かるさんのgooブログ <北国たより>

身近な話題を画像といっしょに・・・

故郷・・・ふるさとへの旅

2003-11-27 19:58:00 | インポート
旅をしてきました。

と言っても観光旅行ではありません。この13日からの一週間、懐かしい故郷への船の旅でした。

旅は船がいいですね。時間に余裕があるときは”のんびり船旅”にかぎります。
日のあたるデッキでビールを片手に、なにを考えるでもなく”ボケッと”遠くに霞む島影を眺める。眠くなったら寝る。至福の時間の過ごし方です。

《ただし、船旅も天候次第で地獄に変わります。波が高く揺れが激しくなると、ノンビリどころの話しではありません。ただひたすら横になる他ありません》

久方ぶりの故郷は紅葉も終りに近く、山々の黄色もややくすみかけて、それはそれなりに風趣をおぼえます。
ちょうど「菊まつり」の最中でして、郷国一ノ宮神社で催されていた数々の出品作はどれも見事な「菊花」でした。

そんな風情のなかでの旧友(級友)との歓談は、時間を忘れて語り合う楽しさがあります。
この年代になりますと、話題はほとんど数十年前の学生のころのことです。
近ごろは「二三日前のできごとすら」忘れてしまいますのに、その昔のことはハッキリと想いだすことができるのです。それは自分一人でなく、不思議なことに居合わせたみんなが同じように想いだすのです。

《過去を追憶する時間の長さに反比例して、残された人生の時間は短い・・・という理を近ごろようやく悟ることができました》

故郷にそのまま住み着いている兄弟姉妹も、なんとか元気で過ごしています。懐かしい郷土料理のご馳走と懇親の一夕は、心やすまる憩いのひと時ではありました。
少し離れた郊外に眠る両親の墓にもお参りしました。
両親が健在のころは、ちっとも親孝行らしいこともせず、いまさら「墓に布団は着せられず・・」の思いをしながらの合掌でした。
ですが、お墓の中から「オマエモゲンキソウデナニヨリダナ~~」という両親の声がしたように感じたのは、手前勝手な”妄想”だったのかもしれません。

そんな大切な”妄想”を胸にしまいこみ、久方ぶりの故郷を後にして小雪の舞う北の国に戻ってきてから、ちょうど一週間が過ぎたところです。

悲劇か喜劇か?・・・ある町でのできごとで思うこと

2003-11-09 00:25:00 | インポート
11月8日は暦の上での「立冬」です。晩秋にもかかわらず、記録的な暖かさになったりした天候も、さすがにこの時期に入ると本格的な冬の様子を見せ始めます。真夜中のできごとで気がつきませんでしたが、当地の市街地にも、とうとう「初雪」が記録されました。

そんな季節の11月9日は、いよいよ「衆議院議員選挙」の投票日です。投票率は天候に大きく左右されるとか。
全国的に芳しくないお天気との予報ですが、天気の良し悪しを理由にした「棄権」はぜひとも避けたいところです。誰に、どちらの陣営に一票を投じるにしても、ともあれ投票所に足を運ぶべきです。「無党派層」などとおだてられて、結果的に無関心を装うことが”カッコいい”などと思っている人に、ぜひとも再考をうながしたいものです。


さて、今日のこの雑記の話しもまた新聞ネタからのものです。

8日の四大新聞の一つ に載っていた《税収悩み、町ぐるみ不正》という記事が目を引きました。

人口8800人あまりの福岡県のH町でのこのできごとは、簡単に言えばこういうことです。
『町役場の職員が、住民の確定申告書を偽造して税務署に提出し、騙し取った還付金(約60万円)を町の収入にした――』
そのことで、町の税務課幹部に続き、女性町長までが詐欺の疑いで逮捕されたとのこと。

このH町の主な産業は、温泉(22軒の温泉旅館がある)とフルーツ栽培とのことです。
悲劇的なことは、その温泉旅館の大半が不況で、固定資産税などを滞納するため、町税の徴収率が平均値より大幅に下回っていることです。

そこで税務課の幹部が考えついたのが上記の方法でした。
こうした犯罪の例として多くの場合「関係者個人の犯罪→着服→横領」が主流です。しかしこの町の場合、喜劇的なことはその違法還付金を町の収入にした・・・という、なんとも涙ぐましい現実です。

ここで「地方自治体の税収不足問題」を論じたいところですが、今日はそうではありません。

この新聞にも少し触れていますように「個人情報の漏洩」と言うことを問題にしたいのです。
税務課員が「確定申告書を偽造」するには「個人情報」を不正に入手しなければなりません。

一連のことは小さな町の小さな事件のように思えますが、このところ話題から遠ざかっている「住民基本台帳ネットワーク」是か非かの大きな問題をはらんでいます。
”町のため”とは言え、公務員がその気になれば「個人情報」などはいとも簡単に左右できる、という確かな事例です。

総務省が提唱する「個人情報のIT化による一元化と、利用の利便性と簡素化、省力化」は将来を見据えれば正論です。
ですが、その一方で「情報の漏洩」が大きな争点となっていもいます。
すべてのIT関連部分に言えることですが、そのハードのコントロールにしても、ソフト部門の運営にしても「完璧な制覇」を望むことは無理な話しです。
お役所は「幾重にもセーフテーネットが張られているから安心して・・・」と何度も国民に呼びかけています。
一方では地方自治体などで、そこへの侵入方法の実験(らしき)をやって「情報は盗まれる・・・」と言っています。
どうやら現段階では「個人情報の漏洩」は避けられそうもありません。

