かわたれどきの頁繰り (小野寺秀也)

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(63)――朝日歌壇・俳壇から( 2020年6月28日~8月30日)

2020年08月30日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

「ステーホーム」できずに避難した人が十六万人いた原発禍
       (福島市)青木崇郎  (6/28 高野公彦選)

忘れてはいぬかと千基ものタンク立ち続けてるトリチウムの鬱
       (福島市)美原凍子  (7/5 高野公彦選)

認知症と死亡で二人をうしないて四十七人になったロス支部被爆者
       (アメリカ)大竹幾久子  (7/26 高野公彦選)

燃料棒抱いて妖しくゆらめきぬ冷却プールの青き静謐(せいひつ)
       (霧島市)久野茂樹  (7/26 永田和宏選)

トリチウム分離技術も安価なる放出案にはかなわないのか
       (福島市)青木崇郎  (8/2 永田和宏選)

除染後に敷かれた硬い土塊(つちくれ)へ緑おいたつとうとう九年
       (福島市)米倉みなと  (8/2 佐佐木幸綱選)

原発の壊れた建屋そのままに歳月だけが流れる福島
       (三郷市)木村義熙  (8/16 馬場あき子選)

七十五歳(ななじゅうご)を引けば少年少女なり「黒い雨」を訴えし人ら
       (大和郡山市)四方護  (8/30 高野公彦選)

 

しみじみと福島しのぶ田植歌
       (福島県伊達市)佐藤茂  (6/28 長谷川櫂選)

今朝走る一番電車爆心地
       (高松市)島田章平  (8/30 長谷川櫂選)

 

 

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