拝金主義がいかに人間をダメにし、社会をダメにし、世界をダメにするかを描き、どうしたらいいかを提言する『中学生マミちゃんの大疑問-日本ってお金に復讐されてるの』福田秀樹著。中学生マミちゃんが生活のなかで遭遇するものの考え方、特にお金にまつわる疑問を巡って、解析する体裁で書き進められた書物。変わらなければならないのだが、人間も社会も「変わる」ことの難しさを説く書でもある。 . . . 本文を読む
人間はものを見るのにどうしてもフィルターを通してみる。見ていても「何かがある」と思って追究しなければ本当の意味では分からないし「見えない。」それが「発見できない」の意味である。「カーボンナノチューブ(炭素原子の新種)」の発見者、飯島澄男氏本人の言である。飯島氏は、カーボンナノチューブの発見以前に「フラーレン」という球形の炭素原子の新種を、電子顕微鏡で何回も見ていた。しかし、「発見」に至らなかった。見ても見えずだったわけだ。 . . . 本文を読む
国が大国の下請けに走ると科学技術も科学技術者も不幸を被る。その代表選手みたいな技術が「トロン」であった。いまやユビキタスコンピューティングの時代の寵児である坂村健氏の「トロン」は、18年前、国のだらしなさでひどい目に遭った技術である。自分の国の国民を守る気概のない国が、科学技術者や科学技術を守れるはずもない。「スーパー301条」につぶされた「トロン」問題。 . . . 本文を読む
限りなく人間に近いロボット創り、日本ではおなじみの技術開発だ。アシモが作り出されるまでの苦労・足跡には、興味深いものがある。ガシャンガシャンと歩くロボットではなく、人間のようにスイスイ歩くロボット。執念がなければそういうことは実現しないのがロボット開発の世界である。それは欧米からすると奇妙に映るらしいが。 . . . 本文を読む
日本も東洋だから、科学貢献はどうかしらないけれど、技術開発には自信を持ってすごいものがあるといえる。その例を畑村洋太郎氏が『成功にはわけある』としてまとめた。その第1は、「光触媒」だ。いろいろに応用できるものらしい。「光触媒を使えば、光のエネルギーを利用して水から水素や酸素を発生させたり、汚れや臭いの元となる物質を分解したり、細菌を殺したりすることができる」そうだ。 . . . 本文を読む
日記を晒すなんて!という批判を吹き飛ばすメッセージ『ブログ進化論』岡部敬史著。人は、なぜブログを書くか。アップロードが簡単だから書く、それもある。反応があるから書く、それもあろう。しかし、根源的には、人は誰かに発信せずにいられないからブログを書く。私も自分で書いて、それに近い感覚を得ている。 . . . 本文を読む
ビジネスにおける「良心」と「利益」と「個人の責任」を考える書『正しいこと』(原題:The Right Thing)ジェフリー・L・セグリンは、ビジネス倫理についてのコメンテイターとして有名な人らしい。本書は、「ニューヨークタイムズ」紙日曜版の人気のある長寿コラムをまとめたものである。 . . . 本文を読む
『バイカルチャーと日本人』の著者櫛田健児氏は、日本人の父とアメリカ人の母をもつインターナショナルスクール卒業生である。氏の見た、日本人と英語教育問題の書である。久しからぬ英語教育改革問題を抱え、経済界でもなんとかしなくてはと思われている日本で、参考にすべき点があるのはいうまでもない。 . . . 本文を読む