yama room

山コンビ大好き。

ブログではなくて妄想の世界です。

きらり

その後 1

2012-07-10 18:00:03 | 日記
終わりのつもりだったけどDr〜のその後の二人。



櫻井にもう二度とあんな寂しい思いはしたくないと言われ、
大野は何も言えなかった。
お互いのプライベートな空間、時間を尊重することを
条件に櫻井に頼み込まれるような形で、二人は一緒に暮らすことになった。

外で働く櫻井と家で働くことの多い大野とは、
適度な距離を保ちつつ二人の生活は案外上手くいっていた。

そしていつものように帰るとメールをし、家に帰る。
「ただいま〜。」
この時が一番幸せを感じる瞬間だなと思う。
愛しい人にやっと会える喜びについ顔がニヤける。

だが返事はない。

部屋に入ると大野は料理を作って満足してしまったのか、
ソファで寝てしまっている。
待ちくたびれて寝ちゃったのか。
それにしても、やっぱりかわいい顔をしている。
そう思いながら、仕事の疲れも忘れしばらくその寝顔を眺める。

一緒に暮らすようになって分かったことは、
大野がよく寝る人だという事だった。

そう言えばドライブに行った時も行きも帰りも爆睡だったっけ。
そう思いながら口元が緩む。
まあ、この綺麗な寝顔を見るの好きだし、
すぐ寝ちゃう所も可愛いくて好きなんだけどね。
そう思いながらまた寝顔を眺める。

しばらく寝顔を見つめるが大野は起きる気配がない。
顔を優しくツンツンとしてみるがやっぱり起きない。
顔を近づけ唇にチュッとするとようやく目を開けた。

かわいい〜。その可愛さに耐え切れずもう一度キスをした。
俺、この人の目を覚ます瞬間がダメみたいだ。そう確信する。
スイッチが入り止まらなくなる。大野もそれに応じる。
十分に満足行くまで堪能するとようやく唇を離し
「ただいま。」
と言った。

「ああ、翔。帰ってたの?お帰り。」
そう言って何事もなかったかのようにソファからゆっくり起き上がる。
「うん、今帰ってきたところ。眠かったの?」
そう優しく微笑みながら尋ねる。
「ううん、何だか待っている間に自然と寝ちゃってたみたい。」
そう言って立ち上がり食事の準備を始めた。

「いつも作ってもらっちゃってごめんね。」
必然的に家にいることが多い大野が食事の担当となっていることを
申し訳なく思っていた。
「いいよ、今までも作ってたし一人分も二人分も変わらないから。」
「でも、片付けと掃除はお願いね。」
そう言って笑った。


そんな風に二人の時間は穏やかに過ぎていっているように思えた。


いつものように櫻井が勤務先の病院へ行く準備をしていると
「今日、釣りに行くから帰らないかも。」
大野が嬉しそうにそう言った。
「え?また?」
確かこないだ行ったばかりだったような、そう思いついそう答える。
「うん、今いいのが釣れるんだあ。楽しみに待っててね。」
釣りが趣味な大野は楽しそうにそうウキウキしながら言う。

一緒に暮らし始めてもう一つ分かったことがある。
それは大野の趣味の深さだ。
とことんのめり込むタイプらしく趣味のない櫻井にとって
それは羨ましさを通り越し寂しさを感じていた。

最近は旬の魚がいるとのことで家を空けることが多く
櫻井にとっては非常に寂しく思っていた。
そこでつい
「最近、釣りばっかじゃない?仕事は大丈夫なの?
たまには家で大人しくしていたら?」
強い口調で言ってしまう。

その言葉を聞き明らかに大野は不機嫌になる。
「もう、約束しちゃっているから。」
そう言って自分の部屋に入ってしまった。

しまったとは思ったが自分も仕事に行かなくてはいけない時間のため
気にはなったが仕事に出かける。
仕事先から時間のあるときに謝罪のメールするが返事はない。

釣りに行ってしまっているときは圏外になってしまう事もあり
返事がない事は今までもあったので気にはなってはいたが様子を見る。

仕事が終わり家に戻るがやっぱり大野はいなかった。
寂しく一人でご飯を食べる。
「智。」
一人、いない人の名前を呼ぶ。
こんなに一人でご飯を食べるのが寂しいとは。
もう大野のいない生活は考えられなかった。
そして趣味を満喫している大野と自分との違いを感じ寂しく思っていた。


そして翌日にはいつものように魚を土産に帰ってくるものだと思っていた。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。