元京都市会議員鈴木マサホ「ひとくち日記-日々是好日」

鈴木正穂の身辺雑記として「ひとくち日記」を復活。人生100歳時代。コロナに負けないでどこまで書き続けられるか。

2泊3日の議員団他都市調査で、淡路市、上勝町、高知に   6月16日ー17日

2014年06月20日 | 日記
●6月18日(水)

   <議員団で高知県は佐川町「土佐の森・救援隊の取り組み」とは  

 朝9時前、バスで高知市から30分ほど。高知県の佐川町に。NPO法人「土佐の森・救援隊の取り組みについて、代表の中嶋建造氏が熱弁。昨年の秋の当選された若き堀見和道佐川町長からご挨拶も。
 林業再生と中山間地域再生のキーとして「自伐型林業」のこの間の試みと大切さについて、民主党政権時代やこれまでの森林組合など事業者に委託する施業委託型が林業を疲弊させてきたことを批判して、林業が伐採業になってしまい、地域のためになっていなくて災害の原因になっていることなどを述べ、ボランティアの参加者も得る中での自伐型林業の必要性を訴えられ、その取り組みの成功例を話していただいた。
 この自伐型林業とは森の所有者が林業に従事することはもちろん、研修を終えた退職者や若者でもアルバイト感覚で林業に従事して、伐採から販売まで加わることで、収益も十分に得られるとのこと。住宅などの活用されない木材は、バイオエネルギーとして薪ボイラーを販売促進することも含めて活用もされ始めて、地球温暖化対策にもなる。就業者の拡大、地域振興、自立する地域エネルギーの構築も目指せるという。熱い想いが伝わってきたお話でした。

 振り返ってわが左京の北部山間部は、どうか。京都市も緊急雇用対策事業としても人材を投入してきたし、また地元の関係者も色々と努力をしてきているが、「自伐型林業」の取り組みを参考にすることも必要ではないか、と思いながらおよそ2時間の講演を聞いていた。いちど産業観光局の農林振興室のメンバーと議論してみたいね。
そして議員の仕事を辞めたら、また行ってみようかな。

 ところで、この佐川町は、高知の銘酒「司牡丹」の産地であり、植物学者の牧野富太郎の生誕の地で、人口は1万3千人で文教のまち。ゆっくり散策したかったなあ。

 昼過ぎ、高知市内に戻り、「ひろめ市場」で高知名産の昼食。「リョーマの休日」の旗がなびいてた。
帰途は、小雨に煙る高速を徳島、鳴門、淡路島、山陽道、名神を通って無事に予定通り、午後6時半に市役所着。5時間で帰ってきた。高知まで早く行けるようになったね。
 駆け足での議員団の他都市行政調査、収穫は大いにあったが、ちょっと疲れたよ。

●6月17日(火)

    <「葉っぱの町」徳島県は上勝町に>

 朝、淡路は福良から鳴門海峡を渡り徳島市から山間の道を一路、「葉っぱの町」上勝町(かみかつ)に。勝浦川をさかのぼるとビワがなり、ミカン畑もあるが、渓谷に入っていくと、京都の北山より山が深い。渓谷の間に点在する住居があり、ゼロ・ウェイスト宣言(ゴミゼロ運動)や葉っぱビジネス「いろどり」などで有名。
 富司純子さんらも出演していた映画「 人生、いろどり」もテレビで見てたので、以前から視察に行きたかったところ。ようやく実現できた。人口1800人、うち人口 1200人 60歳以上 なお80歳以上が400人の高齢化のまち。
 
 月ケ谷温泉というところが交流センターにもなっていてそこを会場にして株式会社「いろどり」のスタッフ、谷健太さんから説明を受ける。彼は同志社の商学部出身で銀行に勤めた後、Uターンしてきた青年。
要は、高齢者の女性を中心として、四季折々の葉っぱを和食を彩る「つまもの」として販売してビジネスとして成功を収めた事業。外国人女性が制作した映像を見た後、始まりからここに至るまでの経過や今後の課題などについて話してもらう。
昭和56年の大寒波によりミカンの木が全滅。農協職員の横石知ニさんが、大阪の「がんこ」で、女性客が「つま物」の葉っぱを大切に持ち帰る姿を見て、ひらめいたとか。全国の市場や料理店に営業に出かけて、上勝町でとれる、モミジをはじめ様々な葉っぱを丁寧にパックに詰めて、インターネットを活用して注文が入るのを発送するビジネス。
 現在では年商2億を超えるという。高齢者のおばあちゃんらがタブレットやパソコンを駆使して受注を受けて、葉っぱを採集している姿をみると感動するね。200人ほどの住民が登録しているとか。和食がユネスコの無形文化財に登録されたこともあり、海外からも注文があるそうだ。ぼくらのような視察に来る団体も多くて年間250件とか。山間部にある小さなまちの地域振興の成功例。お昼はこんにゃくの刺身とアマゴのてんぷらなど。

     <木質チップボイラで温泉を>
 
 食事の後は、小雨の中、その交流施設の上にある木質チップボイラーを見学。この温泉は谷から流れる冷泉を熱して風呂に入れるのだが、その熱源が、木質チップボイラー。オーストリア製のボイラー2基を環境省の交付金で設置。1億3千万円とか。冬場は施設の暖房にも活用している。残灰は、農家に無料で配布、また藍染にも活用されるという。また重油よりも安いという。京都では、京北でストーブ用のペレット工場があるが、今度見に行こう。

