読書・映画を通した想いの整理棚

読書をしたり映画を視たりした後、浮かんだ感想・批評を行なうブログ。ジャンルは多岐にわたる。

出会うべくして出会った映画!「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」

2006-05-07 09:45:46 | 映画
 世の中には不思議なことがあるものだ。書籍で似たようなテーマでブログを書いていたら、似たようなトピックのストーリーの映画に出会った。グゥイネス・パルトロー主演の「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」である。しかも最終日だった。

 天才数学者が精神のバランスをくずし、娘の介護を受けた後、亡くなる。数学者の弟子が遺作のノートを調べ、娘とのやりとりの中で、重要なノートが見つかり、そこには、長年数多くの数学者がトライしても解けなかった、世紀の数学の証明が記されていた。

 娘は、それが自分の「証明」だという。
 しかし、周囲はそれを信じられなかった。天才数学者が精神のバランスを崩す前に証明したものだろうと誰しも思った。それで大勢の数学者の検証が始まる。数学・科学の方法としては、何事も証明や実証が大切なはずなので、普通の手順であったに違いない。

 だが、証・明・が・つ・か・な・く・て・も信頼するのが「人生における愛」というのが、映画でのテーマである。
 人生における「愛」と、科学や数学での方法(証明されたら信じる)との齟齬、その違いがよく表現されていて面白かった。
 
 人間は、しばしば、けじめがつけられず、いろいろなことを雑多に混同するものだから・・。

 しかし、この映画の、娘の勘の鋭さは、他人に父親と同じように精神のバランスを崩したのではないかと誤解されるあたり、現実にありそうなことで、怖いことだと思った。
名優アンソニー・ホプキンスが父親。精神のバランスを崩した役の見事な父親。