11月21日にロタウイルス胃腸炎を予防するワクチン「ロタリックス」が発売されました。
日本におけるロタウイルス胃腸炎は毎年約120万人が発症しそのうち8万人近くが重症化のために入院しています。なかには急性脳症などで死亡する例もあります。
今年はまだ気温が高めのためか流行していませんが、毎年冬~春にかけて流行が見られます。
このロタリックスは重症ロタウイルス胃腸炎の発症を90%以上予防する主要流行株を含んでおり、かなりの有効性が期待されるワクチンです。
ロタウイルスの病原性を弱めてつくられた経口生ワクチンで、甘いシロップ(メープルシロップ味)で、1回分がチューブ式の小さな容器に入っており、それを赤ちゃんに飲ませて接種します。
接種時期: 生後6週~24週
2回目の接種は、1回目の接種から4週間以上あけることになっているので、1回目の開始は少なくとも20週までに開始する必要があります。
また腸重積の発症を高める可能性から24週を過ぎた場合の接種は勧められません。
接種回数・料金: 4週間以上あけて2回接種、1回14.000円(税込)
主な副反応: ぐずり(7.3%)、下痢(3.5%)など
注意点) ワクチン接種後1週間程度は便中にウイルスが排泄されますが、弱毒化されたウイルスなので排泄されたものから胃腸炎を発症する可能性は低いことが確認されています。しかし念のために1週間程度は便の取り扱い後は手洗いなど注意して下さい。
2回接種するといつまで有効なの?
入院が必要な重症のロタウイルス胃腸炎は、生後6週~23か月の乳幼児が中心であり、2歳までの検討では重症化を防ぐ高い効果は確認されています。発売元の担当者の話では終生免疫が得られるんじゃないかとのこと
赤ちゃんに飲ませるので、せっかく接種したワクチンを吐き出すことも懸念されますが、1回接種量1.5mlのほどんどを吐き出さない限り効果はあるので、接種後5分~10分以内に大半を吐き出した場合のみ再投与を検討することになっています。
注射する方が投与方法としては確実で吐き出すことも考慮すると、投与する側に再投与のリスクがあるワクチンとも言えますね
とても高価なワクチンなので、すべての赤ちゃんが接種できるよう早く公費助成して欲しいものです
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