     <ゼロ・ウェイスト宣言(ゴミゼロ運動)の町、上勝町>

 それから、ゼロ・ウェイスト宣言(ゴミゼロ運動)の拠点、ゴミステーションの見学に。NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーの担当者から現場で説明を受ける。上勝町議会がごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)宣言を議会全会一致で可決したのは10年前。もともとはごみの処理は野焼きで行われていたが、平成9年頃からビン、缶などの分別が行われていたが、小型焼却炉を設置してまたすぐに廃炉にして以来、現在2020年には、ゴミをゼロにしようと34分別を実施中。

 ちなみにその品目。1 アルミ缶、2 スチール缶、3 スプレー缶、4 金属製キャップ、5 透明びん、6 茶色びん、7 その他のびん8 リサイクルびん 、9 その他のガラス瓶・陶磁器・貝殻、10 乾電池 、
 11 蛍光管、12 蛍光管(壊れた物)、13 鏡・体温計、14 電球 、15 白色トレイのみ、16 古布、17 紙パック、18 段ボール 、19 新聞・折込チラシ、20 雑誌・コピー用紙
 21 割り箸、22 ペットボトル、23 ペットボトルのふた、24 ライター 、25 ふとん・毛布・絨毯・カーテン・カーペット、26 紙おしめ・ナプキン、27 廃食油、28 プラスチック製容器包装類、29 どうしても燃やさなければならない物、30 廃タイヤ・廃バッテリー、31 粗大ごみ、32 家電製品(テレビ・エアコン・洗濯機・冷蔵庫)、
 そして、33 生ごみ(各家庭で資源化する)34 農業用廃ビニール・農薬びん等(農協等が収集するもの)の合計34品目。
 福祉的に回収されることもあるが、住民が自ら持ち込み、自分で分別箱に入れるのだ。重要な書類はシュレッダーにかける作業も自分でやる。ゴミの行く先や売れる価格の表示もある。ポイント制度も導入。施設では臭いもしない。
 また隣接して、不要になった鯉のぼりなどを鞄などの商品にして販売する「くるくる工房」や不要な本や台所用品、人形、おもちゃなどが置かれた交換コーナーの施設もあり、必要な人が持ち帰ることもできる。但し、何キロの物か書くことが必要だが。この上勝町のゼロ・ウェイスト宣言は海外にも知れてきて、評価が高いという。この心意気や、見習わないと!
段ボールやその雑紙を結ぶ紐は紙でできていてそれを販売しているという徹底ぶり。初めて見たよ。価格も表示されていて、説明もきちんとされているね。多くを学ぶ視察になりました。で、京都も雑紙回収が始まったが、市民の意識が問われる。

 その後。高速道路を吉野川沿いに走り、雲が流れる四国の山深いトンネルの続く高速を走り高知市に着いたのは午後5時。夕食は、高知に伝わる伝統的な「可杯(べくはい)」と「菊の花」というお酒を飲ませる遊びを披露してもらい、盛り上がったのです。まあ、色々な伝統芸があるんですな。ペギー葉山の唄った南国土佐の夜は更けるのでした。仕上げは、「はりまや橋」近くのラーメン屋で「しじみラーメン」。美味かった!

●6月16日(月)

     <民主都みらい議員団で他都市調査、大阪府庁に>

 今日から2泊3日でマイクロバスでの議員団の視察。議員団の一行は8時に市役所前を出発し大阪市役所に向かったが、ぼくは、野暮用で事務所にて来客の応対して、京阪電車に乗って1時に大阪城のところにある大阪府庁で一行と合流。

 今の某知事はきらいだが、大阪府庁に入ったのはもう20年ぶりかな。視察のテーマは、「コミュニティ・ソーシャル・ワーカー(CSW)の配置」について。セーフティネットワークづくりのシステムとして大阪府が各市町村に交付金を出して、生活困窮者などの自立を援助するコミュニティ・ソーシャル・ワーカーを中学校区に一人を配置する施策。
 各自治体が実施主体となり、社会福祉協議会が中心となって実施しているようだが、大阪府が直接的に関わっていないので話のリアリティはイマイチ。
1時間ほどの説明と質疑の後、マイクロバスに同僚と乗り込み、明石海峡を渡り淡路島は淡路市に。

     <淡路市の事業仕分とは>

 野島断層がある北淡町や津名町、一宮町が合併してできた人口5万人のまち。この淡路市でのテーマは市民判定に方式で行われている「事業仕分け」について。副議長さんもわざわざご挨拶に来ていただいた。
 民主党政権時代の事業仕分けに触発されて、市長が職員の意識改革も大きな目的として始まったという。説明してくれた担当者がざっくばらんな人で、担当者もそのやり取りに緊張するなど内輪話を含めて面白かった。ここでも「構想日本」が取り仕切り、そこに市民判定人が参加してジャッジをする制度。傍聴者が100人を超えているのが興味深い。
 不要や凍結の評価がされる事業もあるのは、もちろんのこと。それを予算に反映させるもの住民の声もあり至難の業のようですね。わが民主・都みらい議員団では、今年も秋に「事業仕分け」やりますよ!

 夕方、南あわじ市は福良に到着。忙中閑あり、夕食までの間、海釣りに興じる同僚4、5人。成果は某議員が釣りあげた小さな魚、一匹のみ。ご苦労さんでした。久しぶりにゆっくりお湯につかって英気を養いました。同室の某議員の鼾、ぼくもすごいけれどええ勝負でした。
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