それにしても、上記の町の職員のように、それに携わる人達が故意に「何事か為そうとした」場合、もはやどうにも防ぎようがありません。
「そんなことはIT化以前にも沢山あった・・」と言いますが、「住基ネット」などの場合はちょっとした操作で「全国規模での情報」を手にすることが可能です。
すでに待った無しでスタートした「住民基本台帳ネットワーク」については、いま少し不正に対する【防護策】を考えるべきと思うのですが。

話しはぐっと身近なものになります。
CAFEのお友だちの、日記か掲示板にカキコされていたことです。
『MY WEBSAITEの、日記や掲示板を書き込みながら公表していない人のそれを、読み取る(侵入する)ことなんて、いとも簡単・・ウッ、ヒッ、ヒッーー』なんだそうです。その方法が簡単に記されていました。(私はまだ試していませんが・・)

またお友だちの一人は、CAFEのIDを悪用され、すこぶる迷惑を被った・・・と嘆いておりました。

私達の身近においても「IT化の更なる進歩」と共に、「情報の漏洩」による危険が常に付きまとうことを覚悟せねばなりません。
利便性を悪用する少数の人と、悪用され、被害を被る多数の善人と、世の中はいつの時代でも、両者のせめぎ会いで成り立っているのかも知れません。

おしまいに、福岡県のH町の行政が、一日でも早く元に戻りますように、遠い北国から一人お祈り申し上げます。



讃岐うどんと札幌ラーメンと

2003-11-02 02:01:00 | インポート
”るみばぁちゃんの讃岐うどん”というタイトルのNHKの番組――人間ドキュメント――を観ました。再放送もありましたから、ご覧になった人も多いかと思います。

”るみばぁちゃん”は、高松市の街はずれでご主人と二人「手造りの讃岐うどん」を作って四十年にもなるのだそうです。
二年前に病気でご主人を亡くしてからも”るみばぁちゃん”は一人でうどんを作りつづけ、人々に喜ばれております。

ちっぽけで、いまにも潰れそうな工場が即食堂です。そんなところへ週末ともなると400人からのお客が列をなし、一杯70円(生たまごをトッピングして100円)の”るみばぁちゃん”の讃岐うどんに舌づつみを打つのです。

今年70歳にもなるおばぁちゃん一人では大変な重労働ですが、ご主人の「うどんを続けろ・・・」といういまわの際の言葉を支えに、お葬式の翌日から、一人泣きながらうどん粉をこねたのだそうです。
今では「美味しいっ!!」と喜んでくれるお客さんの顔を見るのが楽しみで・・・と語るその笑顔が素敵でした。

「そんな値段では儲けが無いでしょうに?」との疑問には「美味しいうどんを喜んで食べてもらえばそれで満足、自分一人がその日を食べて行くだけのお金があればじゅうぶん・・・」
との応えが返ってきます。

――生涯を掛けて一つのものを極め、人に喜んでもらう。それによる富貴を敢えて求めない――

まるで往古の伝説話しにでも出てきそうな、そんな語りです。
それを、白髪、小柄で背中の曲がりかけたこの”るみばあぁちゃん”から聞くに及んで、己の生きざまの足りなさを深く嘆いたりもするのです。


いつかのこの雑記帳に「北海道の産業の大きな柱の一つに観光がある」と書きました。
CAFEのお友だちの多くも、過去何度か来ていただいたことでしょう。
そうして、そのつど「札幌ラーメン」を召し上がったのでは?と推察します。「縮れ麺にこってりスープ」の札幌ラーメンは、ラーメンブームの先駆的存在で、全国的に知られるところです。

その札幌ラーメン一杯の値段が、ほとんどの場合700円~1000円程度となっています。
この値段が高いか安いか、人それぞれの思いがあることは充分承知しております。
承知はしておりますが、私は以前から「札幌ラーメンは高過ぎるっ!!」と憤慨している一人です。まちの食堂で食べるラーメンはせいぜい500円~600円程度です。

観光客を相手にする、またはグルメ雑誌に載るようなラーメン店は、なぜか高い値段をつけたがります。
「中身がちがうでしょう・・・この手間ひまのかけ具合を見てよ!!」と彼らは言い張ります。
なるほどと思わないでもありませんが、所詮はラーメンです。スープがどうのこうのと言ったところで、原価的に見て、その高い安いの判断は、主婦業に携わる人々にはとっくにお見通しです。
恐らくその原価の大半は「ショバ代やら店舗代」のはずです。

「北海道の観光業のあり方」については、長くなりますから別途一文します。
言えることは、北海道の観光業に携わる多くの人々に「お客さまに対する心構え」が不足している・・・という事実です。
極端な言葉ですが「やらずぶったくり」の態度が無意識に発揮されております。
なによりも大切な「一期一会」の精神が、腹の底から染み付いて居ないのでは・・・と思ったりするのです。
で、結局のところ「札幌ラーメン」の値段は観光客にとって高いものになってしまうのです。

おりしも全国的に「廉価ラーメン店」の展開が急ピッチです。
大阪を本拠地とする「びっくりラーメン180円」や、福島を根城とする「幸○苑 390円ラーメン」がそれです。前者の原価は42円に抑えられると経営者が公言しています。それぞれのお店を利用したお客によれば「廉価の割にはまあ~まあ~の味・・・」との評判です。

「札幌ラーメン」の名前にあぐらをかきつづける人々、「なにごとにも二極分化があり、住み分けできる!!」とうそぶく前に、おのれの足許をヒタヒタと侵す静かな波に、一刻も早く気づくべき・・・だと思うのですが。

それにしましても、讃岐の”るみばあぁちゃん”のうどんと、観光地での1000円もするラーメンを比べて見て「ほんとうに心に響く美味しさ」を感じるのはいったいどちらなのか、
答えは、ありありと見えて居るように思います。