西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

西部劇 -3- 荒野の決闘 Part 3

2024年05月03日 | 西部劇映画

野の決闘 (My Darling Clementine) についてさらに一言  

    

この映画で気になっていたことがありました。 最後のほうで いよいよアープがクラントン一家との対決に赴こうとする保安官事務所の場面で、協力を申し出た2人(町長と市民)にショットガンを渡すんですが、何故か弾を抜き取って渡します。今から銃撃戦に臨むというのになぜ空のショットガンを持たせるんだろう・・・というのが映画を見た時は最初わかりませんでしたが、レーザーディスクの解説を見て初めて”なるほど”・・・と納得できたということがありました。宇田川幸洋さんの解説によると、一種の戦術を使ったもので、アープと空のショットガンを持った正面の2人はおとりの役目をして、弟モーガン、ドク・ホリデイが素早く側面に移動して攻撃する・・・・というんですね・・・そういえば老クラントンが一瞬動揺するような素振りをみせるところがあったように思いますが・・・こんな風に見てくると結構面白い要素がいっぱい入っているんですね。なんでも、フォード監督は太平洋戦争で記録撮影のため従軍したことがあるのでそのような戦術的なことも体験していてそれを映画にも生かしたのではないか・・・とのことです。       

もうひとつ、この映画ではもう全くといっていいほど余計な音楽が使われていないのも特徴です。喧騒な酒場での楽士達が奏でる音楽と、ホンキートンク ピアノのほかは町の人たちがフィドル(ヴァイオリン)のホーダウン演奏に合わせて踊るダンスの場面くらいで、そのことが「荒野の決闘」が物静かな詩情をたたえた映画だ・・・との印象につながっていると思いますし、なんだか落ち着いた気分で見ることが出来る要因にもなっている気がします。

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西部劇 ー3- 荒野の決闘 Part 2

2024年05月03日 | 西部劇映画

荒野の決闘 (My Darling Clementine)の名場面・・・・・私なりのなんですが・・・  

(1)酒場でアープとクラントン一家が出会う場面は緊張感があってなかなかいい・・・・牛泥棒と末弟ジェイムズ殺害の探索のために保安官を引き受けて町に残ることにしたと一家に告げる時「それはそれは・・・・ところで名前は?」 という老クラントン(ウォルター・ブレナン)に対して「アープ・・・ワイアット・アープ」と答えるところで、クラントン一家の面々の顔が一瞬(驚いて)硬直してしまうところがある・・・・当時の西部でワイアット・アープの勇名がとどろいていた(以前ダッジ・シティの名保安官だった)ことを思わせて思わずニヤリ・・・としたくなる場面です。   

(2)ポーカーをするアープと酒場女チワワ(リンダ・ダーネル)の出逢いの場面も面白い・・・・歓心を引こうとしてアープに無視されたチワワが ”1万頭の牛がいなくなった~ ” とからかうように歌いはじめると憮然としてジロリと見るアープ、ちょっとユーモラスなところだ・・・・   

(3)アープとドク・ホリデイ(ビクター・マチュア)が酒場で出会うところも緊迫感~打ち解ける場面への移り変わりが素晴らしい・・・大人の西部劇だなあ・・と感じさせるところです。  

(4)トゥームストンの町に教会が建つのを祝って町の人達が踊る場面でアープがぎこちなくクレメンタイン(キャシー・ダウンズ)を誘って踊るところ    

(5)クレメンタインにほのかな恋心を抱いたアープがバーテンの老マックに「おやじ、恋したことがあるか?」とたずねるところ   

(6)最後のクレメンタインに別れを告げる場面で「クレメンタインという名前が好きです」とさりげなく告げるところとバックの広大な西部の風景場面・・・・・など見ていると枚挙にいとまがないほど名場面があって、まさしく西部劇の名作にふさわしいといえます。  

 

