ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

路上から、初めての通学

2009年11月07日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら

路上の子どもたちの中には、家族に金銭的な余裕がないため、教育を受けられず、家族を助けるために路上で働き、その生活から抜け出せなくなるという悪循環に陥っている子が多くいます。 

マイケル(仮名)15歳は学校に通った経験がなく、今回初めて基礎教育からの勉強を始めることになりました。ジュン(仮名)は、小学校3年生で学校をドロップアウト(落第・中退)し現在17歳。彼もまた勉強を再開することになりました。

フィリピンでは、学校をドロップアウトした子どものために、ALS(Alternative Leaning System)という制度があります。この過程を終えると、学校教育の終了と同じ資格がもらえます。アイキャンは、ALSの教育資格を持つ現地フィリピンNGOと提携して、路上の子どもたちが勉強を受けられるように活動をしています。

マイケルもジュンも、いつものアイキャンの路上セッションでも積極的に参加、発言をし、とても頼もしいお兄ちゃん的存在です。「僕は勉強がしたいんだ」と何度も訴える2人の真っ直ぐさに、私たちスタッフも何とかしたいと話し合いを続けてきました。施設に入ることも検討しましたが、マイケルは路上でジープなどの乗り物にお客さんを呼び込む仕事をし、路上で物乞いをする妹、弟の面倒も見ています。ジュンも路上でキャンディーを売り、家計を助けています。彼ら2人が家族と離れ施設に行くことは現実的ではありません。そこで、週に何回か通いながら勉強ができるALSという制度を子どもたちと選びました。



今日は、その1日目です。まず、2人がどこまで知識を持っているのか、国語や算数などの確認のテストを行いました。マイケルは字が読めないので、スタッフに読んでもらいながら、問題を解いて行きます。算数では、指で数えたり、何本も線を引いて数えたりしながら、問題を解いています。たまに数字の7が反対になりながらも、一生懸命がんばりました。

マイケル「僕が学校に通えていたとしたら、ジュンより僕の方がよく出来たはずだよ(笑)。」
マイケル、ジュン「最初は、難しいと思ったけど、楽しかった!」

帰り道、スタッフと話しながら、2人の清々しい顔がとても印象的でした。(学校教育にかかわらず)勉強をすることができるって、単に将来職業につきやすくなること以前に、人が生きていく上で表現する力を強めたり、自尊心を高めたり、より根本的に必要なものだと改めて感じます。

きっと、勉強を出来なかった時間を取り戻すには、時間が掛かるでしょう。でも、この2人の顔を見ていたら、きっと大丈夫だと強く思いました。これから勉強を始めるこの子どもたちに、大きなエールを送りたいと思います。



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