Stimme:-) 

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『密偵』 秋山香乃

2014-02-27 | 著者別・あ~の
 猫様がいない! 
外には出さない筈なのに。
ベッドの下も冷蔵庫の上もこたつの中も探した。
いない。

真っ青になりかけたところで、もぞもぞと動く気配が。
ベッドの毛布にくるまり実に気持ちよさげに爆睡。
安心したにゃ。




 今日の一冊
 『密偵』 秋山香乃

 
 懐紙入れを欲しいのだけれど、こちらにはほとんど売ってない。
懐紙も本当は店頭で実物を見て買いたいが仕方ない、ネット通販を利用して買ったのが
京都の辻徳さんが出している『kaishi 三毛猫』。こちらのお店にもいつか伺いたいにゃー。



 そんな今日は、明治19年を舞台にした、高田崇文『QED』シリーズにも似る歴史ミステリ。
スパイ対スパイ、裏切者は誰なのか、かごめ歌の暗号とは。
孝明天皇暗殺の疑いを解く鍵を求め、北海道から京都まで西から東。
監獄でのシーンや謎解きのくだりでは背筋がうすら寒くなってくるような展開ともなり、夜に一人で
読むにはちと怖かった。
剣と銃、和装と洋装、時代の移り変わりを背景に剣技も読むことができ、その迫力に圧倒される。



 秋山氏の描く藤田五郎は、ひょうひょうとしていながらもいろんな意味で凄腕。
その彼がメインキャラの一人として大活躍するのだから、斎藤ファンとしてはたまらないのだ。
北海道とくれば松前藩、当然杉村先生も登場してこれがまたにくい演出ですねぇ。

『新撰組の哲学』 福田定良

2014-02-17 | 著者別・は~ん
 猫はなんでもお見通し。



 今日の一冊
 『新撰組の哲学』 福田定良


 
 2月は逃げる、なんて言うけれどとんでもない。
あらゆるモノがやってきましたよ。



 インフルエンザに罹り、上旬に開催された節分射会に行けず。
なぜか突如としてGLAYにはまり、iPhoneエンドレスリピート。
TERUさんとヒムロックのコラボがめっちゃくちゃかっこよくて悶絶。

週末にはこの地域には珍しい膝まで積もった大雪、これが2週連続。
1週目は出勤、雪かき、弓を担ぎバスに揺られてブリザード弓道場でハイテンションになりながら的前稽古。
射位が雪まみれっす!
2週目は出勤して大雪警報に次ぐ大雨警報の土砂降りの中を職員総出でまたもハイテンションで雪かきし、
仕事を終えるなり地元弓友会役員会に駆けつけては翌日微熱出す。




 そうこうするうちにも時代小説には相変わらず首までつかっており、ほぼ2日1冊のペースで読みまくる。
戦国時代や幕末の時期ってのはとてもおもしろい。
それぞれがそれぞれの志を持ち、貫き、殉じ、この動乱を経て今の日本国があるんだと思うとなんだか無性に
柄にもなく感動してしまったり。


中でも幕末と言えば新撰組は避けて通れない。
それだけに読む本も星の数、人斬りが組の仕事のひとつだけあって血なまぐさいエピソードばかりなのだが、
そういった中でも本書は異色ですかね。
なんでも二次制作的な一冊らしい。隊士たちの人物設定を引いて、著者なりの哲学論を展開しているといった
感じですか。


各章のサブタイトルからしておもしろい。たとえば
『原田佐之助のエロばなし』、苦味ばしったいい男のエロ話とくれば、これはぜひ聞きたいもんだ。
『おれには見えない』、見える見えない、ってのも一種抽象的だよね。
プリーストの『魔法("The Glamour" by Christopher Priest)』とも通ずるものがある。
『斉藤一の訓話』あの一さんが新撰組隊士たちに向かって訓話をするという設定だけでゴハン3杯はいける。
主観で申し訳ないが好きなんですよ、歳さんと一さんと烝さんと平助の4人が隊士たちの中でも特に。
あ、私は小麦派なので食パン3枚もしくは讃岐うどん3玉。



 時にうなり、時にニヤリとしながら読むうちに、高校時代に教えてもらった『コギト・エルゴ・スム』と
いうフレーズが思い出される。
思索ってぇのはとことんふけるに限る。




 ところでセンパイ。
極寒の吹きすさぶ雪の中をものともせず弓引きながら、惰弱な私に『厄除け行け、厄除け。おれもやばい年
なんだよなぁ』と熱く吠えてくださるのは嬉しいのですけど、あのぅ、男女では厄年が違……。

……ま、いいか。
我ながら一見どちらかわかんないような外見だもんな。