お帰りなさい。
山を始めたころからニリンソウが好きでした。
寄り添いながらさやさやと揺れるニリンソウを見つめていると、心の中にも春の風が吹き渡るのを感じました。
学生時代、徳沢で過ごしてから、その想いはさらに強くなりましたが、ここ数年、会えない年が続いていました。
今年も天候不順や体調不良であきらめかけていましたが、梅雨入り後、6月最初の週末、奇跡のように晴れの予報。
もう遅いかなと思いながらも、今年は花の時期が遅れてるみたいだから、ひょっとしてと、一縷の望みを抱いて信州へ車を走らせました。
向かったのは「戸谷峰(とやみね)」。
松本から上田に向かう国道254号線沿いに登山口があります。
三才山トンネル の手前にある「帯所橋」の手前に7~8台停められる駐車スペースがあります。下山した時には写真の様に満車状態でしたが、朝7時の時点では2台でした。
この駐車スペースがいっぱいの時には、少し松本寄りの「三才山出合ドライブイン」に停められるようです。
でもトラックが多い幹線道路を歩くので、登山口に近い帯所橋のスペースに停めた方が安全です。
帯所橋の駐車スペースから「野間沢橋」手前の登山口まで200mくらい。
鉄製の階段を上がると、最初は少しガレた道を歩きます。
やがて新緑とお花の気持のいい道になります。
この山には整備された登山道はなく、送電線鉄塔の巡視路を歩かせてもらいます。
ルート標識等はありませんが、巡視路の標識があります。山頂までNo.71~73の3つの鉄塔に沿って歩きます。
分岐には黄色の標識があるので間違える心配はないと思います。
No.71鉄塔まで1時間少し。鉄塔を真下から見上げることはあまり無いので、新鮮でした。
鉄塔と鉄塔の間は15~20分。休憩にちょうどいい間隔です。
No.73鉄塔を過ぎて、やっぱり、もう咲いてないのかなとあきらめかけたとき・・・
あっ!
そこには、春の妖精 たちが舞い踊っていました。
夢のような光景でした。
見渡す限り、ニリンソウのお花畑です。
ニリンソウたちが風に揺れながら、待ってたよとささやきかけてくれました。
山頂直下までお花畑は続きます。
ニリンソウを踏まないように足元に集中して登ると、急に視界が開けます。
わぁ・・・。
戸谷峰山頂(1,629m)からは北アルプスに手が届きそうです。
梅雨の晴れ間、妖精たちとアルプスの峰々に会えた私の心にも、心地よい風と明るい光が届きました。