7/1河北新報WEBで伝えておりました。
-下北・燧岳周辺の地熱資源調査 今月着手-
むつ市は7月、弘前大北日本新エネルギー研究所(青森市)の協力を得て、同市の燧岳(ひうちだけ、781メートル)周辺で、地熱発電など地熱資源開発の可能性を探る調査を始める。来年2月をめどに調査結果をまとめる。
調査の対象は、同市と青森県風間浦村の境界付近の国有林約20平方キロメートル。地表踏査や電磁波を使った物理探査、調査予定地近くで湧く温泉の湯量のモニタリングなどを実施する。12月末までに総合的な解析作業を終える計画だ。
事業費は約5000万円。独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の助成金を受けた。調査で有望な地点が見つかれば、市はJOGMECや弘前大と協議しながら、来年度以降に掘削調査を進める考え。
燧岳周辺では約20年前、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が地質資源を調べた。掘削した調査用井戸7カ所のうち、2カ所の地下深部で200度を超える地熱資源が確認されている。
市は5~10年後の事業化を見据え、昨年11月に地元企業や弘前大、金融機関と共に研究会を設立している。宮下宗一郎市長は「かつての調査で潜在力が高いとされており、事業の実現性があると感じている」と話した。
-引用終わり-
私は従来から「下北の地熱」に大きな期待を寄せています。市政提案した「下北再生エネルギー半島化プロジェクト構想」では14項目の中で下北の地熱をトップに持ってきています。理由は記事と同様にNEDOの200℃のデータですが、私はもっと深読みして「地下熱水帯は広範囲に存在する」と仮設を立てました。
その根拠は「200℃以外のデータ」です。燧岳周辺のボーリングデータから温度と深さを抜き出してみます。
・温度107.3℃、深度500m
・温度204.6℃、深度1,500m
・温度120.9℃、深度400m
・温度117.1℃、深度700m
・温度91.6℃、深度800m
・温度112.3℃、深度500m
・温度228.5℃、深度1,700m
温度が200℃を超えているのは1,500mより深い場所で、400~800mの深度では概ね100℃前後です。つまり、地下熱水帯は1,500mより深い場所では200℃程度が存在する可能性が大きい、という事です。
この事から下北のカルデラ地形の「恐山カルデラ」「薬研カルデラ」「野平カルデラ」「畑カルデラ」などは地層の生成状況から地下熱水帯の有望地域である、と考えられます。
地域に点在する温泉の泉源温度は50~60℃程度ですが、これらは温泉用の温度に達した深さでボーリングをストップしている可能性が高く、せいぜい1,000m程度と考えられます。
深度2,000mを考えるならば、地熱発電に有効な150℃以上の地下熱水帯はきっと広範囲に存在すると思います。