語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】天の声=心の声である ~『武器を磨け』~

2018年02月06日 | ●佐藤優
 <『キングダム』でついに政の加冠の儀が承認され、第31代秦国大王が誕生するとき、政は祖霊の声を聴く。
 「祝福するぞ。三十一代秦王よ」
 「胸に抱く道を進むがよい」
 「信念のままに」
 「見守っているぞ我らが子よ・・・・」
 政は「ありがたく」その声を受け止める。

 こうした声を英語では、「神の声(コーリング)」と呼ぶが、それは同時に「神のお召し=天職」であることも意味する。いわゆる「ジョブ」とは違って、その人間がなすべき仕事は天の声によって降ってくるのである。
 大きな決断をするとき、自分の心に耳を澄ますと絶対といっていいほどの心の声は聴こえてくる。なぜ「心の声」が「天の声」なのか。その昔、天は古代の人(神)のことを指していたからである。神という抽象的な存在を確かなものにするために、地球中心に宇宙が存在する天動説が絶対とされてきた。
 ところが近代に入り、マゼランの世界一周によって地球が球体であることが証明され、コペルニクスによって天動説から地動説になると、神様の居場所は心の中に変わっていった。心は、図示できないが確かにある。その心の声に従うことがすなわち「天の声」を受け止めることにつながるのである。
 世間の声は色々なことを言う。それでも本当に悩んだら自分の心の声に従ったほうがいい。たとえば、本当はこんなパートナーとは離れていたいのに、世間体でそれができないというのでは、お互いに不幸である。
 あるいは色々なしがらみで、やりたくないことをやらなければならない。こんなときも「心の声」がノーと言っているのならやめることだ。そのまま続けても自分がダメになる。
 大事なときに心の声が聴こえてくるようにするには、内なる自分と向き合う時間をつくることだ。瞑想でも、自分の好きなクラシック音楽を聴きながら目を閉じて座っているだけでもいい。
 私の場合は教会に出かけるが、どんな場所でもどんなやり方でも、自分の心の声を聴ける環境を持っていることが、大事な場面で自分のこれからを左右するのである。>

□佐藤優/原泰久・原作『武器を磨け 弱者の戦略教科書『キングダム』』 (SB新書、2018)の「第5章 図太く生きる」の「土壇場でこそ「心の声」を聴け」の「天の声=心の声である」を引用
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 【参考】
【佐藤優】最後まで残る人間とは ~『武器を磨け』~
【佐藤優】SNSの価値観を疑え ~『武器を磨け』~
【佐藤優】自分の権限を確認せよ ~『武器を磨け』~
【佐藤優】XYではなくXYZで考える ~『武器を磨け』~
【佐藤優】高めるべき『非認知能力』とは ~『武器を磨け』~
【佐藤優】権力は金で買える ~『武器を磨け』~
【佐藤優】総合力=知恵×力の二乗 ~『武器を磨け』~
【佐藤優】「終わりの絵」を描く ~『武器を磨け』~
【佐藤優】生き抜くための目的思考 ~『武器を磨け』~
【佐藤優】中期展望を描いた者が生き残る ~『武器を磨け』~


【南雲つぐみ】飛蚊症と光視症

2018年02月06日 | 医療・保健・福祉・介護
 目の前を、小さなほこりや虫が飛んでいるように見えるのが「飛蚊症(ひぶんしょう)」で、視野の一部に一瞬光が走って見えるのが「光視症」だ。
 飛蚊症のほとんどは、目のなかの硝子(しょうし)体という組織の老化といわれている。眼球の中は、硝子体という透明のゲル状の組織で満たされている。この組織の一部にしわや萎縮ができると、光が通過の際に影となって網膜に映る。これが小さなほこりや虫に見える。
 また網膜と硝子体の間に癒着が起きるなど、何らかの原因で光を受ける網膜に刺激があると、光が走っているように見える光視症になるという。
 これらの症状は、網膜剥離の前兆である場合もあるとのこと。一度、眼科を受診しておくほうがいいかもしれない。
 飛蚊症や光視症、疲れなどで起こる目のちらつきに使われるのが「光明(こうめい)」というつぼ。足のふくらはぎの外側で、くるぶしから15センチほど上にある。ここに中指を当て、目を閉じてゆっくりもみほぐすといいそうだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「飛蚊症と光視症 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年6月8日)を引用
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