ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

ICANは「らいおん」か?-絵本「ラチとらいおん」より①

2008年03月18日 | ひとりごと
ゆきよ@まにら。

昨年、熊本にいる友人(かつICANの会員でもある!)から、素敵な絵本を何冊かいただきました。そのひとつが「ラチとらいおん」(福音館書店)。5歳になる下の息子は、このお話を読むと最後に悲しくなって泣いてしまうのですが、それがまたいいらしく(?)すっかりお気に入りで、寝る前の読み聞かせの常連の1冊になっています。1961年のハンガリーの絵本が、1965年に日本語訳されたもので、どうりで日本語がちょっと古風でまたそれが情緒深い趣をかもし出していると思います。これを読んでいて、ICANの仕事とちょっと似ているところがあるなと思いました。以下、ストーリーをご紹介します。

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ラチとらいおん    マレーク・ベロニカ ぶん/ とくながやすもと やく

このいえに、ラチというおとこのこがすんでいます。
ラチは、せかいじゅうで いちばん よわむしでした。

ラチは、ひこうしに なりたいと おもっていました。
でも、よわむしの ひこうしなんて いるでしょうか。

ラチは、 いぬをみると にげだします。
くらいへやには、こわくて はいれません。
おまけに、ともだちさえ こわいのです。だから みんなは、
ラチを ばかにして、あそんでくれませんでした。

ラチは、なかまはずれにされて、いつも ないていました。
そして、いちにちじゅう、えほんを みてばかりいました。

ラチは、このえが いちばん すきでした。
「ぼくに、こんな らいおんがいたら、なんにも こわくないんだけどなあ」

ところが、あるあさ、めをさましてみると、ベットのそばに、
ちいさな あかい らいおんが いるではありませんか!

でも、ラチは おおわらいしました。
「こんな ちっぽけな らいおんじゃ、 なんのやくにも たたないじゃないか」

らいおんは おこりました。

「きみ、よくみていたまえ!」
らいおんは そういうと、かたてで いすを もちあげてみせました。

それから、ラチに とびかかると、
えい、やっ と、 ゆかに おしたおしました。

「どうだい、ぼくは つよい らいおんだろう。きみも つよくなりたいなら、ぼくが つよくしてやるよ」

「つよくなるのには、まず たいそうを するんだよ。 こんなふうにね」

いち にっ さん! いち にっ さん!

それから ふたりは、まいあさ いっしょに たいそうを しました。
あるひ、ふたりは さんぽに でかけました。
そして、ないている おんなのこに であいました。


「どうして ないているの?」と、ラチがたずねました。
「だって、むこうに こわいいぬが いるんですもの」

ラチは、にげだそうとしました。でも そのとき、らいおんが いっしょにいることを おもいだしました。

「こわくなんかないぞ。ぼくには、らいおんが ついているんだから」
そして ラチは、おんなのこの てをひいて、いぬのそばをとおりぬけました。

ラチは、ポケットのなかの らいおんといっしょに、 うちへ かえりました。
うちで、えを かこうと おもったのです。

けしごむも、かみも、えんぴつも ありました。
でも、クレヨンが ありません。

クレヨンは、となりのへやに あるのです。けれども、となりのへやは まっくらで、おまけに、でんとうを つけようとおもっても、スイッチに てが とどきません。

「とりに いきたくないなあ」と、ラチは いいました。
「とりに いきたまえ」と、らいおんが いいました。
「いきたくないよ」と、ラチは いいました。
「じゃ、ぼくが ついていってあげよう」と、らいおんが いいました。
ラチは、クレヨンを とりにいって、ねるまで えを かきました。

こうして、ラチは、どんどん つよくなって、もう なんでも できるようになりました。
かたてで いすを もちあげることも できます。

さかだちも できます。

そして あるひ、らいおんと すもうをとって、 とうとうかちました!
そこで ラチは、 ともだちのところへ でかけていきました。

ところが、みんなは しょんぼりしています。
のっぽに、かいたてのボールを とられてしまったからです。
「きみなんか きたって、なんにもならないよ、よわむしだから」と、
みんなは いいました。

「ぼくは、よわむしじゃないよ」と、ラチは いいました。
「じゃ、ぼくたちの ボールを とりかえせるかい」

「とりかえせるとも!」 ラチは そういうと、のっぽをさがしに でかけました。
「こわくなんかないぞ。ぼくには、らいおんが ついてるんだから!」

ラチは のっぽをみつけました。
「まて!」

のっぽは びっくりしました。みんな のっぽを こわがっていたのに、
こわがらない こどもが でてきたからです。

「こいつは、ぼくより つよいらしいぞ。 にげたほうが よさそうだ!」
のっぽは あわてて にげだしました。

どっちへ にげたのでしょう・・・・?  (中略)

とうとう ラチは おいつきました!
のっぽは こわがって、ボールを ほうりだすと、
たかいきに よじのぼってしまいました。

そして、よるになるまで、おりてこようとはしませんでした。

みんな、おおよろこびしました。 ラチは、らいおんに おれいをいおうとおもって、ポケットに てを つっこみました。
ところが、ポケットのなかに なにがあったとおもいますか?

りんごです! らいおんが ついていなくても、ラチは つよかったのです。
ばんざい!ばんざい!ばんざい!
でも、らいおんは どこに いってしまったのでしょう?

ラチは、はしって うちへ かえりました。
うちには、てがみが おいてありました。

らいおんの てがみです。

「ラチくんへ
きみは、らいおんと おなじくらい つよくなったね。
もう、ぼくが いなくてもだいじょうぶだよ。 ぼくはこれから よわむしのこどもの ところへ いって、つよいこどもにしてやらなくちゃならないんだ。
ぼくを いつまでも わすれないでくれたまえ。 ぼくも、きみのことは わすれないよ。
じゃ、さよなら   
らいよんより」

らいおんは、ラチを じまんに おもっていることでしょう。
ラチは もう、なにも こわがりません。

だから ラチは、きっと ひこうしに なれるでしょう。

おしまい

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このお話が、なぜICANの活動に似ているのか。
次回のブログ②をご覧ください。

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