Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

【みさきちゃん】大いわて展in柏タカシマヤ【5月13日12:00,15:00】生主演

2012-05-11 | ツイッター
子どもの同級生の臼澤みさきちゃんが柏タカシマヤにて生出演いたします。お近くの方,もし時間がありましたらどうぞよろしく。
写真は岩手放送レギュラー番組「ついてる」出演中のみさきちゃんです。

【日本・ノルウェー マリンセミナー 2012】 海洋資源利用に係る課題と機会

2012-05-11 | 水圏環境教育
【日本・ノルウェー マリンセミナー 2012】 海洋資源利用に係る課題と機会 --- 2つの海洋大国の協力の可能性が東京港区台場の日本科学未来館で開催された。このセミナーは持続可能な海洋資源の利用に関し、学術と産業の連携強化を目指し,ノルウエーならびに日本の政府ならびに研究者による講演会である。

午前中の全体会議では,ノルウエーからはトロンド・ギスケ貿易産業大臣,,クリスティン・グラスタッド水産沿岸域副大臣,日本からは政府関係者,業界団体からそれぞれの水産の事情が話された。

印象的なのは,ギスケ大臣は30代後半,グラスタッド副大臣は20代後半と大変若い大臣であり,水産の専門ではないにもかかわらず,明確なビジョンを持ってノルウエーの水産政策を語ってくれたことである。漁業制度の改革も例えば資源維持のために17000隻を6000隻に減船し,なおかつ厳選した船が国外に譲渡され密漁に繋がらないように厳正な処置をしていること。また,このような対策が可能になるものは,シーフード産業の世界のリーディングカントリーを目指し,孫の世代を考慮する責任があるからであり,そしてそのことがシーフードの価値を高めるのであると明確に語った。ノルウエーでは,漁業者への補助金というものはない。漁業者が自立できるようにチームノルウエーとして漁業を支援しているのである。

また,グラスタッド大臣はこれからの社会はナレッジベースの時代になっている。とも語った。いわゆるドラッカーのいう知識基盤社会である。ここで,注意したいのは知識とは単なる情報のことではないことである。ナレッジはknowledgeであり,一般的に知識と訳されているが,このナレッジベースという意味からすれば,知識を活用する「智慧」という意味あいが強い。様々な知識を活用できる能力を身につけていることである。教養教育が見直され改めて書く大学が取り組み始めているが,単なる知識の詰め込み,情報の発信ではいけないのである。さらに,水産に関する研究の推進は,海洋生物の価値を高めることであり,そして智慧を高めることにつながるわけであり,研究は大変重要なのであるとも語っている。大臣がここまで研究を推進するだけしっかりした国家戦略を持っているものと思われる。

一方日本の講演は,「水産物の需要が低迷している。また,自給率が下がっている。需要を回復させたい。ノルウエーの消費プログラムを参考にして,魚食推進を図りたい。・・・・・」これは,今に始まったことではない。何十年前からの重要な課題を我が国は未だに引きずっているのである。

水産は明治時代に松原新之助が「漁業・製造・養殖の3分野である」と明確に定義して,日本で始まった学問・産業分野である。

「水産業はまた科学の一部なり」(内村鑑三),「地方水産業の発展のため」(松原新之助)と高い理想を目指して設立された関係協会,大学,学会,協同組合,中央政府,自治体はもう一度原点に立ち返るべきである。