新古今和歌集の部屋

山水 大江朝綱 和漢朗詠集筆者不詳巻子本コレクション




山成向背

  斜陽裏

水似廻流

  迅瀬間


和漢朗詠集 山水
春日山居 後江相公(大江朝綱)
古洞春來對碧灣 古洞春来たりて碧湾に対す
茶烟日暮與雲閑 茶烟日暮れと雲閑か
山成向背斜陽裏 山は向背(きょうはい)を成す斜陽の裏(うら、うち)
水似廻流迅瀨間 水は廻流に似たり迅瀬(じんらい)の間(あいだ)

草色雪晴初布護 草の色は雪晴れて初めて布護す
鳥聲露暖漸綿蠻 鳥の声は露暖かにして漸く綿蛮
誰知圯上獨遊客 誰知る圯上の独り遊客を
疑□留候授履還 疑うは候に□留して授けて履還る
※□は恐らく欠落

※山成向背斜陽水似流迅瀨間の用字もある。

※「成」の崩し字は、王羲之、顔真卿などの書体にある。書源などを参照されたし。

※草色雪晴初布護鳥聲露暖漸綿蠻は、草に出ている。


意訳
山は、夕方になると日に照らされた峰の面と影になる面のコントラストがはっきりとする。
水は、早瀬の激流の間に岩にぶつかって湧き返り逆に流れているように見える。



令和元年12月20日 肆點參
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