マーク・ダナー「ブッシュの戦争の虚実」②/TUP速報598

2006-04-13 19:17:22 | アメリカ
帝国にまつわり、この政権の特異な点は、支配力の重視にあるだけでなく、単独行動主義にもあります。これは孤立主義の裏面です。経済的なものであれ、政治的なものであれ、あらゆる国際協調は、そして国際法は、最も強大な国家にとって、いかんともしがたい邪魔になるという考え方です。
ガリバーに巻かれた紐のイメージですね。彼らは、『米国安全保障戦略』200
5年版のなかで、対抗勢力は、「国際フォーラムや司法手続き、テロリズム
《*》」などの弱者の戦術を用いて、わが国に挑戦しつづけていると言って
います。テロや非対称的な戦争事態を、国際法と同列に並べて、アメリカの
圧倒的な力を殺〈そ〉ごうとしている点で同じようなものだとしているので
す。これは、国際法や国際機関に向きあうときの姿勢の表れであり、ここで
思うのですが、米国のかつての慣わしからの、現実的な、また劇的な断絶で
す。わが国の歴史には、たしかに近年には、彼らに比肩しうるものはまった
く存在しません――これほどに過激であると言える政府は、他には皆無で
す。
http://www.globalsecurity.org/military/library/policy/dod/nds-usa_mar2005_ib.htm

【TD】彼らは実に極端なアメリカ国粋主義者です。もっとも、この言葉は
この国では禁句ですが。

【ダナー】ほんとうです。しかも彼らは、この強大国アメリカ信仰を、排外
主義と言ってもいい国際機関不信に結びつけています。これが、対外政策の
姿勢に見る、トルーマンのアメリカとこの体制との違いです。彼らは国際機
関をテロと同列に置くのです――つまり、弱者の武器です。

【TD】大量干渉兵器ですね。

【ダナー】付言しておくべきでしょうが、私の見解では、ネオコン主導の時
代は明らかに終わろうとしています。いずれにしても彼らが常に完全に支配
していたという印象は間違っていますし、ネオコン前衛集団は、イラクの大
失敗によって――アメリカの圧倒的な力という彼らの前提が事実に反すると
判明したので――だれが見ても落ち目になりました。ナポレオンに、銃剣を
使えば、やりたい放題だが、イス代わりだけは無理という意味の傑作な警句
があります。軍事力はものを吹きとばしたり、破壊したりするのには、役立
ちます。だが、新しい秩序を構築するのには、役立ちません。イラクに恒久
的な秩序を構築するためには、もっと大きな力や技量、それに根気が必要で
す。米国はこれに足りる力をもっていません。技量にも欠けていますし、忍
耐力がないのは周知のとおりです。さて、悪の枢軸の一角が占領されていま
すね――これは、北朝鮮とイランの自由(攻撃からの自由、それにたぶん核
兵器を作る自由)を拡大する道を開くために、捨て石になった枢軸の構成国
と考えてもいいでしょう。この数か月ほど、米国はイランをむしろ如才なく
扱ってきたとは思いますが、それでも拙い手を使っています。いずれにして
も、お隣のイラクでの不幸な事態のために、また、その事態によってイラン
の立場が強化された状況のために、今となっては、この国に対して軍事力を
行使するのはまったくの論外です。

【TD】ここでためらうのですが、こういう人たちが壁に追いつめられると
すれば、ばかげてるように思えるでしょうが、イランが攻撃されるというシ
ナリオを、あなたの目の前で組み立てて見せてもいいのではないかと思いま
す。

【ダナー】このことにまつわる私たちの見解の相違点は、政権の極端な理不
尽さについて、どれほど想像力を逞しくする気があるか、これだけにかか
わっています。現時点でイランを取り巻く情勢を検討しますと、彼らが採り
うる種類の軍事力、つまり空爆による攻撃のプラス面と、そのような行動に
踏みこんだ場合のマイナス面とは、あまりにも途方もなく釣り合いが取れな
いと明白に見受けられるので、彼らがそういう手を打つだろうとは、私には
考えることさえできません。

