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千里の道も一歩から

スギ花粉、ダニに対する舌下免疫療法

2018年02月22日 | 医療情報

スギ花粉症の季節です。

スギ花粉などが引き起こすアレルギー性鼻炎は「季節性アレルギー性鼻炎」、ダニ、ハウスダストなどで一年中鼻水、鼻詰まり、くしゃみなどのあるものを「通年性アレルギー性鼻炎」と言います。

症状を和らげる根本的な体質改善が期待される舌下免疫療法として、以下のものがすでに12歳以上で保険適応となっています。

スギ花粉症に対して:「シダトレン(鳥居薬品)」2014年10月~

スギ花粉症のアレルゲン免疫療法薬 シダトレンスギ花粉舌下液

ダニアレルギー性鼻炎に対して:「ミティキュア(鳥居薬品)」、「アシテア(塩野義製薬)」2015年11月~

ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬 ミティキュア ダニ舌下薬

今年2月よりダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療剤のミティキュアが5歳以上の小児へ追加承認となりました

ミティキュアはダニを原料とするエキスから作られた薬で、少量から毎日服用することで体を慣らし、ダニアレルギー性鼻炎の症状を和らげるものです。

さらに今年中(5月以降)には、スギ花粉に対する舌下免疫療法で現在使われている液体の「シダトレン」に加え、錠剤の「シダキュア」発売が控えています。

スギ花粉症のアレルゲン免疫療法薬 シダキュアスギ花粉舌下液

「シダキュア」は錠剤なので常温保存でよく、シダトレンでは2分だった舌下に保持する時間も1分に短縮されます。

そして何よりも年齢制限が撤廃され、小さなお子様からお年寄りの方までスギ花粉症に悩む多くの人々へ幅広く使えるようになるようです。

しかし、これまでスギ花粉に対するシダトレンを中学生でトライしていますが、ほとんどのお子さんが飲み忘れが多く継続を断念しています。

スギもダニも最低3年間の服用期間が推奨されており、5歳以上の小児が適切に舌下に投与し、毎日継続出来るのかはやはり疑問が残ります。

朗報ばかりと喜んではおられず、しっかり服用を継続させるための根気強い医師側の努力もかなり必要と思われます

ちなみにスギ花粉症に対する「シダトレン」を新規に開始される方は、スギ花粉の飛散が落ち着く6月からとなりますのでご注意下さい。


スギ花粉飛散し始めました!

2018年02月17日 | 医療情報

平昌五輪も日本人のメダリストが続出してきたことで盛り上がってきましたぁ

特に怪我から復帰した羽生くんの華麗なる滑りには世界中の多くの人々が魅了されたはのでは

インフルエンザの流行はやっとピークを越え、かなり減少してきています。

それと入れ替わるように花粉症の症状を訴える人が多くなってきています

関東地方の今シーズンのスギ花粉飛散量は、例年並みかやや多い程度ですが、昨シーズンと比較すると1.5~2倍程度多い予想です。

2018年の花粉の飛ぶ量は?(前シーズン比)

2月15日には東京都心で最高気温が15℃超え暖かくなり、ついに東京でも花粉の飛散が開始したようです。

鼻がムズムズし、目がしょぼしょぼしてきたら、花粉症の始まりですので抗アレルギー薬の内服薬、点眼薬、点鼻薬などを開始しましょう


インフルピーク越えな感じでしたが...

