
kan-haru blog 2010 丸の内地球市民ギャラリー
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衛星利用
宇宙航空研究開発機構では、衛星利用推進の一環として国内の実利用機関、国際機関などと協力して、社会に役立つ人工衛星の利用と促進に取組んでおり、地球観測衛星のデータを利用した環境問題や地図作成への取組の支援や、災害防止の防災システムの構築・運用を推進して国内外の大規模災害時に緊急対応など様々な分野での衛星利用を推進するための活動を行なっています。
地球観測画像特別展
同機構では、情報センターJAXAiから通じる東京駅地下通路の丸の内地球市民ギャラリー会場において、Ⅲ期に分けて陸域観測技術衛星「だいち」が写した宇宙から見る日本の「地球観測画像特別展」を開催してきました。同展のテーマは第Ⅰ期が「地球遺産(環境) ~宇宙から見る、私たちの宝物~」(091224開催)で、第Ⅱ期が「躍動惑星(健康)~宇宙から見る、人とだいちのいぶき~」(100220開催)で、第Ⅲ期が「日本空訪(観光)~宇宙から見る、美しい国 日本~」(100312開催中)が行われましたので、3月20日に見てきました。

宇宙から日本空訪展の展示場(左・中・右写真拡大)
第Ⅲ期開催の展示の内容は、日本各地の観光地、グリーン/エコツーリズム、まちづくりに焦点をあてた宇宙からの画像で、「歴史、伝統文化」に焦点を当てた「アート」や「情報」と、「時間の変化」(四季変化、経年変化)の表現をテーマにした画像が紹介されています。
地球観測衛星からの日本の画像を見ると、撮影時のリアルなそのままの風景が写され、四季の変化や経年変化の姿を比較して表現できる素晴らしい画像システムであると感心しました。

宇宙から日本を空訪する(左:宇宙から見た西日本、中:宇宙から見た東北、右:宇宙から見た北海道)
宇宙から見た日本は小さな島国で、美しい自然に恵まれた観光立国ですが、時には地震や台風などの自然災害などの被害に脅かされる環境にあります。

宇宙から見た日本は観光の島国(左:宇宙から見た沖縄、中:宇宙から見た富土山、右:宇宙から見た知床)
宇宙から京都を見ると、京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市に点在する17の寺社が世界遺産に登録されている歴史の古都で、これらの寺社を辿ると8世紀から17世紀の間に宗教・非宗教建築と庭園設計の中心地で日本の文化的伝統の創出地で歴史が見えます。
宇宙から東京を見ると、今から407年前の1603年3月24日(慶長8年2月12日)に徳川家康が征夷大将軍に任官されて江戸幕府が始まりました。江戸にはさまざまな祭がありましたが、幕府によりその行列が江戸城に入ることを許された祭は「天下祭」と呼ばれ、その代表的なものが神田祭と山王祭で華麗な装飾を競う山車を連ねての順行は、素晴らしい光景であったと伝えられていました。天下祭は、1889年(明治22年)を最後に、電線が妨げとなり行われなくなりました。
江戸幕府を開いて丁度400年となる2003年(平成15年)11月に江戸天下祭が開かれ、2年に一度開かれるようになりました(「イベント 江戸天下祭 江戸の風情と粋な山車と神輿が丸の内を巡行 その1、2」参照)。

宇宙から歴史が見える(左:宇宙から見た京都、中:宇宙から見た東京、右:宇宙から江戸天下祭を見る)
その他の展示品には、「だいち」からの情報により作成された地球儀や3次元表示立体模型の他、高精度デジタルの鉄道地図帳などが見られました。

衛星データを使用した地表の立体模型、地図、地球儀(左・中・右写真拡大)
地形図
・国土地理院1/25,000地形図
国土地理院の1/25,000地形図は精密で私たちの生活のあらゆるところで活用されており、日々変化する都市の様子や国土環境の変化などに応じて地図は更新されています。その更新の手法は、高度3~4.5kmの高さから航空機で数年毎に撮影した詳細な空中写真とともに、高度700kmから撮影する「だいち」の画像は広範囲なものですが、撮影頻度が46日に1回同じところを撮影できるため、都市の開発状況が継続して観測できます。そこで、国土地理院とJAXAでは迅速な修正作業を行うため、「だいち」のデータの利用研究を行って、最近では変化した部分のみを迅速に更新し、インターネットで配信されるようになってきましたので、今後は「だいち」のデジタル情報は大いに役立てられるものと思われます。

