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山コンビ大好き。

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きらり

Love Situation 7

2018-04-20 10:57:40 | love situa...




すみません。
これとは別に少しの間だけ下書きの下書きの思いついただけの
めちゃくちゃな文章をのせてしまいました。
見てしまった方、忘れてください…。






美しく、整った顔


完璧なスタイル



周りは綺麗な人で溢れかえる。






大学時代から始めたモデルの仕事は徐々に実を結び
最近では大きな仕事も舞い込むようになってきた。


華やかな世界
華やかな人々
華やかな生活。


それは考えられない位の才能とセンスと人と力と金が動く世界。


でもその世界で生き残れるのはほんの一握り。
心を許せる人なんてひとりもいない。
心を許せる瞬間なんて一時もない。


そしてそれを選んだのは自分自身。


だから後悔なんてない。





でも。


時々。


疲れる時がある。
少しだけ疲れ切ってしまう時がある。






だから。






「智はホント植物みたい」

「え? 」


そう言うと、意味が分かんないって顔をして
不思議そうにこちらを見る。


「俺にマイナスイオンを与えてくれる植物」

「変なの」


そして、やっぱり意味が分かんないって顔をして
くすくすと可愛らしく笑う。


だからその姿が見たくて
その姿に癒されたくて


その人に会う。











智は高校の同級生だった。


好きだけど、大切な友達。
友達だけど、好きな人。


いつも一緒にいた。
一緒に笑って、ふざけて。
智の笑顔が見られるだけで幸せだった。
でもたまに落ち込んだ姿を見ると、一緒になって落ち込んで
泣きそうな顔を見ると、自分まで泣きそうになりながら励ました。


手をつないだり、肩を寄せ合ったり。
じゃれあって身体をくっつけたり、顔を近づけたり。
一緒にいられるだけで幸せだった。
周りはキャーキャーうるさかったけど、全然気にならなかった。


でも時々あまりの仲の良さにやっかみをうけたり嫌がらせされたり、揶揄されることもあった。
でも全く気にならなかった。




ただ一つの事を除いては。




ある日智が頬を腫らして学校に来たことがあった。
どうしたのかと聞いても転んでぶつけたとしか言わない。
でもそれは嘘だとすぐに分かった。


その頬に残るうっすらと見える手のあと。
誰かに引っ叩かれたのだと思った。
誰なのかはわからない。
でも、学校にいる誰かだと思った。


そしてそれが自分の事を好きな人で嫉妬で事に及んだと知った時、怒りで全身が震えた。
彼女と付き合わないのは智とは何ら関係のない事なのに。
でも智はその子の事をかばい続けた。
彼女に何かを言おうものなら友達を辞めるとまで言われ
仕方なく智の言う事に従い、今後一切そういう事がないようにこれまで以上に目を光らせた。








智は普段おっとりしたマイナスイオンを発する植物みたいな人だったけど
本当は秘めたる才能をいくつも隠し持っている。そんな人だった。


文化祭ではキレキレのダンスを魅せ会場中を魅了したこともあった。
もともと目立つことが嫌いな智は嫌がっていたらしいが
どうしてもと言われ断り切れなくなって出たそのステージ。
そこで披露された智のダンスパフォーマンにざわついていた体育館内は一瞬にして静まり返った。


生徒も先生も他校の人もみんなその智から繰り広げられる
とても高校生とは思えない美しくもキレがあるそのダンスに魅せられる。
いつもののんびりした智からは考えられない姿。
圧倒的なダンススキル。
才能。集中力。跳躍力。表現力。
誰もが魅せられ、その後暫く智は時の人となった事を覚えている。
そんな中でも智は変わらなった。


もともと身体能力が優れていることは以前から知っていた。
さらっと片手をついただけで軽く側転をする。
バク転は何度だって続けてできたしバク宙側宙となんでもいとも簡単にこなした。
でもそんな凄い事をやってのけるのにそれを何とも思わない。
そんな人だった。


