旅と酒とバッグに文庫本

人生3分の2が過ぎた。気持ちだけは若い...

日奈久温泉から阿蘇へ

2013年08月28日 | 



水俣病資料館を出てから、せっかく館内で引いた汗がまた吹き出る。
今日は実に天気が良いというか、暑すぎる。
こんなことなら、曇りや雨の方が良かった。

知覧の「特攻平和会館」の時のように
館内で長居をしたせいで、お昼時を過ぎようとしていたので
実にお腹が減ってきた。
3号線をしばらく北上しながら、食べ物屋を探す。
しばらくして「どさん子ラーメン」の看板。
しかし、1時を過ぎているにも関わらず、駐車場が一杯なので
そのまま通り過ぎる。
だが、知覧での「隼ラーメン」のことがあり、しばらくしてUターンする。
本当にかなり前のことだが、「どさん子ラーメン」はよく食べていたし
味噌も醤油も、塩も美味かったので、こんどこそ美味いラーメンをと
思わずUターンした次第である。
店の前まで引き返したものの、やはり駐車場は一杯で
仕方なく空きが出るまで待つことにする。

なんとかクルマを停め、店内に入る。
客も一杯で美味そうな臭いに釣られ、醤油ラーメンの大盛りを注文する。
クーラーの効きが良くないのか、店内は暑い。
カウンター席しか空いてなかったのでカウンターに座ったのだが
目の前で麺を茹でる湯気が上がるせいで、ムンムンしている。
ここに入ったことを少し後悔する。
出来上がったラーメンを見て絶句。
大盛りではなく普通にしておけばよかった。
全部食えるかなと思いつつ一口頂く。
再び絶句。「うっ、不味い」
なんともはや、出汁が効いてないのか醤油の味しかしない醤油ラーメンである。
「どさん子はこんなに不味かったっけ?」
以前はとても美味しかったように思ったのだが
ボクの舌が肥えたのか、本当は不味かったのか、この店が不味いのか
そんなことは解からないが、はてどうしたものか。
無理やり麺だけをすする。
スープはほとんど飲まずに、なんとか食べきる。
なんかしら、ついてないなぁ~、ラーメンに関しては。
もう止めた。しばらくラーメンは食うまいと思う。

日奈久温泉を通り過ぎる。
しかしここもまたUターンして、温泉街に入ってみる。
なぜか阿蘇に近づきたくない気分。
多分、阿蘇まで行ってしまうと、いつもの日帰りコースになってしまう感じ。
阿蘇は、いつものドライブコースなのだ。











日奈久の温泉街は、ずいぶんと鄙びている。
土産物屋が何軒か並んでいるが、竹細工の古い店が何軒かと
竹輪やさつま揚げを売っている店がほとんど。
旅館も廃業した建屋が何軒か目に付く。
行き当たりに「ばんぺい湯」という、新しい温泉施設が出来ていた。
クルマを駐車場に停め、カメラ片手に街を歩く。





「ばんぺい湯」に浸かろうかと思ったが、まだ昼の2時過ぎなのと
あまりにも暑いので、やめておくことにした。
温泉は阿蘇の地獄温泉に行くつもりであった。
しばらく温泉街を歩くと、随分と古い建物が目に付いた。
しかも立派で、威風堂々といった感じの古屋である。
「金波楼」と書いてある。
とても感じのよい玄関で奥には黒光りのする階段が見える。
中に入り「ごめんください」と言ってみるが誰も出てこないので
失敬ながらあちこち写真を撮り始めた。
しばらくすると若く美人の女性が出てきて「いらっしゃいませ」と仰るので
「すみません、あまりにも立派な建物なので勝手に写真を撮らせていただきました。
こちらは、ご料亭でしょうか、それともお宿でしょうか?」
「旅館なんですよ。お泊りになられますか?」
「ちなみにお宿代はいかほどでしょう?」
「1泊2食付で13800円からございます」
「今日はお部屋は予約無しで大丈夫なんですか?」
「はい、大丈夫です」
構えの割にはそう高くないので、ここに泊まろうかと思ったが
「でも、ボク一人なんですが、一人だともう少し高くなるんでしょう?」
「そうですね、お一人様ですと16000円くらいになりますでしょうか」
「ん~、そうなるとちと贅沢だなあ~。貧乏旅行ですからね」
「結構お一人の方もいらっしゃいますよ」
「でも今夜は阿蘇まで行って泊まるつもりですから、次回にカミさんでも連れて
二人で来ましょう」というと、即座にパンフレットを持って来てくれた。
嫌な顔ひとつ見せず、感じのよい応対で、本当に次回はカミさんを連れて来ようと思った。
勝手に室内を写真に撮ったことを詫びながらも、もう少し写真を撮らせて貰って外に出た。
外の暑さが身に染みる。
古い建屋の中はかなり涼しかったのがわかる。

その他にも面白そうなというか、泊まってみたい旅館がいくつかあった。
日奈久という地名を頭に叩き込んで、阿蘇へと向かうことにした。
たぶん阿蘇の地獄温泉には夕方5時過ぎに到着できるであろう。


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