とんでもない規制改革会議第 2 次答申「労働分野」/高須裕彦

2007-12-27 06:43:28 | 労働運動
一橋大学の高須です。暮れも押してきましたが、一昨日(12月25日)、規制改革会議が
とんでもない答申を出しているので、ご紹介します。既に、ご存知の方へはご迷惑を
おかけします。

政府の規制改革会議第2次答申
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/index.html#secondreport

マスメディアではほとんど取り上げられていないようですが、労働分野(本
文P163-P171)を見るととんでもない「問題意識」が述べられています。5月に出され、
徹底的に批判された「規制改革会議・労働タスクフォース」の意見書の内容がほとん
どそのまま掲載されています。

「一部に残存する神話のように、労働者の権利を強めるほど、労働者の保護が図ら
れるという安易な考え方は正しくない・・・・」として、「法と経済学」の視点を掲
げ、最低賃金の引き上げや労働時間の上限規制、判例の立法化を否定し、解雇権濫用
法理の緩和、派遣法の緩和(期間、業種制限の撤廃)、労働政策などの審議会の三者構
成の見直しを掲げています。

彼らの主張は新古典派の経済学の虚構のモデルに基づく理論をそのまま労働分野に適
用したものです。現実の労働関係、労働者の実態を無視した暴論です。

とんでもない労働タスクフォースの意見書が堂々と答申本文の「問題意識」として掲
載されたことを到底許してはならないと思います。

連合が昨日(12月26日)付で抗議の事務局長談話を発表しています。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2007/20071226_1198632587.html

このような問題意識を持って政策が決定されないように、政府や規制改革会議に対し
て抗議の声を上げていく必要があると思います。

一橋大学フェアレイバーセンターで進めている「労働ビッグバン研究プロジェクト」
でも、何が問題かを徹底的に議論し、批判をしていきたいと思います。

今後の労働ビッグバン研究会のご案内は以下をご覧下さい。
http://rodobigbang.blogspot.com/

高須裕彦

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高須裕彦
一橋大学大学院社会学研究科
フェアレイバー研究教育センター
Tel/Fax: 042-580-9139
E-mail: h_takasu@jca.apc.org
    pj01571@srv.cc.hit-u.ac.jp
URL: http://www.fair-labor.soc.hit-u.ac.jp/
http://rodobigbang.blogspot.com/
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