スキャンダル凍結の時代

【TD】現在のアメリカのご時勢を、あなたは「スキャンダル凍結」の世界
として語られました。おもしろい表現です。あなたがこのフレーズをはじめ
てお使いになったとき、私たちはダウニング街メモ・スキャンダル《*》騒
動の渦中にありましたが、なにも起こりませんでした。今、私たちは、NS
A[国家安全保障局]やその他のスキャンダルにどっぷり漬かっています
が、なにも起こっていません……
http://www.tomdispatch.com/index.mhtml?pid=3602

【ダナー】氷山はプカプカと通りすぎていきます。あのフレーズを使ったの
は、周知の事実になったスキャンダルの経過は、一連の予期される段階を踏
んで、結末に行き着くと指摘しておくためでした。かつての場合、第1段階
として、報道によって不正行為が明るみに出たのですが、これはたいてい政
権内部からのリークがあったからです。第2段階として、しばしば議会との
連携のうえで、法廷が事件を吟味するのですが、審理はたいてい公開の場で
進められるので、私たちはスキャンダルの公式見解版を知ることになりま
す。ウォーターゲートやイラン・コントラ疑惑、その他の事件で私たちはこ
のような経過を見ました。そして最後に、第3段階として、法廷や議会が罰
を課すことになるのですが――贖罪によって、社会はある種の平安の境地を
回復し、ご覧、私たちは不正を糾〈ただ〉した、これでまた前に進めるとば
かりに胸をなでおろします。現政権にまつわって、拷問や違法な盗聴、国内
スパイ行為、在留外国人の逮捕に関連するありとあらゆる類の職権濫用、戦
前における大量破壊兵器をめぐる水増しとウソの所説、イラクにおける途方
もない縁故主義と腐敗が発覚しています。まだまだ、あるでしょうね。だけ
ど、公的機関による究明が続きません。

【TD】発覚と連発ですね。

【ダナー】そう、発覚と連発です。イラクを侵略し、占領してから3年たち
ましたが、諜報機関はイラクの大量破壊兵器保有を確信していると示唆する
目的で、政府が情報を悪用した手口を解明するための、公的機関による調査
はおこなわれていません。その結果、いま私たちは、新聞や雑誌、書籍で広
く伝えられた、これらのスキャンダルにまつわる知識を胸に抱えて、毎日を
生きていますが、不正行為に対する公的機関による認知を知ることはない
し、懲罰も期待できないでいます。幕引きのさい、たぶんほんの一握りの人
たちが罰せられるでしょう……

【TD】……小物ばっかり……

【ダナー】……捕まるようなドジを踏んだのは――例えば、アブグレイブの
デジタル写真にわが身を晒した憲兵隊員でした。尋問方針の変更に責任があ
る、当の政策立案者たちはなんの罰も受けないでしょう。現に、今も在職し
ています。捜査の手は彼らにまったく届いていません。じっさいに尋問に手
を下していた人たちについてすら、私たちにはほとんど分かっていません。

【TD】あなたは何人かの尋問者たちに面接なさったのではありませんか?

【ダナー】そうです。どんなことがおこなわれていたのか、そのいくつかに
ついて説明を受けました。スキャンダル凍結の時代の大きな問題は、すでに
知れわたっていた事実の確証を、まるで糸紡ぎ車のように繰りだしているう
ちに、一般市民の怒りを呼び覚ます暴露の効果がどんどん薄れていくことに
あります。国民は慣れきってしまうようになり、次には堕落してしまうので
す。

【TD】イヤなことを言ってみます。2006年11月の選挙は未曾有の汚
いものになる可能性が大ですが、民主党がほんとうに連邦議会両院のひとつ
で主導権を握り、追及をはじめるとすれば、究明凍結の時代に突入すると思
います。政府は最高司令官の権限を言いたてるでしょう。