しかもそれだけではなかった。
絵が上手だったり字が綺麗だったり才能にあふれた人だった。
でも一緒にいてもそれを微塵も感じさせない自然体の智。
そんな智の事がずっと好きだった。







男だけど。





もう随分と前にとっくにフラれてるけど。


キスをしたら怒られたけど。


それでもずっと好きだった。


そしてそれは高校を卒業しても
大学生になっても
そして大学を卒業しモデルとなっても
毎日完璧なスタイルを持った綺麗な人に囲まれていても
美しい彼女がいても


それは変わる事はなかった。







そんな時に舞い込んだ同窓会の話。


智はあまり乗る気ではなかったけど無理やり誘った同窓会。
久々にみんなに会えるのも嬉しかったけどなにより智と会えるのが嬉しかった。


時々は会ってはくれていたけど、全然足りない。
もっと会いたい。もっと会いたい。
だからいい機会だとそう思っていた。





だからまさか。




それがこんな結果になってしまうなんて





思いもしなかった。














久々に見たその人は、少年時代特有の儚さと美しさから
より一層かっこよさを増し大人っぽく素敵な男性に成長していた。


高校時代、はっとするような美しさと華やかさを持ったその人は
大人の男性へと成長していた。
明るく染められていたその髪の毛は少し落ち着いた髪色へと変わり
その人の美しさをより一層際だたせる。
そして少年時代の華奢だった身体は大人のそれへと変わり
たくましさと美しさを兼ね備える。


その姿に一瞬時が止まる。




でも、と。




すぐに視線を外す。


見てはいけない。
その人の視線に入ってはいけない。
自分はその人に嫌われているのだ。
その人にとって空気のような存在でいなければならないのだ。




そう。



あの日から。



自分は自分の気持ちに蓋をしてきた。
二度と開ける事ができない箱の中に思いを閉じ込め
そしてカギをかけた。


学校内では空気のような存在となり
それは何年たとうとも変わる事はない。
密かに思っていた想いは頑丈な鍵がかけられた箱の中にしまいこみ
二度と開くことはないのだ。











高校、そして専門学校と卒業した俺は会社組織というものが苦手な事もあって
少しだけ働いた後フリーのイラストレーターとなった。
とは言っても名も知られていない俺にすぐに仕事が舞い込むなんてことはなく
バイトを探していた時、足腰が弱くなってきた伯父さんに
自分の店で働かないかと誘われた。


それは伯父さんが30歳の時に始めたバーで、
カウンターと小さなテーブル席を足しても数席しかない小さなバー。
そこには開店当時から変わらない年代を感じる装飾。そして音楽があった。
その落ち着いた店内が昔から凄く好きで昔からよく遊びに来ていた。
そして年代物の重厚な扉にはこれもまた開店当時から変わらず
訪れる客を知らせる鐘が括り付けられていた。


その中で自分の好きな音楽をかけ
お客にカクテルを振る舞い
そして客は静かにお酒を味わう。


そんな店内は伯父時代からの昔からの馴染みの客も多く
品があって都会の真ん中で静かなひと時を味わいにくる。









そこに。



彼が現れた。




カランと鐘がなって扉に視線を送ると


そこには彼がいた。




まさか。


なぜ?


どうして?


心臓が止まりそうになる。
胸が苦しくなって
静かに時を刻んでいた心が乱れる。


でも。


でもきっとたまたま入ったバーに偶然俺がいただけの話だ。


だから平静を装って客とバーテンとして振る舞えばいいだけの話だ。
彼だって間違えて入ってしまったもののそのまま帰る訳にはいかず
ここで酒を飲んでいるだけだ。
だからもうここには二度と訪れないはずだ。


だから一刻も早く帰ってくれるようにと、
そう願いながら何事もなかったかのようにバーテンとして振る舞った。







それなのに。


彼は現れる。


この場所に。


俺がいるのを知っているはずなのに。


何のために?


