都教育庁、上野千鶴子氏(女性学)の講演を拒否/都教委情報メールニュース

2006-01-13 20:12:24 | 教育

東京都国分寺市が、都の委託で計画していた人権学習の講座で、上野千鶴子・東大大学院教授(社会学)を講師に招こうとしたところ、都教育庁が「ジェンダー・フリーに対する都の見解に合わない」と委託を拒否していたことが分かった。

┏━━ http://blog.livedoor.jp/suruke/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ◇◆ 都┃教┃委┃情┃報┃メールニュース◇◆ 第17号 2006年1月12日
     ━┛━┛━┛━┛━┛
                  発行:「日の丸・君が代」強制に反対する
   (※転送・転載歓迎※)           市民運動ネットワーク
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今日は東京都教育委員会の第1回定例会でした。早速、「中間報告」がホーム
ページにアップされています。
 ⇒「日本の伝統文化に関する教育推進会議」中間報告について
  http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr060112n.htm

 今回は最近の新聞報道や「ジェンダーフリー」関連を中心に編集しました。


▼ 目 次
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【1】 都教育庁、上野千鶴子氏(女性学)の講演を拒否
【2】  ジェンダーフリー批判の八木秀次氏、
      男女同宿等の「実例」には根拠がないことを認めた?!
【3】 最近の産経新聞より
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■1 ▼ 都教育庁、上野千鶴子氏(女性学)の講演を拒否
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 「ジェンダーフリーに触れるかも」という理由で、都教育庁が上野千鶴子氏
(女性学)の講演を拒否していたことが分かりました。

   -----------------------------------------------------------------
ジェンダー・フリー問題
都「女性学の権威」、上野千鶴子さんの講演を拒否
  ◇用語など使うかも… 「見解合わない」理由に拒否--国分寺市委託
 http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/women/news/20060110dde041040009000c.html
 (毎日新聞 2006年1月10日 東京夕刊)

 東京都国分寺市が、都の委託で計画していた人権学習の講座で、上野千鶴子・
東大大学院教授(社会学)を講師に招こうとしたところ、都教育庁が「ジェンダー
・フリーに対する都の見解に合わない」と委託を拒否していたことが分かった。
都は一昨年8月、「ジェンダー・フリー」の用語や概念を使わない方針を打ち出
したが、上野教授は「私はむしろジェンダー・フリーの用語を使うことは避けて
いる。都の委託拒否は見識不足だ」と批判している。
(以下、略)
  -----------------------------------------------------------------

 記事によれば、
>都教育庁生涯学習スポーツ部は「上野さんは女性学の権威。講演で『ジェンダー
>・フリー』の言葉や概念に触れる可能性があり、都の委託事業に認められない」
>と説明する。

とのことです。

 2004年8月26日、都教委は「今後は、『ジェンダー・フリー』という用語は使
用しない」という見解をまとめ、都立学校長宛ての通知も出しています。
 通知では、男女混合名簿についても、「『男らしさ』や『女らしさ』をすべて
否定するような誤った考え方としての『ジェンダー・フリー』に基づく男女混合
名簿を作成することがあってはならない」としています。

※2004年8月の通知等については、ホームページにまとめてありますのでご覧く
ださい。
   HP版:東京都・国立市の教育>
   【都教委】 ジェンダーフリー全廃、男女混合名簿禁止へ?!
     http://tokyo.cool.ne.jp/kunitachi/kyouiku/gender.htm

◆参考サイト◆
あんころ(教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会)>
「男女混合名簿」続ける?やめる 都教委通知で波紋
  http://www.kyokiren.net/_news/news29
「ジェンダーフリー」教育現場から全廃 東京都、男女混合名簿も禁止
  http://www.kyokiren.net/_news/news13


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■2 ▼ ジェンダーフリー批判の八木秀次氏、
      男女同宿等の「実例」には根拠がないことを認めた?!
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 反「ジェンダーフリー」、「行き過ぎた男女同一化」批判の言説でよく事例と
してあげられるのが、「ジェンダーフリーは男女同室着替えを推進している」と
いうものです。
 実際、各地の学校で男女同室着替えの事例はありますが、これは「ジェンダー
フリー」の結果ではなく、「更衣室の未整備」が原因と思われます。

 「ジェンダーフリー」の推進者としてしばしば批判の的となっているのは、日
教組(日本教職員組合)や性教協(“人間と性”教育研究協議会)ですが、実際
には「更衣室も一緒」ではなく、むしろ「更衣室の整備」を主張しています。

