かわたれどきの頁繰り (小野寺秀也)

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(74)――朝日歌壇・俳壇から(2021年9月12日~11月21日)

2021年11月21日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

リンゲルのかわりに煮沸の海水を点滴せしと知る原爆忌
       (諫早市)藤山増昭  (9/12 永田和宏選)

この人が寄り添うことなどありえぬと誰もが思った広島の朝
       (高崎市)小島文  (9/12 永田和宏選)

巨いなる災害伝承館建てど街には十年住む人もなし
       (福島市)青木崇郎  (9/12 馬場あき子)

10年も住めないままのあの町に収穫の無い秋がまた来る
       (南相馬市)佐藤隆貴  (10/3 永田和宏選)

原爆死の父は机上で笑みており娘(こ)が米人になりしを知らずに
       (アメリカ)大竹幾久子  (10/10 永田和宏、佐佐木幸綱選)

この国で「九一一」が語られてかの国語らぬ「八六」「八九」
       (三沢市)遠藤知夫  (10/10 高野公彦選)

「核兵器禁止条約」には触れずテレビで喋る総裁候補ら
       (近江八幡市)寺下吉則  (10/24 永田和宏選)

捨て方のよくわからないゴミがある家の中にも発電所にも
       (西海市)田川育枝  (10/24 永田和宏選)

解散し公示になってもあの区域選挙カーさえ行けない区域
       (南相馬市)佐藤隆貴  (11/7 永田和宏選)

五十年原発拒みロケットの発射場建つ旧古座町は
       (奈良市)矢尾米一  (11/21 佐佐木幸綱選)

 

 

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