僕は1965(昭和40)年のリバイバルで見たのですが、初めて見たときは画面がやたら暗いのとスローテンポの展開に今ひとつ強い印象が残りませんでした。が、その後何度か映画館で見たりビデオやレーザーディスク、DVDと見るにつれてこの映画の持つ良さが判るようになって来ました・・・・・DVDていいですね、見るたびに色んな発見ができて、より深くこの映画を味わうことができるから。できるだけ大きな画面で見ることだと思います(西部の風景はテレビには入りきらないから)、ジョン・フォード監督の偉大さがよくわかります

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西部劇 -3-(荒野の決闘)

2024年05月03日 | 西部劇映画

 

荒野の決闘 (My Darling Clementine)  1946年=昭和21年 監督ジョン・フォード   

<ストーリー>

ワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)は3人の弟モーガン(ウォード・ボンド)、ヴァージル(ティム・ホルト)、ジェイムズ(ドン・ガーナー)と一緒に牛を連れてカリフォルニアへ向かっていた。途中末弟ジェイムズを残してアリゾナの街トゥームストンに立ち寄った3人だったが、帰ってみるとジェイムズは殺され、牛は盗まれていた・・・・クラントン一家(老クラントンと4人の息子)の仕業と目星をつけたワイアットは犯人を逮捕するためにその町の保安官となってとどまることを決意する。   

物語冒頭で牛泥棒事件にかかわるW.アープとクラントン一家の出逢い、酒場女チワワ(リンダ・ダーネル)との出逢い、医者崩れのガンマン ドク・ホリデイ(ビクター・マチュア)との出逢いを簡単に見せて、その後のアープ兄弟とクラントン一家の緊迫した確執と、アープが東部から訪ねてきたドクの昔の恋人クレメンタイン(キャシー・ダウンズ)に寄せる淡い恋心などをからめて・・・・そして最後のOKコラル(家畜囲い場)での銃撃戦に到るまでの展開がとても素晴らしいタッチで描かれています。   

「My Darling Clementine」ととても西部劇とは思えないようなやさしい原題がついていますが、実際にアメリカ民謡 ” いとしのクレメンタイン ” が映画の冒頭と終わりに合唱で歌われていてジョン・フォード監督らしいセンチメンタリズムを感じさせるところです。ずっと以前にレーザーディスクが出た時の解説に映画評論家の宇田川幸洋さんが次のように書いておられます・・・”「荒野の決闘」の魅力は勇壮なアクションや悪をやっつけるカタルシス(快感)にあるのではなく、それとは裏腹な、西部の風物を愛着をこめて眺めるところから生まれる比類のない詩的イメージにある。その意味で、フォード西部劇の特徴が最も端的に表れた作品だと言えよう ” と。 

  

この映画はアメリカ西部で実際にあったOK牧場の決斗(1881=明治14年)を題材にしたもので、ワイアット・アープ、ドク・ホリデイ、アイク・クラントン等の実在した人名が出てきますが、ここでは史実とはやや違ったフィクションを加えたものになっています。  日本公開は1947年(昭和22)で1961年(昭和36)、1965年(昭和40)、1984年(昭和59)とリバイバル上映されています・・・・モノクロ映像なので今の若い人達がどう感じるのかちょっと興味あるんですが、ジョン・フォード監督の陰影のつけ方とカメラワークはやはり一見に値するものだと思います・・・・・ところで、ワイアット・アープは1929年(昭和4年)まで生きたそうで、ジョン・フォード(1895~1973)監督は生前のアープに会ったことがあるんだそうです。OK牧場の決斗が1881年(明治14年)ですからアープはそれから50年近く長生きして80歳で亡くなったとか 

*2024(令和6)5月3日からのゴールデンウィーク後半に「荒野の決闘」を見直してみたので昔の記事を(2008年1月)少し改変してPart1~Part3まで載せてみました。1か月くらいしたらまた元の位置に戻す予定です。名作は何年たっても色褪せないです、私は映画、ビデオ、レーザーディスク、DVDと10回くらいは見たと思う。初めの3回くらいまでは画面が暗くて面白さが解らなかったけれど見れば見るほどに魅力が判ってきました。

ネットから探して借りて載せましたが、昔の映画ポスターは雰囲気があっていいなあ……関心します

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