感じるままに・・大人の独り言

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「北風と太陽」〜責めるよりも赦す気持ちを

2017-03-08 22:32:00 | ちょっと真面目なお話
今朝、朝の番組でお笑い芸人・ノンスタイルの井上裕介の記者会見の様子が流れていた。
仕事帰りに自家用車を運転中、タクシーに当て逃げした罪に問われていた事件で、6日不起訴になった事を受けての事らしい。

最初この事件をニュースで観た時は、自分の保身の為に、相手の怪我の状態を確認もせずに見捨てて逃げるなんて言語道断、最低な男だと井上に対して嫌悪感さえ抱いてしまった。

だから、今朝のニュースが流れ始めた時も冷ややかな気持ちで観ていたのだけど、テレビで映し出された井上の表情と会見の言葉を聞いてたら、ある意味感動を覚えてしまうくらい心に響くものがあった。

彼の表情を観る限り、自分のしでかした事に対して本当に反省し、心から詫びているのが観て取れた。その上で、「正しい処置をしなかった、軽率な行動をした。」と反省の言葉を述べ、被害者のタクシー運転手さんに対しては、自分が謝りに行った際にかけてもらった言葉として、「謝罪の気持ちは井上さんから十分に伝わりました。早く劇場やテレビで漫才している姿を私に見せて下さい。そして私を笑わせて下さい。」と言って貰ったと、泣きながら話していた。その場凌ぎの言葉や嘘の涙ではないのが分かるくらい、正直な思いが溢れていた。


又、相方の石田明に対しても、「解散すると言われても仕方ないのに、" 井上の人生も俺の人生 "と言ってくれた。そして、(今日の記者会見で)ちゃんと喋って来い」と言われ、「石田君にも本当に迷惑をかけた。もう、二度と石田君には迷惑をかけてはいけない。何があっても感謝の気持ちを忘れてはいけない。」と石田への思いを話している。

井上が心から反省して謝罪の言葉を口にした理由には、当て逃げして見捨てた被害者と、こんな形で裏切ってしまった相方にも拘らず、そんな二人から自分に対しての暖かい対応と言葉があったからだと思う。

二人に共通しているのが、井上を責める事より赦した事による寛容の心ではないだろうか。

卑怯な事をしでかした今回の様な場合、責められて罵倒される事の方が多いだろうに、二人は敢えてそれをせずに井上を赦し、暖かい言葉を投げ掛けた。これって、何よりも相手の心に響き、反省と改心を促せる、最も効果的な方法なのではないだろうかと思う。そう、あの「北風と太陽」の話の様に。


東京地検は、不起訴処分にした理由として「許してあげて欲しいと言う被害者の心情を考慮した」と、罪の成立を認めながらも起訴猶予にした旨の説明をした。

相手を責めるより赦し、更に思い遣りの気持ちを相手に投げ掛けるなんて、中々出来る事ではない。この被害者の運転手さんと相方の石田は、井上にだけじゃなく社会一般にも良い意味での影響を与えたのではないかと思う。

キリスト教の教えに、「お互いに親切にし、心の優しい人となり、神がキリストにおいてあなた方を赦してくださった様に、互いに赦し合いなさい。」と言う教えがある。


被害を与えた相手に対し、こう言う心境には滅多な事ではなれるもんじゃあないとは思う。責めるのは簡単で誰にも出来るけど、「赦す」のはそう簡単に出来ることじゃないから。

だからこそ、「赦した」本人も「赦された」相手にとってもこの上ない変化と成長を促す事が出来るのかもしれない。

ノンスタイルの井上はきっと悔やんでも悔やみきれないくらい、自分を赦してくれた二人に対して申し訳なかったと反省しているだろうし、感謝していると思う。
赦された事により、もう二度と同じ過ちを繰り返さず、人に対しても優しくなれるに違いない。

私も見習わなきゃ(^_^;)
春の太陽の様に人に対して暖かく、優しい人でありたい。
春の日差しが雪解けを促し、凍てついた心も溶かす様に…
写真は、職場から駐車場までの道程の途中で見つけた筑紫とふきのとう↓