優厳 × 赤鬼通信

社会参加活動の支援を目指す「なんちゃって社会貢献チーム」の、「優しく厳しい遊び場づくり」の迷走過程を記して行きます。

再稼働・・・

2012年06月11日 | Weblog
 原発再稼働、しそうですな。
 いいのか、悪いのか。
 そんな単純な問題じゃないことは分かっているが、あまりにも拙速すぎる。

 それにしても、原発事故調査が進むにつれて感じるのは、これは簡単に言っちゃダメなんだろうけど、福島県知事をはじめ、福島の被災自治体の首長は、ちゃんと考えてるのかい??ってこと。知事がヒドイのは最初から分かってたけど、福島の自治体から意志ある言葉が聞こえて来たのは、南相馬市の桜井勝延市長くらい(これも賛否両論あるのは、ここの市民から聞いてるので分かってるけど)。
 泣き言ばかり言ってても、全然進まない。それを市民の方が分かってる。自治体職員だって、いろいろ批判はあっても、十分以上に頑張ってるのを知っている。
 政治家は・・・議員、首長はどうか?
 泣き言ばっかり言ってても始まらないのだ。というか、泣き言も聞こえて来ないような気がするぞ、最近は。
 南相馬市に先日行ったのだが、まだまだ閉店してる店も多く(「福島をずっと見ててるTV」でも同じことを言ってたね)、でも目に見えるような大騒ぎが無いために、そこに関わらない人たちには問題自体が見えなくなっているように感じる。だって、マクドナルドも閉店してるんだよ、あり得ないでしょ。

 気が付いたら、野田首相が大飯原発再稼働について国民向けて会見したのだって、中身はほとんどメチャクチャだった。大飯原発を動かさなければ、確かに関西で電力不足が生じ、そのことで病院などで重大な事故が生じたり、高齢者が熱中症になるリスクが高まることは、当然予想できる。
 でも、故にそのことで「夏場限定の再稼働では国民生活は守れない」という論理は成立しない。
 それ以上に、「福島を襲ったような地震・津波が起こっても、事故を防止できる対策と体制は整っています。これまでに得られた知見を最大限に生かし、もし万が一すべての電源が失われるような事態においても、炉心損傷に至らないことが確認をされています。」と、もし首相をはじめ、国、電力会社が本気で思っているのなら、この国は、「これだけの震災を経て、何も学んでいない」ということになる。
 電力会社には、産業界には、それぞれも言い分がある。それを国が踏まえるのは仕方がない。
 でも、国は国民を守るのを最優先させないのは、どう考えてもダメでしょう。 
 あんな派手な事故が起こらないとしても、ちょっとした事故でも、原発は致命的な事態を起こすのを、不幸なことに我々は体験した。にも関わらず、原発の稼働が停止した以外、これっぽっちもソフト面、つまり住民の安全を守るための具体的な対策・・避難方法や事故後に起こる生活問題への対処について、これっぽっちも考えられてるとは、どう考えても思えない。福島の現状を見れば、もし同じような事故が起こった時、きっと政府も自治体も、そして電力会社も、同じように、あるいは何も手を打ってこなかったことを踏まえれば、更に非難批判を受けることは明白だが、それも分かっているにも関わらず、「何もやっていない」。そのうえ、余計なことを進めてくれる・・・大丈夫なのか、この国は。
 大丈夫じゃないだろう、どう考えても。いろいろ考えることがあるだろうが、安全について信頼を得られないようなら、まずは止めておこうよ。

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 原発問題では、もうひとつ。
 やはり、「国会 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)」の黒川清委員長のコメントは、やはりおかしいだろう。
 先日の野田首相の「大飯原発再稼働発言」に対する意趣返しもあるのだろうが、だからと言って、東京電力の過失は、政府官邸のそれと比べるべくもなく軽いとも聞こえるような、結果として東電擁護(すなわち政府批判)は、冗談じゃないとしか思えない。
 こちらも政府の無策混乱を是とするわけではない。あんな方法を執ったから福島の原発によって被害を受けた住民が、ここまでヒドイ状況になったのは、もちろん政府、官邸の責任である。でも、原子力発電所のリスクに対して、ここまで能天気なクソ野郎どもに対して、黒川委員長は先日の記者会見で「現場は一貫して原子炉の問題に取り組んでいた」と言う。現場は、だろ。じゃ、東京電力の核心である幹部連中はどうなのか?  値上げについて、どうこう言ってるわけではない。これだけの惨事が起きて、一体何が問題であったのか、真に反省すべきことは何だったのか、それらを踏まえて何をすべきで、どこへ向かうべきなのか、これっぽっちも聞こえて来ないことこそが問題なのではないのか。
 橋下徹・大阪市長がいみじくも口にした、「停電のリスクに怖気づいたところはある」という言葉は、きっと多くの人が思う、原発再稼働に対して頷かざるを得なかった理由になるんじゃないかと。このことを口にしたことで、嘆く人もいるだろうが、正直なところ、野田首相のトンチンカンな安心安全宣言よりは、遥かにマシだと思う人の方が多いのではないか。

 さて、思う。
 リスクは、停電なのか?
 そんなわけはない。
 停電なら、もっともっと対応する用意をすれば、きっとクリアできる。
 それ以上の、停電とは比べ物にならないほどのリスクが起こるからこそ、こんなに抗おうとしてるのではないか、そのリスクを知ってしまった我々は。

 東京電力は、そのことをこれまで軽んじ過ぎており、それはこれからも変わりそうもない。関西電力も、事故が起きていないことを理由に、リスクをあまりにも過小評価している・・・3.11からずっと見ているにも関わらず、それがまだ終わる気配すらないにも関わらず、改善する余地すらないにも関わらず。
 このまま電力会社に、反省と、改善する意思を持たせることができないのなら、リスクがどんどん高まっていく。このリスクはあまりにも高過ぎるだろう、冗談じゃない。
 国会事故調は、甘い。野田首相も、甘い。なんで、もっと早く対策が組めないのか。なんで、もっと時間を掛けて対応を練れないのか。

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