だいち撮影東京都心部映像から大田区西部拡大抜粋「(C) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)」
・ポータルサイトgoo地図
JAXAによるとポータルサイトのgoo地図では、「だいち」のセンサーAVNIR-2(アヴニール-2)、PRISM(プリズム)の画像をつなぎ合わせた日本列島の画像を利用しています。そこで、京急高架化工事で都市開発が進む大森町駅付近の地図を、各社地図を比較し列挙して見ました。
3社の地図ではgoo地図の更新が最も新しく、平和島第5踏切南から大森町駅までの高架橋の架設が見られ、大森町駅東側には新築マンションが示されています。この地図の状況から更新の時期は、2009年年初以降の頃と思われます。

大森町駅付近goo地図
・google地図
google地図は、京浜急行大森町駅が地上ホームの状態ですが、上り線ホームの中ほどに朝だけ使用の臨時改札口(「大森町界隈あれこれ 京浜急行の高架化 大森町駅付近(第6回)」参照)が見られます。下り線ホームの東側のマンションは建設前の状態であり、西側のほのぼの通りの旧恵ゑびす市場跡は更地になっているので、更新は2007年6月以降の頃と思われます。

大森町駅付近google地図
・Yahoo地図
Yahoo地図は、大森町駅東口が改造前の形態であり、ゑびす市場跡の建屋や商店店舗と大森町商店街取壊し第1号のラーメン店舗(「大森町界隈あれこれ 大森町商店街 京急高架化で大変貌 ラーメン屋さん閉店第一号」参照)が存在しており、下り線ホームの東側には旧来のアパート建屋が見え、2006年10月以前の頃の地形図です。

大森町駅付近Yahoo地図
都市開発が進んでいる地域では日々刻々と地形の変化が見られ、3社の地図を見ると変化の変遷が明確にわかります。印刷地図には発行の年月が記されており便利に活用できます。ポータル地図にも更新情報の記載をして頂ければとの希望があります。
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毎月1日付けのIndexには、前月の目次を掲載しております(3月分掲Indexへ)
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衛星利用
宇宙航空研究開発機構では、衛星利用推進の一環として国内の実利用機関、国際機関などと協力して、社会に役立つ人工衛星の利用と促進に取組んでおり、地球観測衛星のデータを利用した環境問題や地図作成への取組の支援や、災害防止の防災システムの構築・運用を推進して国内外の大規模災害時に緊急対応など様々な分野での衛星利用を推進するための活動を行なっています。
地球観測画像特別展
同機構では、情報センターJAXAiから通じる東京駅地下通路の丸の内地球市民ギャラリー会場において、Ⅲ期に分けて陸域観測技術衛星「だいち」が写した宇宙から見る日本の「地球観測画像特別展」を開催してきました。同展のテーマは第Ⅰ期が「地球遺産(環境) ~宇宙から見る、私たちの宝物~」(091224開催)で、第Ⅱ期が「躍動惑星(健康)~宇宙から見る、人とだいちのいぶき~」(100220開催)で、第Ⅲ期が「日本空訪(観光)~宇宙から見る、美しい国 日本~」(100312開催中)が行われましたので、3月20日に見てきました。

宇宙から日本空訪展の展示場(左・中・右写真拡大)
第Ⅲ期開催の展示の内容は、日本各地の観光地、グリーン/エコツーリズム、まちづくりに焦点をあてた宇宙からの画像で、「歴史、伝統文化」に焦点を当てた「アート」や「情報」と、「時間の変化」(四季変化、経年変化)の表現をテーマにした画像が紹介されています。
地球観測衛星からの日本の画像を見ると、撮影時のリアルなそのままの風景が写され、四季の変化や経年変化の姿を比較して表現できる素晴らしい画像システムであると感心しました。

宇宙から日本を空訪する(左:宇宙から見た西日本、中:宇宙から見た東北、右:宇宙から見た北海道)
宇宙から見た日本は小さな島国で、美しい自然に恵まれた観光立国ですが、時には地震や台風などの自然災害などの被害に脅かされる環境にあります。

