かわたれどきの頁繰り (小野寺秀也)

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(71)――朝日歌壇・俳壇から( 2021年5月23日~6月6日)

2021年06月06日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

この町で生まれたんだぞこの町で生きていくんだ泣きながらでも
       (南相馬市)佐藤隆貴  (5/23 永田和宏選)

原発に溜まる一方の「汚染水」を海に流すに「処理水」と呼ぶ
       (交野市)遠藤昭  (5/23 永田和宏選)

処理水と言い換へらるる汚染水大きく開く鮟鱇(あんこう)の口
       (村上市)鈴木正芳  (5/23 永田和宏選)

福島だべ辺野古の土砂と同じだべ寄り添うと言う日本政府
       (所沢市)風谷螢  (5/23 馬場あき子選)

プラゴミが浮遊している海洋にまもなく始める処理水投棄
       (長野市)関龍夫  (5/23 馬場あき子選)

「処理水の放出」と言い「汚染水の遺棄」とは言わぬ為政者は
       (観音寺市)篠原俊則  (5/23 高野公彦選)

「処理水」を放出するしかできぬのに美浜3号機再稼働する
       (観音寺市)篠原俊則  (5/30 馬場あき子選)

20キロ南は誰も住めぬ町朝日射しても起きる人なく
       (南相馬市)佐藤隆貴  (5/30 高野公彦選)

見出しには赤字の文字がいっぱいで帰還困難区域の文字は
       (南相馬市)佐藤隆貴  (6/7 永田和宏選)

 

汚染水海に放つな初鰹
       (東京都)橋本栄子  (5/30 長谷川櫂選)

 

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