「正義と民主主義を求める自由な市民に向けられた弾圧 に、合意してない」声明

2008-07-19 01:06:30 | 沖縄
「正義と民主主義を求める自由な市民に向けられた弾圧に、合意してない」声明

 世界中で警察が軍事化し、軍事組織が先鋭化しています。先鋭化する軍事組
織は、暴力を独占する国家による交戦権の枠すら大きく逸脱し、その矛先が世
界中の非暴力の市民に向けられているのです。強行される米軍基地建設を阻止
するため活動する非暴力の僧侶や牧師が逮捕拘束されてきた沖縄から、このメ
ッセージを多くの<共>なる人々に届けます。

 ここ沖縄では、例えば、辺野古への新基地建設を推し進めるステップとして
強行されている環境調査に、海上自衛隊が派遣されるという暴挙が、記憶に新
しいところです。また、2000年から英語名で「沿岸警備隊」を名乗るという詐
術によって準軍隊化を密かに果たそうとしている海上保安庁は、防衛局の作業
を介助するため、非暴力阻止行動の市民による活動を監視・妨害し、嫌がらせ
を続けています。米軍キャンプ・シュワブの浜からボートを出艇させるという
海上保安庁と米軍との協同すら、常態化しているのです。

 沖縄島北部一帯に拡がる在沖米海兵隊ジャングル戦闘訓練センターでは、イ
スラエル、ドイツ、オランダ軍とともに自衛隊員が視察を行い、将来の訓練の
可能性を検討していると報道され衝撃が走りました。その米軍提供区域を抱え
る東村高江では、新たに計画されたヘリパッド建設に反対するため、座り込み
による非暴力の阻止行動を行う市民に対して、沖縄防衛局員から「刑特法違
反」という執拗な脅迫が続いています。

 ラテンアメリカでは、侵略と軍事介入の後にアメリカ合州国の肝いりで、現
地の治安警察の創設と市民の弾圧を繰り返して来た歴史があります。敗戦後の
米国占領下の日本で創設された警察予備隊が、自衛隊を経て、ふたたび国軍化
を目論むとき、駐留米軍が軍事訓練を施すという関係は、こうしてみれば、さ
して驚くことではない、予想された流れなのかも知れません。

 このような状況下で、国家に憲法を遵守させ人権を保護すべき日本の法廷は
といえば、トイレの壁に落書きで「反戦」「スペクタクル社会」と意見表明す
れば懲役1年2ヶ月執行猶予3年、多くの住民に情報を知らせようとフライヤー
をポスティングすれば罰金刑の有罪、などの最高裁の決定が相次ぎ、市民の自
由な表現による批評的活動の弾圧に加担していると言わざるを得ません。近年
の死刑執行の乱発は、そのような恐怖による市民監視に拍車を掛ける司法の暴
走と呼ぶべき事態と言えます。

 市民の抵抗運動は、思想や信条、組織か非組織かを問わず、ときに短期的、
ときに長期的なアクティヴィズムによって、さまざまな「現場」を創出して来
ました。それらの、市民的不服従の直接行動から、より穏和で偶発的、日和見
的だが柔らかな広がりを生み出す創造的行為までもが、「過激」「危険な阻止
行動」とのレッテルを貼られ、マスメディアが社会的憎悪を増幅し、弾圧の対
象とされているのが現状です。大学キャンパスにおいてさえ、警察権力を動員
した学生の逮捕が相次ぎ、脅迫を免れて知を豊かに涵養すべき大学の自治すら
侵害されています。

 今回のG8洞爺湖サミットにまつわるさまざまな弾圧は、そのような軍事化す
る警察権力の暴走が、よりあからさまなかたちで現出した事態と見なければな
りません。デモや集会を申請すれば、直前に却下しておいて「無許可」をたて
に逮捕し、日雇い労働者・野宿者を支援する人びとが世界の声なき声と連帯す
れば、不当に逮捕・家宅捜索し、海外からの来訪者たちがヴィザの発給を拒ま
れ、入管で不当に足止め、勾留、送還され、そして、心躍るサウンドで人々を
鼓舞してデモ=マーチ=祭りという新しい<共>なる空間を切り拓こうとするサ
ウンドデモのドライバーとDJが、弾圧の対象となりました。