宇宙から見た日本は観光の島国(左:宇宙から見た沖縄、中:宇宙から見た富土山、右:宇宙から見た知床)
宇宙から京都を見ると、京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市に点在する17の寺社が世界遺産に登録されている歴史の古都で、これらの寺社を辿ると8世紀から17世紀の間に宗教・非宗教建築と庭園設計の中心地で日本の文化的伝統の創出地で歴史が見えます。
宇宙から東京を見ると、今から407年前の1603年3月24日(慶長8年2月12日)に徳川家康が征夷大将軍に任官されて江戸幕府が始まりました。江戸にはさまざまな祭がありましたが、幕府によりその行列が江戸城に入ることを許された祭は「天下祭」と呼ばれ、その代表的なものが神田祭と山王祭で華麗な装飾を競う山車を連ねての順行は、素晴らしい光景であったと伝えられていました。天下祭は、1889年(明治22年)を最後に、電線が妨げとなり行われなくなりました。
江戸幕府を開いて丁度400年となる2003年(平成15年)11月に江戸天下祭が開かれ、2年に一度開かれるようになりました(「イベント 江戸天下祭 江戸の風情と粋な山車と神輿が丸の内を巡行 その1、2」参照)。

宇宙から歴史が見える(左:宇宙から見た京都、中:宇宙から見た東京、右:宇宙から江戸天下祭を見る)
その他の展示品には、「だいち」からの情報により作成された地球儀や3次元表示立体模型の他、高精度デジタルの鉄道地図帳などが見られました。

衛星データを使用した地表の立体模型、地図、地球儀(左・中・右写真拡大)
地形図
・国土地理院1/25,000地形図
国土地理院の1/25,000地形図は精密で私たちの生活のあらゆるところで活用されており、日々変化する都市の様子や国土環境の変化などに応じて地図は更新されています。その更新の手法は、高度3~4.5kmの高さから航空機で数年毎に撮影した詳細な空中写真とともに、高度700kmから撮影する「だいち」の画像は広範囲なものですが、撮影頻度が46日に1回同じところを撮影できるため、都市の開発状況が継続して観測できます。そこで、国土地理院とJAXAでは迅速な修正作業を行うため、「だいち」のデータの利用研究を行って、最近では変化した部分のみを迅速に更新し、インターネットで配信されるようになってきましたので、今後は「だいち」のデジタル情報は大いに役立てられるものと思われます。

だいち撮影東京都心部映像から大田区西部拡大抜粋「(C) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)」
・ポータルサイトgoo地図
JAXAによるとポータルサイトのgoo地図では、「だいち」のセンサーAVNIR-2(アヴニール-2)、PRISM(プリズム)の画像をつなぎ合わせた日本列島の画像を利用しています。そこで、京急高架化工事で都市開発が進む大森町駅付近の地図を、各社地図を比較し列挙して見ました。
3社の地図ではgoo地図の更新が最も新しく、平和島第5踏切南から大森町駅までの高架橋の架設が見られ、大森町駅東側には新築マンションが示されています。この地図の状況から更新の時期は、2009年年初以降の頃と思われます。

大森町駅付近goo地図
・google地図
google地図は、京浜急行大森町駅が地上ホームの状態ですが、上り線ホームの中ほどに朝だけ使用の臨時改札口(「大森町界隈あれこれ 京浜急行の高架化 大森町駅付近(第6回)」参照)が見られます。下り線ホームの東側のマンションは建設前の状態であり、西側のほのぼの通りの旧恵ゑびす市場跡は更地になっているので、更新は2007年6月以降の頃と思われます。

大森町駅付近google地図
・Yahoo地図
Yahoo地図は、大森町駅東口が改造前の形態であり、ゑびす市場跡の建屋や商店店舗と大森町商店街取壊し第1号のラーメン店舗(「大森町界隈あれこれ 大森町商店街 京急高架化で大変貌 ラーメン屋さん閉店第一号」参照)が存在しており、下り線ホームの東側には旧来のアパート建屋が見え、2006年10月以前の頃の地形図です。

大森町駅付近Yahoo地図
都市開発が進んでいる地域では日々刻々と地形の変化が見られ、3社の地図を見ると変化の変遷が明確にわかります。印刷地図には発行の年月が記されており便利に活用できます。ポータル地図にも更新情報の記載をして頂ければとの希望があります。
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