生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

プーランク 「ルイ・アラゴンの二つの詩」 第2曲 「Fêtes galantes」

2016-09-04 22:44:38 | プーランク

 プーランクの作品番号122、「ルイ・アラゴンの二つの詩」の第2曲「Fêtes galantes」は、その第1曲の「C」とはあらゆる意味で極めて対称的な作品です。「C」がシリアスな詩をゆっくりなテンポで歌い上げるバラードであるのに対し、まるで1曲めの「C」を真面目にやり過ぎたのでバランスを取るために思いっきりコミカルな曲想に仕上げましたと言わんばかりです。詩はナンセンスと言っても良いような、通りを通る様々なものを唯、何々が遠ているのが見えると繰り返すだけ。テンポは思い切り早く早口言葉大会となっています。

 「C」は日本でも最もよく歌われるプーランクの歌曲だと思いますが、「Fêtes galantes」の方は逆に最も歌われない曲かも知れません。少なくともインターネットの動画サイトで検索した限りでは、「C」は日本人が歌う音源も複数見つかりますが、「Fêtes galantes」は日本人が歌う音源は見つかりませんでした。外国人が歌う「Fêtes galantes」の音源は、「C」よりは少ないものの幾つも見つかります。当然ですが、「C」と「Fêtes galantes」とを同時に収録した「ルイ・アラゴンの二つの詩」としての音源もあります。ということで欧米では2曲からなる作品として歌われることは珍しくはないことだろうと思います。

 ということで、だからこそ日本のステージで「C」を歌うときは必ず「Fêtes galantes」と2曲で 「ルイ・アラゴンの二つの詩」 という一つの作品として歌ってみたいとあらためて思った次第です。1曲目と2曲めとの対比が面白いといえば面白いわけですが、それにしても詩の内容にしても曲想にしても、これほどまで極端に統一感の無い歌曲集というのは、他に知りません。


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