恐山あれこれ日記

院代(住職代理)が書いてます。

対話の中で

2017年06月30日 | 日記
▼お医者さんと
「結局、最後は敗北する職業です。大変だと思いますが、そのつもりでやることです」

▼教師と
「親の子育ては試行錯誤の連続ですが、あなた方は失敗せずに試行錯誤するという無理を周囲から要求されるところが、非常に辛いだろうと思います」

▼母親と
「私の母は、口に出して約束したことは必ず守ってくれました。そして、自分に誤りがあるとわかったときは、大人に謝るのと同じように、はっきり子どもに謝りました。これは信用の根本であり、したがって『躾け』と『教育』の土台です。私はいま見習っています」

▼父親と
「母親は時として無意識的に忍耐できますが、父親はそれほど『賢く』ないので、常に努力して忍耐しなければなりません。自戒です」

▼自称「引きこもり」の若者と
「要するに、死ぬまで引きこもれる金があるのかどうか、一人で部屋の中で稼げるスキルがあるのかどうかです。前者は昔『高等遊民』と言いました。後者は完璧な『独立自営業者』でしょう。そのどちらかが可能なら、何の問題もありません。あなたの場合、堂々と引きこもればよいのです。うらやましい」

▼中学生と
「勉強するのは、今より自由になるためだな。しないと生きられないわけでもないし」

▼後輩と
「寺があって、住職がいても、そこに仏教が無い。そうならんようにしないと。お互いに」

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203 コメント

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Unknown (Unknown)
2017-06-30 01:55:34
>寺があって、住職がいても、そこに仏教が無い。


コレです。モンダイは。
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Unknown (たかはし)
2017-06-30 01:59:21
>自分に誤りがあるとわかったときは、大人に謝るのと同じように、はっきり子どもに謝りました。これは信用の根本であり、したがって『躾け』と『教育』の土台です。

まさにそうだろうなあ、でも、なかなか出来ないんだろうなあ、と思いました。親に謝られたこと記憶にないです。あ、私が親に謝った記憶もないか。ただ、何となく雰囲気では伝わっていた気がします。今は、間違ったと思ったら謝るというのは、他人に対しては概ね出来てる気がしますが、でも、親に対しては、依然として駄目ですね。ややこしいですね、親子って。子供がいないので、子に謝る難しさは経験無いですが。


>勉強するのは、今より自由になるためだな。しないと生きられないわけでもないし

寅さんの映画で、何のために勉強するのかと甥っ子から質問された寅さんが、勉強していないと、何か問題があったときに自分のようにサイコロ振って出た目で決める、なんてことしかできないが、勉強していると、ちゃんと筋道立てて考えて答えを出せるようになる、というようなことを言ったのを思い出しました。

何のために生きるのか、と質問されたときには、生きてて良かったと感じるためだ、というようなことを言っていました。

うまいこと言うなあ、と思いました。そういうところも私が寅さんシリーズがお気に入りの理由です。
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Unknown (たかはし)
2017-06-30 02:07:58
仏教学者の、ひろさちや氏は、選択に迷うというのは、そのどちらでもいいから迷うのであって、そういうときにはサイコロ振って決めろ、どちらでもいいんだから、と書いてました。

何のために生きるのかという問いには、釈迦なら、悟るためだ、そのために世間も何もかも捨てて出家するのだ、と言うのでしょうね。

仏教って、ある意味、極端ですね。
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Unknown (Unknown)
2017-06-30 02:08:58
あれ?
和尚さん。

「▼政治家と」

??(゜Д゜≡゜Д゜)??


見当たりませんが
書き落としでしょうか?
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Unknown (Unknown)
2017-06-30 02:16:22
「勉強するのは今より自由になるため」というよりは
「勉強するのは人から良く見られたいから、人より少しでも上に行きたいから。」
が100人中100人ですよね、人間であれば。
ただの雑な細胞の塊ですからねえ、我々は、はっきり書くといっしゅん死にたくなります^_^
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Unknown (Unknown)
2017-06-30 02:19:00
引きこもりは「引きこもりという立場を無意識が選択した人、逃げを無意識が選択した人」でしかないので、自分が選択したのでないので悪く言っちゃあかわいそうだと思います。
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Unknown (Unknown)
2017-06-30 02:20:11
勉強したら、より自由になる?

勉強によっては、より病気になりそう。
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Unknown (Unknown)
2017-06-30 02:55:51
仏教って、人にヤサシク無いよね。
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Unknown (南京ハゼ)
2017-06-30 08:12:56
法事などで集まった時、各々の思い出に面影が浮かびそのそれぞれに向けられた笑顔は喜びのようなものが大きな輪郭で広がるようでした。会話や表情の行き交いに察することの違いを感じた時でも幾重の記憶やその深みを想像するようでもあり、また子供の時視線の先を見ながら意思や方法を傍らで説いてくれた暖かさが何をみていくかを問いかけそして確認するようでもあります。拙い歩を経ながら暖かさの在り様の深さを知っていくようです。緑は映えますが湿度の高い折、どうぞ御自愛下さいますよう心よりお祈り申し上げます。
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国家民営化論 (たかはし名人)
2017-06-30 08:36:17
国家民営化論―ラディカルな自由社会を構想する
笠井 潔 (著)

内容
社会主義崩壊後、多くの人が無批判に受け容れている現在の社会システム。その限界と欠陥を、“ラディカルな自由主義者”笠井潔が鋭く指摘、理想の社会構想を提示する。たとえば、遺産相続や税金の撤廃。警察、刑務所、厚生省や文部省の民営化。安楽死や自殺を基本的人権にすること…。過激に、論理的に、21世紀自由社会は本書から始まる。

発売日: 2000/12
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