【ダナー】的確な予測です。話がハリケーン・カトリーナ災害対策やNSA
の盗聴におよぶと、すでにブッシュ政権は、共和党が主導する、きわめて弱
腰の委員会に対して鉄壁の守りを固めています。民主党がじっさいに連邦下
院の支配権を握り、実のある追求に取りかかるとしても、ひとつには、20
08年大統領選挙での自党の勝ち目を危うくするのを恐れるあまり、非常に
及び腰になるでしょう。同時に、追及の手を完全に縛ることになる最高司令
官権限を言い立てる声の大合唱が予想されます。

【TD】今日、プレイム事件[*]にまつわる記事のなかに、こういうくだ
りを見つけました。「チェイニーの広報官は、漏洩に対する捜査が続行中で
あると言って、この件に関してコメントしようとしない。広報官は名を明か
すのを拒んだ」
[政府高官筋がCIA要員の身元情報を漏洩したスキャンダル]

【ダナー】(笑う)守秘広報官ですね。

【TD】そこで秘密があり、虚偽があり、三つめには、以前にあなたが指摘
なさったのですが、奇妙きてれつな率直さ《*》があります。これについ
て、あなたに話していただけないものかと思っていました。
http://www.tomdispatch.com/index.mhtml?pid=2949

【ダナー】どんなものでも、彼らが国の安全を名目にしておこなった行為に
話がおよぶと、政権の内部には――否定し、黙秘したいという衝動と、表舞
台に出て、国家安全保障の大義名分のもとで、そういう活動を遂行したのだ
と、おおいに胸を張って言いたいという衝動との――興味深いアンビバレン
ス[二項対立感情]が見受けられます。盗聴の件に、このことが見てとれま
す。カール・ローブ[大統領上級顧問]は、「アルカイダが米国内のだれか
と話していれば、なにが話されているか、われわれは知りたいと思う。明ら
かに民主党のだれかさんは知りたくはないようだ」と言ってのけ、NSA疑
惑の発覚についての質問を巧みにかわすとともに、紛れなく盗聴好きである
ことを漏らしました。これは「盗聴を気にするようなら、君は米国を弱くし
ているのだ」と言っているのと基本的に同じです。もろもろの人権のすべ
て、憲法修正第4条の中身[*]がとんでもない戯言〈たわごと〉なので
す。
[不合理な捜索および逮捕押収に対し、身体、住居、書類および所有物の安
全を保障される人民の権利は、これを侵害してはならない。令状はすべて、
宣誓あるいは確約によって支持される相当な根拠に基づいていない限り、ま
た捜索する場所および逮捕押収する人または物が明示されていない限り、こ
れを発してはならない]

要するに、これは権利の章典に対する攻撃です。もろもろの権利の多くは、
特に戦時の圧力のもとでは、とりわけ人気があるわけではないと起草者たち
は理解していたので、権利の章典は憲法に書きこまれたのです。だから、も
ろもろの権利は、多数派によって左右されたり、多数決によって放棄された
りしないように、永久不変のものとして組みこまれているのです。憲法のう
ちに明文化された、国家が守るべき戒めと、戦争にさいして、これらの権利
の多くが不人気になるという事実との間に横たわる溝を利用して、政敵を倒
そうとするのは、最も無作法、なりふりかまわぬ危険な政略であり、これを
現政権がやってのけているのです。

政権内部に、これらのことに対する支持をキッパリ表明したいと考える人は
大勢います。尋問のケースでも、こういう衝動が目につきました。アブグレ
イブ事件のあと、そういう人たちはカムアウトしてもよかったはずです――
兆しはありました――が、結局、「そうだ、腐ったリンゴがいくつかある
が、それにしてもやはりそうだ、われわれは厳しい尋問を実行しているが、
国を防衛するために、そうしているのだ」と言いました。彼らが尋問をやっ
たとすると、例えば水責めを支持したような、多数派の意向をくんだので
す。

こういうことについて話していると、私の側にもやはりアンビバレンスがあ
ります――と言うのも、彼らは公然とウソをついている、秘密裏にこんなこ
とをやっている、しかも否認する、と非常に頭にきますが、その一方で、彼
らがこうした方針を隠さずに打ち明けることによって支持を回復しようとす
れば、大衆動員テクニックの類を使えるようになるのではと危惧するからで
す。

もちろん、こんなことでは、第2の攻撃の問題点をはぐらかすことになるで
しょう。第2の攻撃がすべての面で突破口を開く、武力による平定がもっと
明確になるというのが、多くの人びとの思いこみなのです。

【TD】では、あなたは第2の攻撃があると思いますか?