俺がここにいると分かっているはずなのに


なぜ今日もここに来るのか。






ずっと嫌われていた。
目が合えば睨みつけられた。
落とし物を拾っても迷惑そうな顔をして奪い取るように受け取った。
それほどまでに嫌いな相手がいるのになぜ?


あの日から自分の気持ちに蓋をして
やっと忘れようと。
もう忘れられると。
そう思っていたのになぜ心をかき乱すのか。


新手の嫌がらせなのか。
何かの罰ゲームなのか。


何かはわからないが平静を装い彼に接する。
彼はカクテルの名だけ言うと
ここの馴染みの客と同じように
俺が作りだすカクテルを静かに見つめ
そして差し出された酒を静かに飲む。







そんな日々が続く。






やっぱり新手の嫌がらせなのだろうか。
何かの罰ゲームなのだろうか。



最初は平静を装い静観し様子を見ていたがその何度も訪れるその姿に
心を乱され、そして苦しかった思いが蘇ってくる
好きだった気持ちを思い出し苦しくなってくる。
その一層格好よく素敵な男性へと成長している姿を見て辛くなってくる。




だから。


あの雨の日。


絶好のチャンスだと思った。


その日は朝から雨が降っていてほとんど客がいなかった。
時間も遅い。
このままもう誰も来ないだろう。


そう思った瞬間。


その人が現れた。


濡れてしまった服を彼女にでもアイロンをかけてもらっているのだろうか
綺麗にたたまれたハンカチで拭うといつもの席へと腰掛ける。
そしていつもと同じように静かに俺を見つめ
そしてカクテルを注文すると、静かに作り出されるその姿を見つめる。


静かな音楽とカクテルの作る音だけが店内に鳴り響く。


自分のかき乱され暴れ狂う心とは反対に


静かな時が流れる。


客は他に誰もいない。





だから告げた。




もうここには来ないでほしいと。






それなのに。





その人が



現れた。





暫くその姿を見せなくてほっとしていた。


心はまたゼロへと戻った。
動き出した胸の高鳴りはまた静かに時を刻みだした。




でも。



カランと客を訪れる鐘がなって



その扉に視線をおくると



そこにその人がたっていた。















おまけ。嵐にしやがれ





「あ~あ。とっちゃった」

「何不満そうな顔してんの?」


楽屋に戻るとニノがふうっとため息をついてそう言った。


「翔さんは嬉しそうですね。って、当たり前か。あんな翔くん翔くん言われたらね~」


そう言っていたずらっ子みたいな顔をしてくすくす笑う。


「そんなことねーよ」

「そうですか?」

「そうだよ。ま、心配ではあるけど、さ」

「ねー。何で番組をあげて取らせちゃうかな~
あんな勉強嫌いの人、ひとりだったら絶対取らなかったのに」

「ふふっ」

「まったく余計なことしてくれちゃってさ」


そう言って口を尖らす。


「余計な事って」

「だってそうでしょ、だいたいさスタッフも甘いんだよね。
だんだんなぜか大野さんを喜ばせよう喜ばせようっていう計画になっていくじゃん」

「そう?」

「そうだよ、しやがれだけじゃない、ひみあらのスタッフだってそうだったじゃん?
最初は釣りができて食べれるところ~なんてやってたのに
しまいには大野フィッシングクラブまで作っちゃてるからね。
どんだけ大野さんを喜ばせたいんだって話ですよ」


