亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

過払訴訟敗訴(1)

2017-04-25 17:08:25 | 債務整理

S社との過払金返還請求訴訟の判決が届きました。結果は,請求棄却で納得できません。

基本契約内が一つであるにもかかわらず,最高裁平成20年1月18日の1個の連続した取引であると評価すべき基準を採用したのです。この裁判官とは,考え方が違うようです。

過払金を後に発生した債務(借入金)に充当できないとするのは,民法にそのような規定がないからです。充当には意思表示が必要だから,相殺または不当利息返還請求の意思表示をして法律行為を行う必要があるとするのが,平成19年2月13日最高裁判決です。

ところが,これに続く前記平成20年1月18日判決まで,充当意思は,債務が発生した都度必要なものではなく,契約時点で予め債務の発生が見込まれるものであれば,過払金が発生した場合にこれに充当する旨の合意は可能としました。いわゆる過払金充当合意です。

貸金業者との基本契約は,貸付限度を定めこの限りにおいて,借入と返済を繰り返す事が想定されているものであるから,債務が発生したら,過払金があればこれを即座に充当して精算するとした条項を基本契約に含むことは可能であると考えることができるのです。

最高裁は,このような契約を,過払金充当合意を含むものとしました。

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自己破産後の役員就任

2017-04-14 08:48:55 | 債務整理

以前自己破産申立書類を作成し,破産及び免責決定を受けた方から相談がありました。

勤務していた会社が廃業するため,その事業及び従業員を引継ぎ,自身で新たな会社を起こす予定とのことです。

そこで,売掛金が入金されるまでの運転資金を工面するため,借入が可能かということです。

相談者は,免責決定から5年近く経ちます。信用情報機関のサイトでは,契約期間中および契約終了後5年以内の情報を開示するとありました。

自己破産による免責決定が契約終了と解釈されるなら,免責決定後5年経てば,その事実は現れません。

しかし,果たしてそう解釈して良いものか自信がありません。そこで,金融機関に融資の申込をしてみなければ,何とも言えないと答えました。

答えになっていませんね。

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弁論終結

2017-02-24 15:08:58 | 債務整理

本日は,P社との5回目の口頭弁論期日でした。地裁に限らず越谷の簡裁の事件は,一頃の事件数から激減しています。

11時の指定時刻より15分程早めに法廷に入ったところ,前の時刻の最後の事件がほぼ終わりかけ,被告が同じことによりすぐ弁論が始まりました。

今回の争点は,取引空白期間の存在により,分断計算を行うべきであるとする被告の主張に対し,基本契約は一つだから,過払金充当合意の存在により一連計算すべきだとする原告の主張と真っ向から対立する構造になっています。

最近,どこの金融業者も些細な点を挙げ争ってきます。過払金請求訴訟が少なくなって対応しやすくなったのもその理由でしょう。

被告の証拠は,交渉記録のみです。提訴から半年すぎた期日においてもその他の証拠を提出してきません。

それもそのはずです,P社は,完済しても申出のない限り契約書を返還せず,そのことにより,再契約の手間・コストを省略し,再度の取引を期待していたのですから。

ところが,訴訟を起こされると一転して,完済時借主は取引終了の意思を抱いていたと主張するのです。今回5回目の弁論を終えたので,裁判官も弁論を終結し判決すると宣言しました。

基本契約の数にかかわらず,空白期間の存在のみで分断の判断をする裁判官もいるそうです。理論的には,全く納得できないものですが,判決文を見るまでどうなるかわからないのが現状です。

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貸金請求事件

2016-01-22 17:02:04 | 債務整理

貸金請求がとてもうまくいった事件がありました。同僚間の貸借りで,何度督促してもなしのつぶて,噂では他にも多数の同僚からの借金があるとのことでした。

受任の際,裁判に勝っても回収までうまくいくとはかぎりません。相手は多数債権者からの債務を抱えているので,差押えをしても競合して按分配当になり,場合によっては自己破産の申立をされる場合もあります。そうすると,訴訟にかけた費用がまるまる捨て金にもなりかねません。と説明しました。

しかし依頼者は,開き直っている相手が許せないので,制裁のためにも訴訟提起を希望するとのことでした。そして,訴訟提起,勝訴判決を経ても支払わないので,給与(債権)差押え命令申立を行いました。

すると,豈反し他の差押え競合者がおらず,賞与の分も含めて8ヶ月位で全額回収できる見込みが立ちました。

給与支払者は権利供託しているので,後は供託金の払い渡し請求をするのみです。その記載方法をアドバイスして事件は終わりました。あきらめずに やって見たら,成功した例です。

なお,依頼者は,自身の回収が終わった後,他の同僚にことの顛末を話すつもりです。この債務者には,次に,他の同僚の差押えが待っているかも知れません。

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持家に対する執着

2016-01-20 16:48:44 | 債務整理

債務整理の相談を受けました。有限会社の代表取締役で,会社の借金の連帯保証人でもあります。

会社の借金は,父も連帯保証人兼担保提供者になっています。 今般,会社の借入が返済不能だとして相談に来ました。

解決方法を単純に考えれば,会社の破産です。そして,会社が破産すれば,会社の借金は,連帯保証人である代表取締役及び父の所に請求が行きます。 ということは,会社と共に個人も破産する必要があるということです。

代表取締役は,住宅ローンを抱え,このローンは今後勤務しながら返済していきたいと考えていました。しかし,既にこの住宅もオーバーローンになっています。

住宅ローンを今後いくら返済しても,住宅は自分のものになりません。会社の債権者が父の担保提供した不動産から回収しきれない金額に付き,いずれこの住宅を差押えてくるからです。

当人は住宅だけでも確保したいと考えていますが,会社の借入を連帯保証するという事は,概ね会社と共に個人も自己破産せざるを得ないという事なのです。

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