ヒスバナアラカルト

香西善行の雑記ドコロ
諸々の感想には具体的内容も含んでいますので、お気をつけくださいね。

東京デスロックunlock#3「演劇LOVE」@リトルモア地下

2007-10-06 23:56:10 | 演劇関連
『社会』(2005)、『3人いる!』(2006)、『LOVE』(2007)とまとめて観れば団体の軌跡も感じられる企画。せっかくなので一日で歴史通りの順番で観て来た。

『社会』は会社の話。昼休みに休憩室で行なわれる同僚たちのやり取りを現代口語劇のスタンダードとして表した作品。
始まってすぐ、「ああ、青年団の芝居だ。」と思ってしまうあたり、自分の中にスタイルとジャンルを決めつけているヤツがいるんだなと気づいた。ま、それはさておき、だ。会話って面白いね。日常の一言、一言が水面に落ちて波紋を広げていき、そこに人間の葛藤を垣間見るっていうのはそれだけで劇的なんだよね。あと勘違いの妙も面白い。

『3人いる!』は「11人いる!(萩尾望都)」からインスパイアされた作品。自分自身を名乗る人間が現れて、互いに本物を譲らない。ただ、それを確かめる手段もないままループにハマって行く。
役者は3人なのに登場人物は実質6人いる。3人で本人を主張しあったり、1人で本人同士の言い合いをしたりとなんともややこしい。ただ、3本観た中で一番好き。既成概念は壊してナンボですかね、表現って。終演後に台本を客席に回してくれるサービス有り。憶えにくさ満点の役者泣かせのものでした。

『LOVE』はunlockシリーズ(演劇の持つ表現としての多様な可能性を表出させていくシリーズ)の新作。
コミュニケーションをダイレクトに投げかけられる。単純な動きから、原始的な行動、危うさを内包しつつ楽しそうな様と、観てると人類の歴史を見ているような気がしてきた。「2001年宇宙の旅」みたいな。あくまでフィーリングでね。作品解説の時にも言われてたけど、W.S.で近いことをやってると感じた人は多いのだろう。つまりは演劇の根本に向けてのアプローチになるのかもしれない。終盤はうすら怖かったな。ずっと鳥肌たってた。


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