2018年02月09日 | クリニック情報

先週までは発熱を主訴に受診される9割方がインフルエンザの迅速検査で陽性が出ていましたが、先週末くらいからインフルンザ検査での陽性率はだいぶ減少してきています。

小児科ではいわゆる風邪の発熱、咳、鼻汁が多く、その他胃腸炎、アデノウイルス感染症、溶連菌感染症なども散見されます。

しかし、本日(2/10)の小児科地方会での国立感染症研究所感染症疫学センターS先生の「感染症だより」によると、先週はまだピークではなくまだ増え続けているとのこと

全体ではB型が50数%程度、あとはA香港型(H3N2)とA2009パンデミック型(H1N1)が半数くらいで流行中。

今年のインフルエンザは小児の脳症や高齢者の肺炎などの合併症による入院が多いのも特徴のようです。

インフルエンザワクチン不足で予防接種をしていなかった人が多かったことが、今年の過去最大の大流行に影響しているのかは今後の調査待ちのようです

すでに一度インフルエンザに罹患しても、今後違う型にもかかる可能性があるのでもうしばらくは予防などの徹底が必要です

A型とB型は全く違う感染症という認識を持ってください

平昌オリンピックもいよいよ開幕し、フィギュア・スピードスケート、スキージャンプ、スノーボードなど日本選手の活躍が楽しみです。

怪我から復帰後の羽生くんのスケーティングやレジェンド葛西のジャンプなどは特に気になりますよね

平昌オリンピックのマスコットは「白虎(スホラン)」と「ツキノワグマ(バンダビ)」

北朝鮮の話題に負けないよう感動的な冬季五輪になることを期待してTV観戦したいと思います

一方、こちらはラグビーワールドカップ2019日本大会のマスコット...

名称は「レンジー:Ren-G」

親子の獅子で、白が親のレン、赤が子供のジー

センスが良いのか悪いのかなんだか分かりません

由来(以下公式HPより引用):
古来より幸福を招き邪悪を退けるとされてきた想像上の聖獣、獅子は日本文化に能や歌舞伎の連獅子であったり、獅子舞であったり、狛犬であったりと様々な形で表れてきた。この日本に古来より住んでいる精霊が、ラグビーワールドカップの日本そしてアジア初開催決定をきっかけにラグビーとそのコア・バリューと出会って生まれたのが、レンジーである。このために外見は、顔がラグビーボールの形になっていて、外見には連獅子や獅子舞に似た部分もある。信頼を元にチャレンジ(困難)を乗り越えるレンジーの姿は連獅子の物語、そしてラグビーに共通するものである。

とにかくラグビーワールドカップ2019日本大会も成功を祈るのみです


加熱式たばこも危険性あり

2018年02月03日 | 医療情報

数年前から加熱式たばこは「煙が出ない」、「有害性が低い」、「室内の空気を汚さない」などを謡い文句に若者を中心に流行しています。

以前は時々しか見なかった風景も、最近は太いボールペンのような器具を口にくわえている人を多く見るようになりました

現在、葉タバコを直接加熱しないプルームテック(JT)、葉タバコを直接加熱するアイコス(フィリップス)、グロー(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)の3種類が国内で販売中。

煙が出ない、においが少ないなど紙たばこより安全なイメージが先行しているようで、ある調査では「加熱式たばこを喫煙だと認識していない人」が以外と多いことが報告されています。

確かに紙たばこと違って煙モクモクではないので、全くたばこを吸わない人にとってもなんとなく喫煙ではないのかなぁと思ってしまいますよね

しかし、加熱式たばこには紙たばこ同様「ニコチンをはじめ、ホルムアルデヒドなどの発がん性物質」が含まれていることはすでに報告されています。

産業医大のO教授の「加熱式たばこの使用時には本当に煙が吐き出されていないのか?」という研究報告では、3種すべての加熱式たばこで、口から2~3mまでエアロゾルは飛散し、口元30㎝の測定でそのエアロゾルの濃度はPM2.5に換算して2,000μg /㎥に達していたとのこと

環境省では、都道府県などの自治体が住民に対して注意喚起をするための「暫定的な指針となる値」を「1日平均値70μg/㎥」と定めています。
これはPM2.5濃度がこれを超えると健康影響が生じる可能性が高くなると考えられる濃度水準です。

厚労省は、加熱式たばこは受動喫煙による健康影響は明らかでないが煙に有害物質が含まれるとして規制対象とする「受動喫煙対策を事業者らに義務付ける健康増進法改正案」の素案を先日公表しました。

愛煙家には耳の痛い話ですが、これからラグビーW杯2019、東京五輪・パラリンピック2020など国際大会が待ち受けてこともあり、受動喫煙という立場から加熱式たばこも規制対象にしなければいけない世界的な潮流のようです