【ダナー】確かに、ありえます。これが9・11から1年後のできごとであ
れば、まさしく予期していたとおりだったと思えるでしょう。今は、その期
日がすぎていますので、それほど確信がもてません。彼らはもっと守りを固
める政治局面に入っています。攻撃が彼らが予期していた種類のものだった
のかどうか――つまり、少なくとも未然に避けることができたと思えるもの
だったのかどうか――は、じっさいの攻撃がどういう類のものであったのか
にかかっています。

これは情報でなく、政略

【TD】未来を予言するのは、つねに危険ですが、まったく別の方向で、こ
の政権が破綻したり、解体したりすると、あなたには想像することができま
すか?

【ダナー】そうですね、ヨーガ行者のベラ師は、多くのことで正論を言って
いますが、これについても、私は予言を創作しない、特に未来については、
とズバリ的を得たことを言っています。生臭い政治力を話題にすれば、政権
の屋台骨は明らかに国家安全保障政策です。9・11事件は、冷戦の終結に
ともなって失われたもの――国家安全保障政策における永続的で好都合な要
因――を共和党のために回復しました。この政権が、おみごとにも、手加減
しないで、効果的になしとげたことがひとつあるとすれば、テロに対する戦
争を政治的に利用したことです。2006年の中間選挙でもう一度使えるか
どうかはさておき、この政略は今でも目につきます。この状況が4年もつづ
いたので、アメリカ国民がこのレトリックにうんざりし、また、イラク戦争
やハリケーン・カトリーナ対策、メディケア[高齢者健康保険制度]の崩壊
など、政府を全般的に覆う無能さや腐敗ぶりに気づいたため、まさにこの理
由により、民主党にチャンスがあります。

政権の解体はありうるでしょうか? この考えは、左寄りの人たちの多く
が、弾劾をめざす動きにからめて唱えているものです――が、私には想像も
できません。なによりもまず、今は、民主党が、2008年のホワイトハウ
ス奪還をめざすためのかけひきとして、イラン・コントラ事件のときのよう
には弾劾を望まない政治の時節に差しかかっています。民主党はまた、[ク
リントンに対する]弾劾が1998年に共和党にもたらした結末を目にして
もいます。大統領在位2期目の中間選挙で、記憶にあるかぎりはじめて、共
和党が議席を減らしました――その結果、あなたも憶えておられるでしょう
が、ニュート・ギングリッチ[当時の下院議長]の唐突な失墜につながりま
した。その一方、今年11月に民主党が連邦議会上・下院のいずれかを握る
と、多岐にわたる分野で、追及が政権を手厳しく傷つけるでしょうし、攻撃
的な議会の委員会が、告発、断罪、下獄に直面する高官たちをじっさいに追
及しているさいに、わが身が標的になっているとブッシュ政権の人たちが気
づいたとき、どのように反応するのか、予測するのは困難です。議会がじっ
さいに職務を遂行するとしても、私たちの時代に支配的な政治の現実に私た
ちは対峙することになるでしょう。つまり、テロリズムが私たちの政治シス
テムに巣食っていて、言うなれば、恐怖が最も売れ筋の政治的意味をもつ感
情であり、政権は、恐怖を助長することにより、侮れない権力を維持してい
るのです。恐怖には、国の安全にかかわる官僚機構に対する攻撃は、国民の
安全に対する攻撃であると信じこませる力があります。

【TD】あなたがこの道を歩みはじめたばかりのころ、1980年代にエル
サルバドルで凄惨な大虐殺があり、あなたはその余波について報道なさって
います。米国に訓練をほどこされ、支援もされたサルバドル軍部隊による、
この大虐殺を振り返ることによって、話題をイラクに移したいと思います。
あのレーガン時代初期を今日と比較していただけませんか? なにしろ、ド
ラマの配役が同じで、例をあげれば……