 「新しい歴史教科書をつくる会」の八木秀次会長は、「修学旅行での男女同室
宿泊」「男女同室着替え」などの「ジェンダーフリー教育の実例」をあげて批判
してきた一人です。2003年、鹿児島県議会でも自民党県議が八木氏の著書から
「実例」として引用しています。

 鹿児島県の地元紙「南日本新聞」(03年8月5日付)は、「情報源」をさかのぼり
事実を検証しています。記事によると、執筆者らが直接確かめた話ではなく、一
緒の着替えの話は、問題にされた高校で「一度、急いだ女子が同じ教室で着替え
た例があっただけ」、男女同室の宿泊は「報告がない」(東京都教育庁)、騎馬戦
については東京都女性財団の作成したビデオにあるとされていたものの、騎馬戦
ではなく、一般的な「組み体操」だったことを明らかにした、とのことです。


・・・と、ここまでは、以前、ブログでまとめたことがありますが、
南日本新聞(06年1月6日【考現鏡】)の「説明責任」と題されたコラムで続
報が載っているようです。(私自身は記事全文を確認できていないのですが)、
八木氏があげていた「実例」は、伝聞や週刊誌報道によるもので、学校などの当
事者には一切確認していない、ということを八木氏が認めたようです。


◆過去記事◆
 ジェンダーフリーは「着替えも一緒」ってホント?
 http://blog.livedoor.jp/suruke/archives/17335186.html
 (2005年03月27日 ブログ版 東京都・国立市の教育)

◆参考サイト◆
八木秀次氏、男女同宿など実例の“非を認めた” 
  http://fightback.exblog.jp/3338656/
  館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会(略称:ファイトバックの会)


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■3 ▼ 最近の産経新聞より
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 産経新聞のホームページには、「教育を考える」というコーナーがあります。
 国旗国歌、教職員組合、教科書、ジェンダーフリー、などの記事が「充実」し
ています。最近の記事をピックアップして紹介します。

 ◆産経新聞 教育を考える◆
  http://www.sankei.co.jp/databox/kyoiku/kyoiku.html

 

道教委に住民監査請求 札教研問題(2006.01.12)
 http://www.sankei.co.jp/databox/kyoiku/teacher/060112teach.html

脱寛容指導「ゼロトレランス」 文科省が検討開始(2006.01.09)
 http://www.sankei.co.jp/databox/kyoiku/etc/060109-3etc.html

主幹教員、全国に配置 主任制廃止(2006.01.04)
 http://www.sankei.co.jp/databox/kyoiku/teacher/060104teach.html

子供の犯罪被害 略取・誘拐が全体の77%(2005.12.29)
 http://www.sankei.co.jp/databox/kyoiku/etc/051229etc.html

山教組問題 県教委に異例の「指導」(2005.12.28)
 http://www.sankei.co.jp/databox/kyoiku/teacher/051228teach.html

 ⇒山梨県における教育公務員の政治的行為等に係る指導通知について
  http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/17/12/05122802.htm
  (平成17年12月27日 文部科学省)

扶桑社教科書の不採択運動 中核派、深く関与(2005.12.27)
 http://www.sankei.co.jp/databox/kyoiku/text/051227text.html

性差否定の教育、各地で「排除を」(2005.12.25)
 http://www.sankei.co.jp/databox/kyoiku/etc/051225-1etc.html

札教研業務従事 「公務扱い」は問題 文科省(2005.12.24)
 http://www.sankei.co.jp/databox/kyoiku/teacher/051224teach.html

性教育 小中155校に苦情(2005.12.23)
 http://www.sankei.co.jp/databox/kyoiku/etc/051223etc.html

全小学校に警備員配置 さいたま市、3学期から(2005.12.22)
 http://www.sankei.co.jp/databox/kyoiku/etc/051222-3etc.html

山教組研究所の研修名目専従 県教委、違法に命令(2005.12.22)
 http://www.sankei.co.jp/databox/kyoiku/teacher/051222teach.html

山教組、教員研修派遣中止へ(2005.12.21)
 http://www.sankei.co.jp/databox/kyoiku/teacher/051221teach.html


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 代」強制に抗する各地域・団体などの取り組みをつなげていこうと、2001年1
 月につくられました。総理大臣宛ての署名提出、教育委員会への申し入れなど
 行ってきました。

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1 コメント

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米国式貞操教育を猿真似...。 (田仁)
2006-01-14 15:57:17
米国式貞操教育を猿真似する事が、「米国≠世界」「米国≦世界」との当たり前の常識を持つ、良識ある日本人を含む世界中に人々にとって、どれ程珍妙で馬鹿馬鹿しく見えるのか、都庁や八木氏らにはまるで認識されていないのが、ある意味悲劇だし、洒落にならない喜劇でもある。
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