そう言いながらニノの愚痴は止まらない。


「まあ確かに」


そう言えば大野フィッシングクラブではいろいろグッズまで作っていたっけ。
それに番組が違うとはいえ今だってなにかと船に乗る企画が多い…気がする…。


「で、今回は船舶免許ですよ。しかも取れちゃってるし。取れちゃったら絶対乗るでしょ、船。
そしたらまた焦げパンになるでしょ? あの人」

「ふふっニノは色白の智くんが好きだもんね~」

「いや、アイドルとしてどうなんだって話です」

「ふふ、気を付けんじゃない?」

「いーや忘れるね、絶対」






「何してるの~?」


そんな話をしていたら、珍しくご機嫌な智くんがそう言って入ってきた。


「船舶免許なんて取ったらアンタがまた焦げパンマンになるって話です」

「え~ならないよ~」

「嘘おっしゃい、絶対になります」

「ニノ怖い~」

「ね、だから船乗る時はちゃんと日焼け止め塗って、帽子かぶって」

「ちゃんと見られるものとして自覚持ちなさいよ」

「ニノ怖い~」

「怖い怖いって失礼な。あんたがいけないんでしょ? いつも見境なく船に乗って真っ黒になって」

「翔くん~」


止まらないニノの説教に助け舟を求めんばかりに智くんがそう言ってくる。


「ほらほら智くんも気を付けるって言ってるから、ね」


ま、その姿も可愛いんだけどね。
そう思いながら何とかその場を沈めた。







「とれた~」

「おめでとう」


仕事が終わって久々に二人で過ごす時間。


「もダメかと思った」

「ふふ優秀な成績でしたが?」

「んふふっやっぱ俺ってやればできる子みたい」


そう言って嬉しそうに笑う。


「そうお母さんに言われてた?」

「うん。全然やらなかったけど」

「じゃこれで実証されたね」

「……」

「……ん?」


そう言うと急に智くんの顔がパーッと明るくなった。


「翔くん大好き」

「あ、ありがと」


そして満面の笑みを浮かべたかと思うと
ぎゅっと抱きついてくる。


よっぽど試験がプレッシャーだったのか。
受かったことが嬉しかったのか。
でも何より昔からなぜかダンスとか歌などで褒められるより
コンプレックスもあるのだろうか頭の事に関して言われる方が
嬉しそうな顔を見せていたような気がする。


「俺本当に船舶2級とれたんだよね?」

「うん、とれてたとれてた」

「嬉しい~」


そう言いながら腕をまわしぎゅっぎゅっと抱きついてくる。
その姿が可愛いなと思う。



でも。



「無理しないでね?」

「うん」

「天候をよく見て、最初は熟練の方々と一緒によく話を聞きながら
何かあった時は海上ではきっと携帯は無理だろうから無線を使って…」

「大丈夫、大丈夫。俺、ちゃんと勉強したんだよ? 船舶免許2級受かったんだよ?」

「そうだけど、さ」

「無茶しないから大丈夫」


やっぱり心配になってそう言うと、嬉しそうに答える。


そのあまりにも嬉しそうな顔を見ていたらスタッフが甘くなってしまうのも
仕方がないよなと思う。


こんなに喜んでもらえたら何でもしてあげたくなる。
嬉しそうな顔を見ていたらこちらまで嬉しくなってくる。
その顔が見られるのならなんだってしてあげたくなる。
人徳もあるのだろう、得な性分もあるだろう。
でもやっぱり智くんだからみんな喜ぶ顔が見たくなってしまうのだろうと思う。


でもやっぱりそうは言っても海。
陸上とは違って心配も尽きないし、お肌もやっぱり気になる。
そう言えばズムサタでの智くんは色白になっていて無茶苦茶可愛かった。
やっぱり色白だとこの人は美しさが格段に違う。
儚さと美しさが増してますます綺麗に見える。


真っ黒になって嬉しそうな智くんを見るのも嫌いじゃないけど
でも肌も気になるし、美しい智くんを見ていたい気もする。
そんな複雑さを少しだけ感じながらも
ぎゅっぎゅと抱き着いてくるその身体を抱きしめ返しながら
おめでとう、良かったねと言うと、うんと嬉しそうに笑って可愛らしくちゅっとキスをしてくる。


その可愛らしい姿を見ながら、
この嬉しそうな顔を見てしまったらもっと嬉しそうな顔を見たくなるのも
喜んでもらえたらもっと喜んだ顔が見たくなってしまいたくなるのも
幸せそうな顔を見たらもっと幸せそうな顔を見たくなってしまうのも
何かをしてあげたくなってしまうのも
やっぱり仕方がない事のように思えた。