上官殺害頻発から始まるイラク駐留米軍の崩壊/アラビアニュース

2006-11-19 11:39:25 | イラク
イラク駐留米軍で「上官殺害」事件が起き始める段階になるまでには大した時間は掛からない。昨年にある兵士が将校二人を殺し、現実化し始めている。

 この用語はベトナム戦争で使われたもので、米国民が支持しない負け戦のために命を賭けていると兵士たちが認識し、士気がどん底に落ちた時に起こる。上官の将校を殺害することはベトナムで広まった。当時兵士たちは、危険な任務を押し付けられないように、上官を殴ったり殺したりした。

 イラクでは大部分の兵士が職業軍人か志願兵であるので上官殺害は稀になろうが、士気が低下し喪失したと感じられるようになると、兵士の規律は徐々に緩み、負け戦に命の危険を冒そうとしなくなる。イラクからの米軍撤退問題は、「すべきか?」を越えて、「何時?」の段階に達した。この決定的な進展は、中間選挙での民主党の勝利がもたらした。次段階は誰が想像するよりも早く訪れる可能性は現在ある。

 現段階は第三段階の「何故今撤退しないのだ?」に差し掛かっている。13日に変化が訪れ民主党員はイラク問題に注力するようになった。この日、上院の次期のボスと上院の次期軍事委員会と外交委員会の委員長の民主党の大物3人はテレビ対談で、来年初頭の撤退開始が承認されることが優先課題だと表明したのだ。

 この進展は来年に始まる2008年の選挙戦で民主党候補を誰に選出するかに影響を与えよう。そこでバラク・オバマ上院議員のような戦争に反対する候補者が有利になり、先頭を走っているがヒラリー・クリントンのような未だ戦争を支持している候補者は、激しい競争に直面しよう。

 撤退の結果、激しく制御不能で広範囲の内戦になるかも知れないが、同時にもはやそれに代わるものは無いかも知れない。

 普通の米国人は、人的、金銭的犠牲の多い戦争を支持しない段階に達した。イラクでの民主主義定着の希望という戦争のための最後の口実が崩れ、戦争は意味も目的もを失った。

 最終段階の「全てを棄てて逃げ出せ!」には達していないが非常に近い。不思議なことに米軍の破滅を止められるのはイラク人自身のみなのだ。米国人は彼らの人質になってしまった。

http://www.iraqpatrol.com/php/index.php?showtopic=17255

【アラビア・ニュース】  齊藤力二朗 転載は見出しと序文、URLのみに限定
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1 コメント

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石破とか久間とか (コレを)
2006-11-19 14:14:08
読んだら、如何思うんだろうね?
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