株式会社 文化財保存活用研究所 Blog

大分県を中心に文化財の保存修復をメイン事業として活動している「株式会社 文化財保存活用研究所」の企業ブログです。

石風呂~豊後大野市~

2010-11-14 09:57:11 | 文化財
おはようございます。うめです。
いや~寒いですね~。
暑がりの私ですが、さすがに最近は「寒っ」っと感じております。
特に朝方、起きた時に布団から出るのがきつくなってきました。
もう冬といってもいい位になってきましたね。
秋短すぎ。


先日、豊後大野市に行ってきました。
その際、豊後大野市教育委員会の高野さんの御厚意で、いくつかの文化財を案内してもらいました。
高野さん、ありがとうございます。

というわけで、今回はその時に行きました文化財の内、石風呂についてご紹介したいと思います。



まずはじめに行きましたのが、「辻河原石風呂」です。
左下の洞窟のような穴が石風呂(蒸し風呂)になります。


右側上の龕にある2基の宝塔は16世紀に造られたものだそうです。

右下の龕には昔、五右衛門風呂が設置されていたそうです。

写真の中央より少し上のあたりの壁には梵字が刻まれていました。





石風呂ですが、中に石が敷かれており、上と下の2層に分かれております。


使用する際は下で薪を燃やし、中の石の上に石菖(薬草の一種)を敷き、そこに水をかけ、水蒸気を発生させ使用するそうです。


この石風呂は今でも年に1回ほど使用されているそうです。
そのため、石風呂の中の壁はススが付いて真っ黒になっていました。


中に敷いてある石ですが、使用すると割れてしまうらしく、石を交換しても駄目だそうです・・・。


宝塔や梵字があること、また昔この崖の上には「普済寺」という寺院があったことから、この石風呂は仏教と関係があるものと考えられています。





次に「上戸石風呂」に行ってきました。

この石風呂は緒方側の川沿いの崖面にありました。
写真では分からないと思いますが、この石風呂のすぐ前は川になっています。


こちらも使用方法は「辻河原石風呂」と同じで、下で火を焚き、上で蒸し風呂を楽しむというものです。

入口の右側の壁に「明治○年」という文字が刻まれていることから、明治時代に造られたものだと考えられています。


こちらの石風呂は現在は使われていないとのことです。そのため、中の壁面にススは無く、代わりに植物が繁茂していました。


さて、こちらの「上戸石風呂」ですが、現場に行くまでの道が下の写真のようになっていました。


両側に切り立った岩があり、その間を通って行くという何とも趣のある道でした。
この道は元々水路として使用されていたらしく、崖面には年号が彫られていました。



今回は以上の二つの石風呂を見てきました。
豊後大野市にはこの二つの他にもまだまだ石風呂があります。
今度はそちらの方もご紹介できたらと思います。



さて、今回のご紹介は二つの石風呂でしたが、今回の文化財巡りでは他の文化財も廻りましたので、次回ご紹介したいと思います。


追伸:今回案内していただいた高野さん、本当にありがとうございました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