日本の経済規模のおよそ5分の1だが、輸出依存率は、4割弱と高い(日本は15%前後で推移しており、近年、若干高くなっている)
輸出依存率が高いことから、韓国は特に97年通貨危機以降、自由貿易体制の構築に前向きに取り組んできた。
韓国でのこの経験は、韓国産業の大集約を政府の強いリーダーシップで実現、財閥企業の過剰多角化を解消するなど、産業サイドの構造改革で対応した。その考え方が、農業の構造再編に対しても影響を与えている。
(ちなみに日本では、85年時にの円高危機に対し、公共投資を中心とした内需拡大で対応し、過剰供給構造を温存することになった。今は需要が無く、需給ギャップは25兆円とも35兆円とも言われ、デフレに陥っている。デフレ脱却のためのマクロ政策が求められるのだが、)
日本と韓国では経済政策、産業政策が違うのだが、韓国とて、悩みはやはり農業、だが、わが国の農政の後追いをしてきた韓国は、ウルグアイラウンド以降、大きく開放路線へ舵を切った。
韓国の農業産出額はおよそ33兆ウォン
日本のそれが8兆円と年々減少してるのとは逆に年々増加している。
特に、金大中政権(98年)以降の、韓国農政は、開放体制を目指し、わが国にとっても大いに参考になる。一言で言えば、農産物輸出促進政策。
金大中政権が「45兆ウォン投・融資」(1999~2004)によって産地育成や輸出促進に邁進したのは、講演でもよく話してきた内容(この間韓国農産物の輸出額は、3億ドルから6億ドルに倍増している)。
さらに盧武鉉政権(93年)の二期目では、「10年間119兆ウォン投融資計画(2004~2013)」(農業・農村中長期投融資計画)によって、FTA推進のための経営育成政策を断行し、、任期が間近に迫った07年「韓・米FTA」を妥結させた。それをにらみ、追加支援作として、2008-17年の10年間で20.4兆㌆を追加、総計139兆ウォンの農村対策を組んでいる。
李明博政権ではさらにこの流れを確実なものとしていく。
農政方針は、儲かる農業、効率性を強調する市場競争の促進である。
農業への参入規制を緩和し、農業分野に大企業と外国資本を誘致し、
2012年まで20 万の 企業的農業者と、1 万の法人を育成していく方針をすすめている。またその前提となる高品質技術及び輸出農業を育成すると公言している。
日本は、①市場競争政策を市場原理主義と批判し、財政保護で、農業を安楽死させ、壊滅的にするか、
あるいは②市場開放で、農業従事者は減少するなかで、少数の経営への選択と集中し、輸出をも射程に入れて農業生産額を維持拡大するかの選択に迫られている。
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