【ダナー】……エリオット・エイブラムズ[*]……
[現・中東問題担当の大統領特別補佐官。レーガン政権では国家安全保障会
議・中南米部長を務め、イラン・コントラ事件にも関与]

【TD】……それにチェイニー、ラムズフェルド、ネグロポンテ[*]、そ
の他大勢。それにまた、もっと一般論的な疑問についても考えていただきた
いと思います――つまり、米国がこれほど常習的に流血に没頭するとは、ど
うなってるのでしょう?
[ジョン・ディミトリ・ネグロポンテ=レーガン政権期、反共の砦・ホン
ジュラス駐在大使。駐国連米国常任代表をへて、現・駐イラク大使]

【ダナー】おやおや……エルモゾテの大虐殺を振り返ると、これはレーガン
政権初期に発生したものであり、特に目を引きつけるのは、サルバドルに防
衛線を引き、あのいわゆる共産主義勢力のさらなる前進を許さないとする
――初登場のレーガン政権当局者たちと傲慢さも目新しいサルバドル軍との
――新たな決意を見せつけるのに役立った、その効果です。

今と当時を比べてみると、事実を認めず、たとえ無情であるにしても、その
否認を押し通すと固く決意した政府の力に思いいたります。

今、エルモゾテが反響を呼んでいるのは、ニューヨーク・タイムズとワシン
トン・ポストに派遣された二人の記者、レイモンド・ボナーとアルマ・ギュ
ラーモプリートが数週間以内に現地に到着し、記事を送信したからです。彼
らの記事は全米屈指の影響力を誇る2大新聞の第一面を飾りました……

【TD】当時は今よりもはるかに大きな影響力がありましたね……

【ダナー】まったく、そのとおりです。ニューヨーク・タイムズとワシント
ン・ポストがほんものの権威を誇っていた時代だったのですが、政府が前面
に出て、虐殺の事実を否定し、その見解を押し通すことができたのです。忘
れてはなりませんが、私たちは、暗殺部隊がサルバドル政府から送り出され
ていたこと、アメリカ大使館がすべてを承知していたこと、虐殺はあっては
ならず、虐殺の事実があれば援助を削減するというのが、アメリカ政府の表
向きの方針だったことを知っていました。事実としては、アメリカ政府と大
使館は、暗殺部隊と米国が支えている現地政府との繋がりについて、なんで
も知っていましたが、新たな非道行為がなされるたびに、毎回、報道機関は
政権による否定と大使館による否定とを忠実に伝達していました。

このことが手がかりになって、多くの報道記事の多くは、情報ではなく、政
略を伝えているという、当時の私の結論に導いたのです。私たちに情報が欠
けていたということではありません。その情報が表に出たときに否定された
ことが、権力者たちが彼らなりの実情認識を押しつけることができたことが
問題なのです。まったく違った事態を伝える明確な情報があるにもかかわら
ず、政治権力が実態のなんたるかを決めたのです。今の状況を検分して、私
はこの現象がむしろひどくなっていると見ます。どちらかと言えば周辺部に
あたる中央アメリカの国の大虐殺に限られた話ではなくなっています。事態
は、わが国を攻撃していない国を侵略するように米国を誘導した政略や発言
にまで、捕虜を拷問にかけ、明確な情報がわが国による拷問を伝えているの
に、拷問はやっていないと否定するところまで、対国内スパイ活動に手を染
め、これは政府による明白な法律侵犯であるのに、この活動を継続すると大
統領が断言するところまで行き着いてしまっています。これらすべての事例
に表れているのは、情報ではなく、政略なのです。私たちの時代における取
材活動の模範は、ウォーターゲート報道にありますので、ジャーナリストが
これを認めるのは、つらいことです。不正行為は確かに暴かれうるものであ
り、結末もなく、ある種の曲がりくねった永遠回帰のうちに、絶えまなく繰
り返し暴かれつづけるものだという現実を相手に、ジャーナリストが格闘す
るのは、非常に辛いことです。


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