鼻くそ談義

「ハロー」と元気よく姉の病室へ。
「誰か解る？」
「ヒロちゃん」とはっきり目を見て答えてくれた。
一緒に行った姉の娘も「雅子」と認識。

姉の病室から見える山々が紅葉できれい。
何時も歌う山のうたは富士山だが今日は「♪秋の夕日に照山もみじ・・・・♪」と
始めての歌を歌ってみた。
すると姉は
「♪濃いも薄いも・・・・♪」と続けて歌ってくれた。

合間に姉は鼻をほじる。
「鼻くそはきたないけえ。」と私がおどけて言うと笑いつつ「あげようか？」と返してふざける。
負けじと私は「私のあげようか？」に顔全体で笑って「いらんいらん」と。
この笑いは鼻くそ談義だから美しくはないかもしれんが私達にとってこの上もなく嬉しく美しい。

「姉ーさん　又歌いにいくよ！」