 私たちは、このような事態に際して、思想信条、抱えているイシュー、アク
ティヴィズムのスタイルや表現方法、あらゆる差違を超えて、抵抗する市民の
<共>に連なるものとして、抗議を表明すべきだと考えます。


 私たちは、警察の軍事化と、正義と民主主義を求める自由な市民に向けられ
た弾圧に、合意してない。

 ヴィザ発給の制限や入国拒否、入管による拘束などの自由な移動の弾圧、自
由な表現を弾圧する過剰な規制と不当逮捕に、抗議する。

 正義と民主主義のために抵抗し不服従するすべての市民を解放せよ。

Free Ill Commonz, the DJ, and the Driver!--> Released on the morning of July16!
Free Shibuya 8!
Free Greenpeace 2! --> Released in the midnight of July15!
Free anybody in jail for demanding freedom and justice!


 不服従・抵抗を表現したために拘禁されているすべての人々に、もしも希望
の一助となるならば、このメッセージが届けられるよう、それぞれの関係者の
方々のご協力をどうぞお願いします。

 私たちも、私たちの場所で、私たちのイシューを闘っています、みなさんと共に。


合意してないプロジェクト
2008年7月15日

阿部小涼(琉球大学教員)
新城郁夫(琉球大学教員)
親川志奈子(琉球大学大学院)
徳田匡(大学院生)
當山和美(琉球大学学生)
森啓輔(琉球大学学生)
安藤さち子(コーディネーター)
浜邦彦(早稲田大学教員)
榎本真弓(アーティスト)
大城ひさこ。(那覇市在住)
渡辺学(東京都在住)
柳田敏孝(会社員)
戸邉秀明(大学非常勤講師/千葉県在住)
大城奈央(学生)
平井玄(音楽批評/編集フリーター)
村上陽子(東京大学大学院生)
児島博紀(大学院生)
木村厚子(岐阜県在住)
安部真理子(沖縄県民)
首藤久美子
西泉(沖縄大学教員)
小池まり子(元沖縄県民)
鳥山淳(大学非常勤講師)
佐藤泉(青山学院大学教員)
有馬智子
仲田晃子(那覇市在住)
よしおかちえ
森美千代(フォークパルチザン)
田仲康博(国際基督教大学教員)
東琢磨(広島市在住)
山原マングース(ネオリベ的産業廃棄物/大学院生)
新垣友子(沖縄キリスト教学院大学教員)
真喜志好一(建築家)
新垣誠(沖縄キリスト教学院大学)
上間かな恵(美術館勤務)
岡本由希子(那覇市民・編集者
宮城公子(那覇市在住)
池田鉄馬(学生)
坂西雄太(父親)
井上まゆも(那覇市民)
Miyume Tanji, Curtin University of Technology, Perth, Australia
(順不同、2008年7月16日現在)

■■賛同と<ことばの杖>のお願い■■
 この声明文に賛同下さる方は、(1)氏名(肩書き)(2)公表の可否について、
以下の宛先までお知らせ下さい。お名前も肩書きも、自由な表現でどうぞ。声
明文と賛同人のお名前は、合意してないWeb上で発表されるほか、印刷して各
所で配付されることが想定されています。
 また、みなさんのお勧めの「代用監獄で読みたい名著・名言」を教えて下さ
い。<ことばの杖>として、合意してないWebその他にて紹介させて頂く計画
です。

■この声明文についてのご賛同・お問い合わせは・・・
合意してないプロジェクト
projectdisagree@okinawaforum.org
http://disagree.okinawaforum.org/


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