍研究 (13止) アトランダムなまとめ――天皇と伊勢神宮を精神世界の頂点に置く
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<私のアピール>
2012年末の安倍政権成立以後の短年月、武器輸出3原則を廃し、特定秘密保護法の新設、憲法9条解釈変更の7・1閣議決定(集団的自衛権ほか)と、先行き不安な政策ばかり急激に推進されています。安倍内閣の政治手法は民主主義下の独裁と見えて、危険です。安倍総理退陣まで、来夏参議院選挙で自民党に“No”を。
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