ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

「僕もかつて、君たちと同じように路上にいたんだ。」

2009年09月06日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら

ICANでは、今路上にいる子どもたちへの教育活動と同時に、元路上にいた子どもたちの教育支援も行っています。フィリピンのパートナーNGOの「こどもの家」で、彼・彼女らは、学校に通いながら暮しています。

その中の一人、ロナルド君(仮名)17歳に、現在も路上にいる子どもたちに自らの経験を話してもらいました。



ロナルド君の話
「僕もかつて、君たちと同じように路上にいたんだ。ラグビー(シンナー)も吸っていたし、スリなどの悪いこともしていた。でも刑務所の中にいた時に、施設に誘われてから僕の人生は大きく変わった。最初は、お腹いっぱいになったら逃げ出そうと思っていたけど、このこどもの家には僕の必要としているものすべてがあったんだ。

こどもの家での生活を始めて、ラグビーを止めようと決めてから、僕は、空腹感や寂しい気持ちや嫌な気持ち、ラグビーを吸う事で忘れようとしていた気持ちを、すべて受け止めることにした。お腹がすいたら誰かにご飯を下さいといい、寂しい時は、誰かに側にいてもらうように言うことにした。ラグビーを吸うと勉強も仕事も考えることさえも、出来なくなる。そして自分の人生をダメにしてしまうから。

路上にいた時は、毎日を生き延びるだけで、将来のことなんて考えられなかった。でも学校に通い、僕は社会のいろいろなことを学び、今、警察官かソーシャルワーカーになりたいって夢をもってる。学校では年下の子どもと混ざって授業を受けているけど、僕は恥ずかしいなんて思わない。僕にとって必要なことだし、学ぶことはいつからだって始められるから。

だから、みんなもラグビーを吸うのを、どうか止めて欲しいと思う。勉強を始めることを恥ずかしいと思わないで欲しい。自分の人生と向き合って欲しいと心から思う。」

子どもたちは、真剣に時にうなずきながらロナルド君の話を聞いていました。ロナルド君の今の様子から、ロナルド君が昔ラグビーを吸っていたなんて信じられない、僕もロナルド君のようになりたいと、子どもたちはとても気持ちを動かさていました。

そして最後にラグビーを吸わないように精一杯努力するとロナルド君に約束しました。

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