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kan-haruの日記

風景・風物詩 初詣風物詩 穴八幡神社と放生寺 その3

2008年01月13日 | 風景・風物詩
kan-haru blog 2008

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穴八幡神社の初参りを済ませ、参道を戻り出口の馬場下町交差点の早稲田通りは、1854年(嘉永7年)頃の地図では「放生寺門前」と称して、この辺りは通称「融通虫封じ観世音」を御本尊とする穴八幡宮に隣接して放生寺があり、江戸の時代より夜泣きや疳の虫の祈祷霊験あらたかな寺として多数の老若男女の参詣がありました。

放生寺は穴八幡の造営に尽力し、その別当寺として開創された寺で、神社境内に建てられました。江戸の昔は寺社の区別無く、1868年(明治1年)の神仏分離令により穴八幡と放生寺は分離分割されたものです。
冬至の日から節分に、穴八幡では一陽来復お守りを授受しますが、放生寺では一陽来福のお札を配布します。
穴八幡宮に参詣後、隣接の放生寺のお参りをしてきました。

放生寺
放生寺へは、馬場下町交差点交番前の諏訪通りが、現在穴八幡宮の工事中で見渡せませんが、数10m西へ進んだところが入口の参道です。参道の坂道を上がって行くと、右側に本堂があります。

                      放生寺参道

放生寺(新宿区西早稲田2-1-14 地図参照)は、寺名が威盛院光松山放生寺(こうしょうざん ほうしょうじ)と称し、宗派は高野山真言宗準別格本山で菩提樹と同宗で、1641年(寛永18年)に、高野山で修行を積んだ威盛院良昌が社僧として招かれ開創され、本尊は聖観世音菩薩が祀られております。

              放生寺本堂                     お水舎

・一陽来福お札
江戸天保年間より放生寺に伝わる秘法を、厳修し一部の信徒に授与したのが始まりで、時代の変遷により今日の様に多数の信徒に授与するようになりました。
授与された方たち全てに沢山の「福」が来る様に、観音経の結びの「福聚海無量」の「福聚(あつ)むること海の如く無量なり」と言う偈文より「福」の字を取り「一陽来福」と名付けられました。
お札は、一家の居間か、商売先の部屋に毎年定められた恵方に向けて冬至、大晦日、節分の何れかの深夜0時に貼ります。

                       (写真拡大)

・修行大師像
境内の左手前には、弘法大師空海(774~835)の若き日の修行時代の姿の修行大師立像が鎮座しています。大師様が42歳の厄年の時に四国を巡錫されたのに因み、立像は「厄除け大師」としても親しまれております。
敷石の下には、四国八十八カ所霊場全てのお寺のお砂を敷いてあり、左より時計回りでご宝号「南無大師遍照金剛」と、お唱えになり巡られますと四国八十八カ所をお参りすると同じ功徳を受けられと云われてます。

・神変大菩薩
修行大師像の奥に建立の神変(じんべん)大菩薩は、別名役の行者(えんのぎょうじゃ)、役の小角(えんのおづぬ)と云い、634年(舒明6年) 奈良県葛上郡茅原村(現在の御所市茅原)の高賀茂家に生まれ、幼少の頃から博学であり仏教特に密教を信仰され、修験道の開祖として仰がれておりました。
神変大菩薩は、没後千年以上の後の1799年(寛政2年)に、当時の光格天皇から送られた「諡号」であり、当時の民衆から長きに亘って厚い信仰を受けていたかが判ります。
神変大菩薩が山岳信仰の第一人者であり、山野を駆け巡って修行されたことに由来し、今日では特に足腰の弱い方をお救い下さると云われております。

     (写真拡大)            (写真拡大)           (写真拡大)

・地蔵菩薩と馬頭観音菩薩
神変大菩薩の奥には、右に二体の水掛け地蔵菩薩と左に馬頭観音菩薩が鎮座しています。右側の地蔵菩薩は、左手に蓮華寶珠、右手に錫杖を持つ僧形で鎌倉時代、民間信仰にとり入れられ賽の河原で童児の救済者として子育地蔵、子安地蔵の名で古くから信仰されております。
左側の馬頭観音菩薩は、観世音菩薩化身の内、唯一の忿怒像であり怒りが強い程、内には人を救う慈悲の心も大きく、また馬は大食いであるということから人々の煩悩を喰べ尽くすと言われてます。また、「馬頭」という名称のゆえ、あらゆる畜生類を救う観音であるとも言われてます。
地蔵菩薩参考:「風景・風物詩 地蔵菩薩公開 薬師寺東京別院宝物のお地蔵さま拝観」参照

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