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kan-haruの日記

大森町界隈あれこれ(L34) 大森町の社寺 堀の内三輪神社

2006年10月11日 | 大森町界隈あれこれ 社寺
堀の内三輪神社は、京浜急行電鉄の大森町駅近くの大森警察署付近から、第一京浜国道と枝分かれして南々東に伸びる産業道路との中間(地図参照)にあり、蒲田に近接する大森町の南端部にあります。堀の内三輪神社の近辺は、旧東海道(第一京浜国道)が三原通り(「大森町界隈あれこれ(N31) 大森町風景 旧東海道(三原通り) その1」参照)からはしり、500m以内に中世に開創された密乗院や大林寺があり、また三輪厳島神社や八幡神社もあります。

このあたりは、旧東海道の間中の宿の大森宿があったところで、近くには梅屋敷の梅園(「大森町界隈あれこれ(N32) 大森町風景 梅屋敷公園」参照)、常備薬の和中散を売る店、麦藁細工を売る店、梅びし・梅干の売店や海苔茶づけの茶店などがあり、このあたりは古くから開けておりました。寛永年間(1624-44)に創立したといわれる三輪神社は、村人からの信心も厚く堀の内の鎮守様として祀られてきたものと考えられます。しかし、残念ながら今は何も面影は残っておりません。

堀の内三輪神社
堀の内三輪神社(航空写真参照)は、1915年(大正4年)に近くの貴船神社と天祖神社を合祀して小字堀の内の鎮守となり、祭神は大国主命、天照皇大神、高麗神、菅原道真が祀られております。
大森には、長くおりますが、なかなか他地区の鎮守様にはお参りする機会がありませんでしたが、10月7、8日が例祭でありましたのでお賽銭をあげてきました。


堀の内三輪神社(地図参照)へは、京浜急行大森町駅の南隣の梅屋敷駅(「大森町界隈あれこれ 京急駅シリーズ(1) 梅屋敷」掲載予定)から向かいます。現在、高架化工事(「大森町界隈あれこれ(P30) 京浜急行 京浜急行の高架化(その1) 」参照)で足元の悪い梅屋敷駅を降りると、駅の東方向に第一京浜国道が見えますので、交差点を渡り梅屋敷東通り商店街を産業通りに向かって東に進むと、中間点あたりで左側に大林寺「(大森町界隈あれこれ 大林寺」掲載予定)を過ぎて、次の四つ角を右折して暫く南進すると左手に見えてきた、角地の神社が堀の内三輪神社です。
神社の入り口は、角を左折すると鳥居があり、入って右手が本殿です。本殿と並んだ右に、末社の北村神社があり、祭神の北村大人が祀られております。また、末社の右手前には、地元に残る大森海苔採取に関する口碑伝承を伝える碑が建立されております。参考に、名碑の内容を巻末に記載してあります。

堀の内三輪神社祭礼
当日は、祭礼で角地のお囃子やぐらで、祭り囃子の景気をつけておりました。なお、神社の裏口は、角地を右折しないで、直進すると左側に本殿の裏から社務所へと直進できます。
この付近には、祭りの祭壇お神酒所奉納者芳名板などがありました。
神輿殿には、大人神輿と子供神輿が鎮座しており、反対側の仮設演芸奉納舞台の脇には山車が待機しておりました。

東海道の常夜灯
旧東海道の常夜灯(「大森町界隈あれこれ(L32) 大森町の社寺 谷戸三輪神社秋の例祭」参照)は、今の谷戸の交番付近に建てられておりましたが、1923年(大正12年)の関東大震災では、灯篭が倒壊して破損し、その後東海道を拡幅して第一京浜国道が建設の時に、堀の内三輪神社に移転されました。その後、1986年(昭和61年)には三輪神社の社殿の改築のため、移転する必要を生じ大田区教育委員会に寄付されました。教育委員会では、前方の八幡神社(大森中3-3-8)の神前燈籠が、この燈籠を模して建立したと伝えられていたところから、それを参考にして火袋、竿石といった中間部分を復元し、大森西図書館前に保管されております。

北村神社由来
当社は、大森海苔養殖業に特に功績のあった北村石見守を祀り、当地の海苔養殖業者の崇敬するところとなっております。
本場浅草海苔の中心となった当地の海苔養殖業は、今より二百八十有余年前の天和二年、当大森村字堀之内の野口六郎左衛門が有志と計り、幕府より海苔篊(ひび)建の免許を請け、その基礎が確立されたのでありますが、その後文政三年九月二十二日境界紛争から、海苔篊建場を全面的に改めるという海苔養殖史上最悪の事態を招いたのであります。
このような危機に際し、当大森村の窮状を理解し、海苔養殖業継続の決断を考えたのが北村石見守であり、村民の崇敬するところとなったのであります。かくてその尽力を徳とし永く祀ろうと、同氏の烏帽子(大東亜戦争で消失)を請い受け、神社を建立したのが当社の起源であります。
尚、現在の社殿は昭和三十六年九月堀之内の海苔業者と有志の手により再建されたものであります。
  行く水や何にとどまる海苔の味    其角
昭和四十二年九月一日

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