それはまた別のお話

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「リーディング紙芝居」 6/27 マチネ

2015-06-28 | 舞台


ネパール大地震緊急支援チャリティーイベント
リーディング「紙芝居」 雨にも負けず、風にも負けず ~心に残る名作三物語~

6/27(土) 15:00~ シアターコクーン 1階XA列センター

【構成・演出】モトイキ シゲキ
【出演】観月ありさ / 市原悦子 / 中川晃教 / 佐藤正宏 / 赤江珠緒
    ミッキー吉野(ピアノ)、石垣大祐(ピアノ)、浅野 祥(三味線)

土曜日に渋谷に歩くのは大変苦手なのですが…(それもどうしても地上を歩かねばならないコクーンはなおさら)
気力を振り絞って行ってまいりました。

第一部。
「走れメロス」朗読:佐藤正弘 三絃:浅野祥 ピアノ:石垣大祐
グリム童話より「ねづの木の話」朗読:市原悦子 ピアノ:ミッキー吉野
日本昔話「三枚のお札」朗読:赤江珠緒 三絃:浅野祥 ピアノ:石垣大祐
童話「ちいちゃんのかげおくり」朗読:市原悦子 ピアノ:ミッキー吉野

冒頭は、佐藤さんが自転車にハコを積んでのご登場。
紙芝居のおじさんがやってきて、こうやって拍子木を叩いてね…という昔話から始まります。
自転車の紙芝居台に実際の絵もセットされてましたが、あとは舞台奥のスクリーンに映してました。

4篇とも、臨場感溢れる朗読でしたが、なんといっても市原悦子さんの朗読が圧巻でございました。
グリム童話だからグロテスクなのは仕方ないけど…描写があまりにリアルでコワ過ぎ
「ちいちゃんのかげおくり」も、切なくて哀しいお話。
子供の声も男性の声も明瞭で、自由自在な読み方が素晴らしかったです。


第二部。歌語り「曽根崎心中」朗読と歌:観月ありさ・中川晃教 ピアノ:ミッキー吉野

椅子2客が少し距離を置いてセットされ、後ろのスクリーンにシルエットが映ってから、幕が開いて読み手のお二人が登場。
観月ありささんは着物モチーフの白いドレスで、それはそれはお綺麗でした。
(終演後のご本人ブログでお写真が見られます  → ここ
あっきーは、スタンドカラーの白いシャツに黒パンツ、髪は上半分をひっつめてシンプル系。

椅子に座っての朗読、ときおりお互いの位置を交換するために立ち上がって、見つめあいながらすれ違う。
お初と徳兵衛の台詞は歌舞伎の謡のように、間の説明のための文は現代風に。
お初の凛とした廓言葉や、徳兵衛の情熱たっぷりな台詞語りが徐々にエスカレートしていって、
最後は「未来成仏うたがひなき恋の手本となりにけり」という有名な台詞で終わります。

そして語りが終わったあと、ミッキーさんのピアノ前奏に合わせ、二人がハンドマイクを手に持ち歌いはじめたのは
中島みゆき「糸」でした。

もう歌詞がぴったりだし二人見つめ合って歌っちゃうし…素敵だったなぁ。
ありささんブログによると、当日デュエットすることになったとか(間違いなくあっきーのムチャブリかと)
ありささんの不安そうな表情を、ミッキーさんとあっきーが温かく見守るところも含めて、素晴らしい演出だったと思います。

ちょっとアレだったのは、
「緊急イベント」だったのだから仕方ないとは思いますが、予定演目と違っていたのが残念。
イベントタイトルにあるから「雨ニモマケズ」が聴けると思っていたよ…(この回だけパスされた)
「名作三部作」の三部作の意味も不明ですが、続編があるってことかな。

終演後に劇場を出ると、シブヤの街は若くキラキラしたカップルが溢れかえっていました。
「心中」という行動はもう男女の間では成立しなくなってしまったけれど、
「恋の手本となりにけり」と言い切った近松さんは、今のシブヤの街を見たらどう思うのかな…

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