たあまご たまご パチンと割れて

大きなたまご 小さなたまご 色々なヒナが出てきます。たまごが産まれる巣は滋賀県草津市です。

エッセイ教室「拍手」

2012-02-09 23:19:59 | 中から 小説 絵本 随筆
2月9日(木)時々冷え込みが厳しいです。

 エッセイ教室がありました。今日のお題は「拍手」です。 はくしゅですが、かしわででも構いませんでした。私は、先日観た映画の感想を書きました。

「心からの拍手」
 
 先日、滋賀県聴覚障害者福祉協会後援会主催の映画会「アンダンテ」を観た。この映画は、聴覚障害者のための字幕つきだった。洋画には字幕があり、聴覚障害者にも、楽しむことができるが、邦画にはない。最近の優れた邦画を鑑賞したくてもできない。 
 「アンダンテ」のあらすじは、対人恐怖症で引きこもりの主人公の千華が、千葉の農家で自分自身を見つけるというものだった。四季の美しさと、農業に従事する青年との心の交流が感動的だった。
 四季の美しさには、折々の音があるということをこの映画で再認識した。春の小川のせせらぎ、日光のきらめく音、稲や植物の芽吹く音、梅雨のアジサイの葉を濡らす雨音、カエルの鳴き声、夏のセミの声、夕立、秋の稲穂に風がそよぐ音、冬の木枯らしの音、雪の降り積もる音、それらの総ては字幕では伝えられない。ラストシーンで千華がピアノで弾くパッフェルベルのカノンは字幕では、ただの音符のマークが出るだけだった。
 それなのに、映画が終わると会場は溢れんばかりの拍手の渦が沸き起こった。聴覚障害者も健常者も、多くの人たちが、拍手を送った。心からの拍手だった。
 字幕付映画「アンダンテ」を観終ったあと、健常者である私は、耳をすますこともせず、目を見張ることも怠り、自然の移ろいに心を動かさなくなってしまっている自分を恥じた。心でものごとを見て、音を聴いて、感動し、心から拍手ができるような感性を磨きたい。

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